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オンラインサロン"「私」物語化計画"開講記念 KICK OFF PARTY レポ

オンラインサロン"「私」物語化計画"の開講を記念して、11月24日(土)渋谷のロックバーにてKICK OFF PARTYが開催された。現役の大学生から60代まで、幅広い年齢層が参加する会となった。

始めに、オンラインサロンの主催である山川健一さんの挨拶があった。挨拶というよりは宣言といったほうが正確だろうか。文学、そしてその文学のバトンを次の世代へと受け渡していく重要性を力説していた。

"「私」物語化計画"は「自分探しの旅」「プロ作家デビュー」を目的としたオンラインサロンだ。主催の山川健一さんは、作家として100冊以上の著作を残し、アメーバブックスの編集長、東北芸術工科大学芸術学部文芸学科の学科長などの経歴をもっている。

そんな山川健一さんが発する言葉の端々から、このオンラインサロンをライフワークとして転がしていく強い気持ちが感じられた。時間が過ぎるのを忘れるくらい、とても濃密な2時間のパーティーであった。

KICK OFF PARTYで印象に残ったことがある。

店内ではずっとローリング・ストーンズのナンバーが流れていた。山川健一さんはストーンズ・フリークである。ミック・ジャガーをインタビューした「ローリング・キッズ」や、キース・リチャーズをインタビューした「ロックンロール・ゲームス」などの著書を残している。おそらく、お店側が山川健一さんの趣味に合わせてくれたのだろう。

ちょうど、「悪魔を憐れむ歌」のイントロが流れたときだった。山川健一さんは隣に座っていた教え子(東北芸術工科大学)に「この曲を知ってるか?」と尋ねた。もちろん、1968年に発表された曲など知っているはずもない。そうすると、そこから「悪魔を憐れむ歌」についての講義が始まった。

つい、5秒前まで、小説においてのロジックとパッションや、弁証法について語っていたのに。途中で講義は切れたのだが、おそらく放っておけばそのまま、歌詞の着想元となったフランス文学や、サタニズム、ジャン=リュック・ゴダールなど、永遠に話は続いていったはずだ。

山川健一さんは小説であってもストーンズであっても、同じ地平線にある事象として語る。両者のあいだには遮る壁などなく、とても軽いフットワークで自由に超えていく。どうしても、「自分探しの旅」「プロ作家デビュー」という題目は小難しく受け止められてしまいがちだ。だが、山川健一さんの手にかかると、すべての人にとって身近なものとして料理されていく。

ガンズ・アンド・ローゼズが「悪魔を憐れむ歌」のカバーをリリースしたのは1994年。もちろん、教え子はまだこの世界に生まれていなかった。映画「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」の主題歌にもなったよ、と言ってもピンとこない世代に「悪魔を憐れむ歌」誕生の背景を、優しげなまなざしで、熱く饒舌に語る山川健一さん。

そんなひとつの場面が、オンラインサロン"「私」物語化計画"の空気を感じさせてくれる瞬間だったように思う。


Text:Atsushi Yoshikawa

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