見出し画像

舞台 ダンスライン2022 7/2 5公演目 平瀬美里に思わぬ試練が訪れた!?

3Bjunior出身の役者の中で、トップを行くのが葉月智子・ちょもならば、それを猛追する2位に居ると言えるのが、3Bjr内ユニット・ロッカジャポニカ→B.O.L.Tの歌のエースであった、

平瀬美里
みぃちゃんであることに、
異論は認めない!

松竹芸能所属のコメディアンでありながら、「演劇の聖地」下北沢で上演される戯曲の中で、大賞を受賞する作品を創り演出すると、マルチな才能を発揮する友池さん(一彦)さんの作品にお声がけを良くいただいて、「注意書きの多い料理店」という作品で、周りにはその姿が見えないという幽霊のヒロインを務めたり、「ヤミイチ」という作品で、自身の横では生々しい性表現がされていることにも臆せず演技をするなど、質的側面ではちょもを凌駕しているともいえる経験を積んだ彼女が、演劇デビューを飾った「アリスインプロジェクト」の、6月29日から7月3日まで、ここ、

新宿村LIVEで上演されている、

舞台 ダンスライン

に出演。しかしこの作品では、これまでの彼女が演じたことがあまり無い演技を求められたと小生には思え、その意味では、

みぃちゃんの試練

と言える節目の作品となったのではないかと思う。それはなぜか?というところを、今回もギリでネタバレしない範囲で、トーシロらしさ満載の解説をしてゆこうと思う。


みぃちゃんの役どころは、演劇部部長の3年生・平山樹(いつき)。前部長の百合園絵里(森青葉)が、ある件の責任をとり部長を辞任したため、横滑り的に部長に就任したというもの。絵里には、2年生の桜日和(播磨かな)という心酔しきった後輩がいるように、カリスマ的な姿があったが、平山はといえば、確かに同じ2年の後輩の中川原(羽野瑠華)や1年生の森下(伊藤千由李)からは慕われる面はあるものの、部を統率しようという意識はあまり見られず、あくまで絵里退部後も、絵里のサポート役という感じがある。留学から帰国した、長沼亜里沙からは"堅物"という認識をされているが、森下からは受験を心配されても、そうだっけ?と惚けて、どうも学力は堅くない印象である。

以上が台本から読み取れる平山の人物像だが、まあ、早い話、本作の中では、播磨の桜などと同様に、ほぼバイプレーヤーであり、小生は初演の29日公演を観た直後には、

フォーエスさん(エンタテイメントという制作会社)や友池さん作品では、主要キャラを貰っていて、考えることも多そうだったけど、
久々にいい意味で、肩の力を抜いて演じられる機会を得たなあ、

と、ホント迷惑なファンの典型な、偉そうな感想をもったのね。でも、2公演、3公演と見続けて、そして昨日のマチネの5公演目で初めてみぃちゃんの出番は、彼女だけを観るというロックオン観賞をしたときに、

いやいや今作は、みぃちゃんには、
新たな試練になった作品だぞ!

と認識を改めざるをえないことに気づいたのね。それは、この役、

コメディリリーフとして、
笑いをとるべきが求められている、

というところで、おそらく明日の大千秋楽まで、彼女は、どうすれば、自分の演技で、笑いを取れるか?に思い悩むことだろうね。

と、ここで、もしも小生の記事をコンスタントに読んでくださる諸兄姉のうちでみぃちゃんを推す人が居たら、まてよLv.1よ!みぃちゃんはすでに主役の舞台で、自分で場内を笑いで包んだ経験があるじゃねえか!と言われる方もいよう。そう、確かにみぃたんは、昨年10月の「早稲田の中心でロックを叫ぶ」通称・ワセチューという舞台(というか音楽コント演劇!?)で、キャリア30年以上のコメディアン・青木竜造氏を相手に即興の芸で笑いを取った事実はある。しかし、あれは、それこそ青木氏の、受けの懐の深さがもたらした面も大きく、今作の、自分の動きだけで会場を弛緩させるものではなかった。現に、それが一番求められるだろうアノ登場シーンでは、小生の記憶する限りでは、笑いが起こったのは4回中2回だったのではと思っている。2回なら素晴らしい、というのは、敢えていえばやや甘い。あそこは、わざわざ台本には無かったものを加えてもらったものだから、出来ればすべての回で、演者本人にも聞こえる程度の笑いは欲しいところだと思う。

では、みぃちゃんの表現がなっていないのか?といえば、それ自体はおそらく稽古に忠実な動きであるのは間違いないと思う。最低限の求められるものはクリアしたんだけど、残念ながら意図した笑いには至ってないというところなのだ。他方で、元同僚の播磨、宮路先生役の西野亜弥さん等がコンスタントに笑いを取っているという事実に、こちらも負けず嫌いのみぃちゃんが悩まないわけがないだろう。こうした、かつての芝居のように計算外の笑いは取れても、笑いを計算された場面で滑ってしまうことの難しさを体感したことは、このところ演劇キャリアも安泰だった彼女には、必ずや刺激になったであろうことは言うまでもなく、それがまた彼女の舞台経験として積み上げられタンスの引き出しが増え、次の機会に必ずリベンジをしてくれるだろうことを想像させてもらえるのもファン冥利につきるというものだ。

事実、昨日でも、そのシーン後のいわゆる影芝居では、これも先述のとおり、すでの遊んでるなお前らwwwというようにスレスレの影芝居を楽しんでいる播磨や羽野瑠華さんに加わり、コサックダンスみたいな足をクロスさせて遊んだりをしていて、その負けず嫌いな面を見せていたので、今作では間に合わなくとも、必ずや近いうちに笑いを取るというところを成就させるだろうと確信した次第である(って、これ園芸評評論家かよwww)。

それと今一つ、今作のヒロイン・美環の特性が、かつてみぃちゃんが演じた、ある役と全く同じで、稽古や本番では、その特性がゆえに、演じた高咲陽菜さんが心的に苦労したところがあると思われ、その点でもみぃちゃんが、自分の経験を踏まえて彼女をサポートしてあげたということが、なにより小生は嬉しかった。高咲さんは、すでにSNS上では、初舞台と思えぬ度胸の良さなどが「ネタバレ」されているが、まだまだ現役高校生。その彼女に、3Bjr時代は年下組だなんて言われていたみぃちゃんが、キャリアのうえでは後輩に、そのノウハウを惜しみなく伝授していって、また自分を高めて、これからの芸事に勤しんでいるのは、笑いを取ること以上にうれしいことこの上ないね。本作ではカリスマ性はないけれど、平瀬美里としてのカリスマ性は着実に高まっていることを確信して、さあ、今日はいよいよ千秋楽だ!最後悔いなく、ステージを全うしてきてください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?