みんないい人という世界観の問題点

「みんないい人」的な世界観には1つ問題点がありますので、マンガなどのストーリーを題材に考えてみます。

・村人が戦士に倒されそうになっていた魔物の子供を助けた (魔物は人を食べる生き物だが、人語を解する)
・助けた魔物に村人が殺された
・今度こそ戦士は魔物の子供を退治した

というストーリー展開、ファンタジーでわりとあると思います。

この場合、魔物を駆除する以外に選択肢はありません。人里に人食い虎が大量に出たら一匹残らず駆逐するしかありません。人命をまず尊重するという前提であれば。

現実世界にも悪質な殺人犯のように「問答無用で通りすがりの人間を虐殺しようとする」ような存在もいます。通りすがりの人間の荷物を盗んで金品を強奪するような不逞の輩もいます。

通り魔と分類していいのかは謎ですが、ジャック・ザ・リッパー(Jack the ripper)のように正体不明の連続殺人事件のような事実の存在を考えるだけでも、現実世界にも人食い虎のような人間がいることの証明としては十分でしょう。

こういう存在は「外見は人間だが、中身は人食い虎」として扱わないと対処を誤ります。

「みんないい人」という発想もそれはそれで使うべき場所がありますが、ウルトラマンの対峙する怪獣のように「問答無用で駆除すべきもの」も世界にはあります。

大人になると一般的に「善悪をきれいに割り切らないのがよい」みたいに性格が丸くなりがちです。ただ、「悪は滅ぼすべし」もしかるべきタイミングで使えないと「温厚な人格者」ではなく「無能な腰抜け」になってしまいます。

「人畜無害キックで怪獣退治」的な発想も、それはそれで必要な発想なのです。

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