カバラ 生命の樹(セフィロトの樹)とは? 前編

はじめに

生命の樹(セフィロトの樹)は、ユダヤの秘密の教えに起源をもつ、スピリチュアルな世界で静かに人気の高いシンボルです。

ここでは、源流となったユダヤ教神秘主義の話は脇に置き、タロットやヒーリングの世界でこのシンボルを扱ってみたい人のために、超入門的な説明をしていきます。

樹の世界の膨大な情報の中から、3つの鍵を紹介し、最後に樹の使い方の最初の一歩を解説していきます。

生命の樹の世界での宇宙の始まり

世界各地には色んな創世神話があります。聖書神話のように「神が光あれといった、すると光があった」という創世神話もあれば、老子の世界の「1は2を産み、2は3を産み、3は万物を産む」という創世神話もあります。

生命の樹の場合は、後述しますが、数秘術的な要素の強い世界観なので、「無限(アンリミテッド)の世界から、1がうまれ、2がうまれ、3がうまれ、(中略) 10が生まれた」みたいな雰囲気で、この世界が誕生します。

1つの源泉からエネルギーが流出していって、この宇宙が形成されていくというイメージです。

例えば、神の見えざる手によって、シャンパンがグラスのタワーに注がれ、それがどんどんグラスを満たしていくとイメージをしてみてください。瓶という1つの源からたくさんのグラスへとお酒がなみなみと注がれていきます。

画像1

この「1つのソースからの流出」のイメージをシンボリックに表現したものが生命の木です。1番上の球から、創造のエネルギーが流出していき、世界が構成されていくわけです。

たとえを変えると、川の水が水源から流れ出して、多段式に流出していくという河や滝のイメージも近いと思います。


生命の樹の1つ目の鍵は、この木は根源から宇宙が創造されていくプロセスをあらわしているということです。

宇宙から人間が誕生して地上に降り立つまでを描いているとも言えます。逆からいうと、人間が宇宙そのものになっていく修行の道としてみることもできます。生命の樹は、世界の創造のプロセスの象徴、かつ、人間の修行や成長のプロセスの象徴、というシンボルなのです。

世界の始原にさかのぼる意味

人間の根源的な欲求の1つに

「自分が、どこからきて、どこへいくのかを知りたい」
「本当の自分を知りたい」
「常識的な世界を超えたところにある、世界の本質に触れたい」

というタイプのものがあります。

常識的な世界を超えるには、「起源にさかのぼる」というのがいい方法の1つです。

例えば、地球の各地で国境や土地をめぐる争いというものはよくあります。

でも、もともと人間がいない時代までさかのぼったら、宇宙から地球を見たらこんな感じです。

画像2


この絵は現代の地球なので、大陸の位置とかは違うかもしれませんが、人間が住んでない時期の地球というものをイメージできると、

「国境線とか、土地の境界とか、後からきた人間が勝手に作った幻想ですよね」

という発想は理解しやすくなると思います。

世界の起源や根源に意識をさかのぼる体験には、自分の中で呪いになっている不要な思い込みを外すパワーがあるのです。

なので、少なくない人は「世界のはじまり」的な話が意外と好きなのです。

(中編へ)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?