塊魂

「塊魂」が僕の最高のゲーム

ついに、平成が終わろうとしていますね。
先日、「平成のゲーム 最高の一本」が投票で決まったという記事を見て、新しい時代の幕開けだ!と胸が熱くなりました。
皆さんが今までで一番面白いと思うゲームは何だったでしょうか?

僕がこの世で一番面白いと思うゲーム、それは「塊魂」です。

この面白さを皆さんに知ってもらって、遊んでもらって、共感していただくために、僕なりの紹介をさせていただきます!

初めにお断りを入れておきますが、僕がこれから書く文章は、「塊魂」に関係する攻略記事はおろかホームページすらまともに目を通していない、完全な主観によるものです。どうか温かい目でこの文の行く末を見守っていただけますと幸いです。

【塊魂ってどんなゲーム?】

転がして、大きくするゲーム」です。
パッケージの裏側に書いてあることをそのまま書きました。

初めは小さな塊でも、ものを巻き込んでいけば大きくすることができます。
大きくなった塊は、宇宙に浮かべて星にします。
なぜ宇宙に浮かべて星にする必要があるのでしょうか?
大コスモの王様が酔った勢いで星々を破壊してしまったからです。

「塊魂ってどんなゲーム?」に対する答えは以上です。

ここまで読んでくださったみなさんは、これでゲームの内容を全て理解したはずですので、
これから、このゲームの魅力を余すことなくご紹介したいと思います。

【可愛い!】

可愛いんです、とにかく。
このゲームに登場するキャラクターはもれなく可愛いんです。

先ほど、「大コスモの王様が酔った勢いで星々を破壊してしまった」と書きました。これまで、厳しい人間界をお過ごしの皆さまなら、もうお分かりだと思います。

そうです。この「王様」はすごくおっちょこちょいなんですね。可愛いです。
そんな王様のご尊顔がこちらです。




…可愛いですね〜!そしてカッコいい!
幼少期には勉強の他にもピアノやバレエ、ボクシングなどを習っていた筋金入りの「王様」です。
もし、お酒に酔った男性があなたの家に上がり込んできたとしても、この笑顔なら許してしまうのではないでしょうか。
星々を破壊してしまったことに関しては
「ヤッチャッタ。王様、ヤッチャッタ。」と、反省の色も伺えます。
王様。次から気をつければいいのです。失敗してしまった経験を次に活かしましょう。


可愛いのは当然、王様だけではありません。
それに、本来であればまず初めに紹介するべきであろう「王子」のことをまだ一文字も書いていないことに気がつきました。
このゲームの主人公は、王様の息子である「王子」です。

真ん中の緑色の服(?)を着ているのが「王子」です。手を繋いでいるのは、王子のいとこたち!
めっっっっっちゃ可愛いですね〜!!
この絵だけでも、ツイッターのフォロワー5万人くらいは見込めると思います。
何より可愛いのがこの「王子」たち、身長が5cmくらいなんですよ!
手のひらサイズです!!!可愛すぎます!!!!!

この「王子」が、「王様」からの命令で宇宙に派遣され、
カタマリを転がし大きくすることで星を作っていくわけです。

カタマリが大きくなるにつれてだんだんと見えなくなる王子…。
星々を破壊できるほど大きな「王様」からの命令を、素直に聞いて実行する王子…。
この健気さったらないです。

そしてなんとこの王子、ゲームマップ上に落ちているプレゼントを手に入れると「着せ替え」をすることができるんです。たまらないです。
ナムコさん、本当にありがとうございます。

主な登場人物はこの2人だけです。二人だけの「超かわいい世界」なんです!
何が良いってこの2人、「可愛さ」の種類がそれぞれ違うのでとってもバランスがいいんだと僕は思います。

酔った勢いで星々を破壊できるほどの「圧倒的強者」である「王様」には、お茶目な一面によって「どこか憎めない可愛さ」が生まれ、
一方、王様に従う身長5cmの「王子」には、「圧倒的弱者」であるからこそ、赤ちゃんを愛でるような、「この子を守らなくては!」と思わされる「本能的な可愛さ」が生まれています。
この両者の「可愛さ」のコントラストが、ゲームの世界を素敵にしている最高のバランスなのではないかと思います。

僕自身、キャラ設定や世界観を書いているだけでも存分に楽しい「塊魂」ですが、
ゲーム中の画面にも、楽しさを存分に引き出すための工夫がいくつも用意されています。
「塊魂」にみえる様々な工夫に関しては後ほど紹介させていただきます。

【快感!】

やっとゲームのコアな部分についてのお話になるのですが、
ここからは少しだけ真面目に「どんなところが面白いのか」について書いていこうと思います。

塊魂は「転がして大きくするゲーム」です。

初めは、部屋にたくさん落ちている「将棋のコマ」や「目薬」などから、
「虹」や「くも(モコモコの方)」まで巻き込みます。

何を言っているのかわからないかもしれないですが、僕にもよくわからないです。

さて、「塊魂」の何が面白いのか、という問いに対して一言で答えるならば、
とにかく「快感」が得られる面白さがあるゲームなんだと僕は思います。

大きく3つのカタマリにするとこんな感じです。
1「できなかったことができるようになる快感(下克上)」
2「破壊衝動にも似た、巻き込みの快感(生理的な気持ちよさ)」
3「自分で設定した目標を成し遂げた時の快感(達成感)」

順番に説明させていただきます。


1「できなかったことができるようになる快感」

初めは3cmの小さなカタマリなので、巻き込めるものは限られています。
しかし、コツコツとモノを巻き込み大きくすることで、カタマリが巻き込めるモノは増えていきます。同時に、行けるようになる場所も増えていきます。
この「努力した分だけ、できることが増えていく」という、どのゲームにも共通する本質的な要素を、1プレイで体験できることが塊魂のすごさなのではないでしょうか。アーケードゲームに近い遊び方だな、と個人的には感じています。

また、このことを一括りにしていいものかと思う部分もあるのですが「できることが増えていく」例としてはもう一点あげることができます。

街を歩いている「ニワトリ」や「ウシ」は自分よりも小さなカタマリを見ると、突進などの妨害行為を働いてきます。
しかし、いつかはこの「ニワトリ」や「ウシ」たちもカタマリが巻き込む対象に変化します。動物に限らずカタマリより大きなものは、建物や植物ですら障害物ですが、カタマリを大きくすることで、この力関係が一気に逆転するのです。
敵によって溜められたストレスを、敵にそのまま発散するができる」というのは、アイテムを取ると「狩られる側」から「狩る側」へと立場が逆転する「パックマン」などにも見られる下克上のような快感であり、面白さだと思います。


2「破壊衝動にも似た、巻き込みの快感(生理的な気持ちよさ)」

突然ですが、皆さんに一つお聞きしたいです。
何か嫌なことがあった時に、何かをぶっ壊したいって思ったことはありませんか?

僕は普段アルバイトをしているときや、大学の書きたくもないレポートの期日に追われているときに「モノをぶっ壊してやりてぇぇぇよぉぉ!!」となることがあるのですが、それは人間の本能に深く根付いた感情みたいです。
少しだけ詳しく説明すると、人間もかつては俗に言う「動物」であり、「動物」から進化してきた生き物です。したがって、「動物」の時の本能がまだ脳に残っているということです。
動物は、「縄張りを荒らされたとき」「自分の行動を邪魔されたとき」など、いわゆるストレスを感じると、怒りを覚え、相手を破壊しようという衝動に駆られます。そのため人間も同じような状況に置かれると、本能から、怒りと破壊衝動が湧き上がるようになっているらしいです。ソースはインターネットです。
人間だって「動物」だろ!などのご意見は一旦心の中に押し込んで置いてください。
ここで大事なのは、「ストレス社会に生きる皆さんにも破壊衝動はある」ということなんです。
まず皆さんには「へー。私にも破壊衝動があるんだ。」と認識していただくために、人間がチンパンジーだった時代(諸説あり)の説明をさせていただきました。
ここまでの文を読むだけでも、多少のストレス、つまり破壊衝動が溜まってきたのではないでしょうか!

そんな皆さんには今、この問題を解決するための選択肢が2つあります。
1つ目は、お手持ちのパソコンあるいはスマホを壁に投げつけること。
2つ目は、「塊魂」をプレイすることです!!!

「塊魂」はその「破壊衝動」を存分に発散できるゲームなんです。

どうして「塊魂」が破壊衝動を発散できるの?の答えはたった一つだけです。

会社を巻き込むことができるからです!!

ご覧ください。この圧倒的な絵を…!
私たちの会社が、街が巻き込まれていく様子を…!
自分の会社を巻き込むだけでも最高に気持ち良いのにも関わらず、あの取引先までも巻き込むことができてしまう!!

この「巻き込む」という行為。見た目はもちろんですが、僕が個人的に素晴らしいと感じているのは、「音」です。
「塊魂」内に登場する「モノ」つまり巻き込む対象は合計で1000種類以上あります。
そしてその「モノ」を巻き込むとき、私たちが普段生活していて音を感じるであろうものには、必ず固有のサウンドが付いているんです。
人に至っては、各キャラクター例えば「ジョガクセイ」や「ヤンキー」など固有のキャラに思わず笑ってしまうようなサウンドが付いています。
ちなみに、オフィスを巻き込むとその中にいた社員たちの悲鳴を聞くことができます!!最高!!!!

つまり、「巻き込む」というアクションに対してのリアクションが抜群なんですよね。

私たちの破壊衝動はこのゲームの中で完結します。
紛れもなく、生理的な快感です。


3「自分で設定した目標を成し遂げた時の快感(達成感)」

ゲーム業界の偉い方々や、「遊び」に関する研究をしている方々に対して「ゲームとは何か」という問いが投げかけられている(または自身に投げかける)文をよく目にします。
その方々にある程度共通していて、僕自身も納得できる答えは「目標と、ルールがあるものは全てゲームである」ということでした。
プレイヤーを「こと」に没入させるための工夫が、結果としてそうさせたのではないかと僕は思います。
この考え方は日常生活にも役立つ素敵な考え方だと思っているのですが、現実ではなかなか難しい…。
つまり、娯楽としてのゲームには初めから目標・ルールが示されており、プレーヤーの行動に対するフィードバックまでがきちんと設計されています。
ゲームが現実逃避できるツールとして、あまり社会的とは言われない人々に受け入れられやすいのは、この一面があるからだと思っています。全くもってそれで良いとも思ってます!!

そんな中にも、この「塊魂」の面白さのヒントが隠れていました。

「塊魂」は、王様から示された「目標」の大きさに向かって、制限時間という「ルール」の中でカタマリを転がしていきます。
しかし実際にプレイしてみると、この目標をクリアする難易度が低く設定されている印象を受けました。
大体のステージをミスなしでクリアすることができます。
これだけ読むと、「ただ簡単なゲーム」という印象しか残らないと思いますが、ここで注目すべきなのは、「王様から示された目標をクリアすることが簡単」という点にあります。
さらに言うと、クリア後であっても、カタマリの大きさに対するフィードバックは、独立したすごくシビアな設定がされているのです。

目標をクリアしているためシナリオは進むのですが、王様は「モット大キクデキル」的な厳しいお言葉を僕に投げかけます…。
また、そのMAP内のモノをどれだけ巻き込んだかのパーセンテージも結果に表示されます。
これはつまり、「目標をプレイヤー自身で設定し達成していくこと」をゲームの「目標」として定めているのではないでしょうか。
実際、「自分」を乗り越えることで得られる体験は、ただ用意された目標を達成することに比べて圧倒的でした!何より、その頑張りに対して王様はちゃんと褒めて下さるのです!
ここでの達成感は何よりの快感でしたし、ゲームへの没入にもつながる面白さだと思いました。
特に「オウシ座をつくる」と「オオグマ座をつくる」のステージは、自分の納得のいく結果が出るまで本当に本当に苦労しました。
クリアするだけならすっっっっごく簡単なんですけどね。。。

【工夫が素敵!】

実はこの文、何となく寝る前に書き留めておこう、と思って書き始めたわけですが、そろそろ勝手に瞼が閉じてきました…。
簡単にはなってしまいますが、「後ほど紹介させていただきます」と先に述べた、ゲーム画面に施された工夫のお話を最後にさせてください。


このゲーム画面に施された素敵な工夫。工夫というより、「アイデア」の方が適切なのかもしれません。
とにかくこのゲーム画面で僕が感動した点。それは、画面右下と左下にあります。
まずは、左下をご覧ください。
「ラグビーボール」とあることから分かる通り、巻き込んだモノの名称が書かれています。
何だそれだけか、と思ったかもしれませんが、このゲームに登場する1000種類以上のモノ全てに名称が付けられています。
名称も、「ラグビーボール」のように普遍的なものから「ヒイヒイヒイジイサン」など、巻き込むと思わず「!?」となってしまう面白さがあるんです。
さらに自分が巻き込んだモノは「素敵コレクション」として説明文まで読むことができるんです!たくさん笑わせていただきました…。
膨大なデータベースでありながら、ひとつひとつの「モノ」に独自の個性をつけていくこだわりが、このゲームの面白さをより引き立てていると思います。

そして、何といっても右下です。

王子がいるんです!!!!

身長が5cmしかない王子は、カタマリが大きくなると当然見えなくなってしまいます。
しかし、そんな問題を解決したのがこの「右下に表示する」というアイデア。
そうなんです。その大きさに埋もれてしまったとしても、このカタマリを転がしているのは紛れもなく「王子」なんです!!
もし目標が達成できなかったときに、王様からお叱りを受けるのも、プレイヤーのあなたではなく「王子」なんです。
そんな王子の一生懸命な姿を見ながら操作することができる楽しさ!そして可愛さ!!
たまりませんね…。
画像にはありませんが、特に、水の中を転がすときの王子はたまらないんですよ…。一度は絶対に見ていただきたいです。
僕は初めてそのビジュアルを見たとき、あまりの可愛さに「うへっひょ!」と、後にも先にも出すことのないであろう声が出てしまいました。

【最後に】

僕が語ることのできる「塊魂の世界」はこれで全てです。
もはやここまで、長くお粗末な文章を読んでくださった方は相当なモノ好きであるとお見受けします。

このゲームの面白さを、そんな皆さんにご理解いただけたかどうかは、正直僕にはわかりません。
そもそも、僕が言った面白さが、正しいのかどうかもわかりません。

それでも僕は、とにかく「塊魂」が、大大大好きだ!!ということをどうしても書かずにはいられなくて、こんなに長い文を書いてしまいました。

重ねてになってはしまいますが、
僕がこの文章を通して言いたかったことは、僕自身の「塊魂」への「愛」に尽きるのです。
この文章は「塊魂」を世に送り出してくださった方々への、魂のラブレターです。

「塊魂」制作してくださった方々。
僕をこんなに楽しませてくださって、本当にありがとうございました。