【コミック連載予告】三秋縋×loundraw『あおぞらとくもりぞら』クリエイター対談②

 コンテンツ企画会社『ストレートエッジ』三木一馬と申します。

 前回のnoteにて、メディアワークス文庫『三日間の幸福』のコミカライズ告知(作画は『フジキュー!!!』の田口囁一さん。掲載誌は無料マンガアプリ『少年ジャンプ+』)と、ストレートエッジ発のIP『あおぞらとくもりぞら』のクリエイター対談の前半を掲載しました。

 今回は、クリエイター対談、その後半をお届けします。

■プロダクションnote

 『あおぞらとくもりぞら』コミカライズ記念

三秋縋(原作)×loundraw(漫画)対談《後編》

【三秋 縋プロフィール】

 1990年生まれの25歳。2011年からインターネットの匿名掲示板にてオリジナルのSS(ショートストーリー)を連載、その高いクオリティが話題になる。投稿作は『ひーちゃんとはーちゃんの話』、『あおぞらとくもりぞら』、『十年巻き戻って、十歳からやり直した感想』、『寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。』など。のちに自身のサイト『げんふうけい』において、『十年巻き戻って、十歳からやり直した感想』は、『スターティング・オーヴァー』として。『寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。』は『三日間の幸福』として再録された。両作とも、大幅加筆修正されたものがメディアワークス文庫にて発売中。『三日間の幸福』は発行累計部数12万部を超えるヒット作となる。

【loundrawプロフィール】

 1994年生まれの21歳。大学生として勉学に励むかたわら、話題作の装画を描き、新進気鋭のイラストレーターとして話題となる。主な担当作品は、『また、同じ夢を見ていた』(住野よる著、双葉社刊)、『記憶屋』(織守きょうや著、角川ホラー文庫)、『星やどりの声』(朝井リョウ著、角川文庫)、『拝啓、十年後の君へ。』(天沢夏月著、メディアワークス文庫)、『放課後スプリング・トレイン』(吉野泉著、東京創元社)、『僕は君を殺せない、僕は君を殺せない』(長谷川夕著、集英社オレンジ文庫)、『昨日の君は、僕だけの君だった』(藤石波矢著、幻冬舎)など。装画以外では、『三月のパンタシア』の「始まりの速度」CDジャケット、キービジュアルを担当。ウェブコミックサイト『Global Manga Collection』にて、オリジナルの漫画『Be.Be.』も連載中。


―――では再び本題に戻りまして、今回のコミカライズ、三秋さんのほうにはどのように伝えられたんですか? やっぱり嬉しい! とか、そういった驚きとかあったんですか?

三秋:ええとまず、漫画化といったメディアミックス以前に、三木さんに拾われて小説家デビューした時点である種「驚きの限界値」を迎えてしまったんですね。それでこれ以上驚くことはないだろうと思ってしまって。それ以降は「あっ、そうなんだ」と他人事みたいに感じてしまって、そういう意味では新鮮さがなかったんです。ですが、今回の漫画化については、まず担当がloundrawさんという自分の中で大御所の方に決まったと聞き。「マジか!?」と思いました。

loundraw:なぜ大御所と(笑)。

三秋:それともう一つ。よりによって『あおぞらとくもりぞら』でOKがもらえたのか、と。よくこれでOKしてくれたなと。単純な完成度が云々以前にすごく視覚化しにくい作品なので。実際に絵を描く人には難易度が高そうだなあと思っていました。一人称だからこそかける話みたいなところがあったので、それを漫画化するとしたら……もし自分が描く側になったとしたらこれちょっと厄介だなと思うところがありました。

loundraw:いえいえ…。最初に三木さんから見せていただいたSSは、今もサイトにアップされているバージョンのものだったのですが、このままやるのだとすると、最初から練って、モノローグ以外の部分で華を出していかないと「漫画」というフォーマットとしては、もしかしたら難しいのかなと思っていたんです。小説は小説の良さが、とかあるじゃないですか。ですが、あることをきっかけに考え方は変わりましたね。

三秋:あること?

loundraw:『note』でコミカライズが発表されたあと、三秋さんのファンの方々ってどういう人たちなんだろうと思っていろいろと見ていたら……「なるほど」と思いました。

三秋:それはどういったところで?

loundraw:これより前から描いている漫画(『Be.Be.』)は、現実的で「この人の動機は何か」「生い立ちの背景は」、という掘り下げ方をしているので、そのアプローチを『あおぞら』でもやるのは難しいな……と思っていたんですが、三秋さんのファンの方々の感想は、先ほど魅力としてお伝えしたような「雰囲気」がとても好きで、とても大切にされているようでした。なんとなく読者の方々のカラーというか、大切にされている「雰囲気」が分かって。それなら僕もこういう表現がしたい!ここをこうしたい!というのが浮かんできたので、描けると思いました。

三秋:分かる気がします。たとえば理詰めでキッチリ計算し尽くされた小説を好む方は、絶対僕の小説読めませんからね。

loundraw:今、三秋さんの手元に自分が描いたキャラクターデザインありますが、イメージ通りだったとかこれは意外だったとかそういうのありますか?

三秋:自分の中にキャラクターのイメージがあんまりないんです。文字情報としてのファッションだとかはあるんですけど、そこから先にイメージすることはあまりなくて。イメージ形成寸前で止まってるんですね。だからどんな絵が出てきても、「あっそうだったんだ」っていう風に受け止められました。初めて本物を見たというか、そんな感じですね。

loundraw:でしたら、安心しました。

三秋:loundrawさんは、ラフをお書きになるときにスッと出てきました? ちょっと悩んだりしましたか?

loundraw:文章を頂いて、三木さんと相談してく中で、「こういう雰囲気だな」というイメージはすぐに出てきました。

三秋:もうひとつ、別で漫画を描かれているじゃないですか。『Be.Be.』という作品。あっちはオリジナルですよね。今回は一応原作が存在しますよね。そのアプローチのやり方の違いとかは?

loundraw:まず、そもそも原作を好きな人たちがいるというところで、その作品のどこがアイデンティティなのか、どこを気を付けなきゃいけないかはとても考えますね。そこを崩さないようにするためにいろいろ悩みます。さっきのファンの方々にとっての「あおぞらとくもりぞら」のイメージなどもその解決のためにチェックしてみたりもします。

三秋:どっちが楽しいとかありますか? オリジナルだと自由にやれる部分がありますけど。

loundraw:オリジナルはオリジナルで好きにやれるので楽しいですけど、こういう、原作があって、さらに自由度もある企画は、パズルをはめるような意味合いでこっちもとても楽しいです。

―――三秋さんには「げんふうけい」に掲載している「あおぞらとくもりぞら」から大幅に加筆修正していただいています。どこがどのように変わっているか、どの辺が期待できそうか、などの売りポイントを教えていただけますでしょうか?

三秋:最初に書いた当時は、半分ぐらい書くまで自分の中でも『あおぞらとくもりぞら』のキャラクターが固まってなかったんですね。書いているうちにようやくわかってきたぞという感じだったのですが、今回はリライトする上ではじめからキャラをよくわかっていたので、そういう意味では二人らしさをより出せたかなと思います。後は、「自殺のループ」がなぜ起こっていたのかというのが作中の最大の謎でしたが、それに対して一応の答えらしい答えが用意されているというところも見ていただければと思います。

―――それをそのまま出版する、という流れは考えなかったのでしょうか?

三木(三秋氏の担当編集):実は三秋さんと1年とか半年くらい前に『あおぞらとくもりぞら』の本を出さないんですか? という話をした際には「まだその時ではないという」ことだったんです。それで当時この話は、僕から「ならメディアミックスをやりましょう」という提案くらいにとどまっていました。そして、しばらく経って、三秋さんにはこっそりと(笑)、コミカライズを動いていたのですが、いざ、「メディアミックス決まりました! loundrawさんと組んでやるんで!」、と三秋さんに伝えると、「すぐに加筆修正するんでちょっと待ってください!」と言われて、半年前から僕が言ってたことを3日間くらいでやってくれた(笑)!

三秋:いやだって、あの中途半端な作品は見せられないですよ(笑)。

三木:それで上がってきた原稿を読むと、かゆいとこに手が届くように理詰めの設定が組み込まれていて、そしてキャラのしぐさや考え方も『当時のげんふうけい作品』ではなくて『今の三秋縋』の演出が入っていたんです。

loundraw:実は当初、元となる原作は良い意味でキャラクターや世界観に余白があって自由度が高いので、いろいろ変えていこうと考えていたのですが、これだけ大幅に加筆修正してくださったなら、これはあまり変えなくてもいいですね、という話になりました。あとは、恋愛感情のやりとりとか、裏設定の提案のし合いとか、そういった面を追求していけばいいなと。

三木:僕としてはすごくありがたかったのですが、三秋さん自身いつかはそういうことをやろうとは思っていたんですか? たとえばラフを見てエンジンがかかったとか。

三秋:そういうのももちろんあります。あと、たいていは作品は書いた直後が一番後悔することが多いので。これを発表した直後に、「ああこうすればよかった」というのはたくさん頭の中に浮かんでたんですね。それを改めて掘り起こしました。あとはラフとかを見て、ものすごいイラストレーターがつくからには、学生の落書きみたいなのを出すわけにはいかないなと(笑)。

loundraw:「なぜ自殺のループが続いているのか」というところに対して、三秋さんがそこをどういう意味でとらえているかによって、いい話になるのか猟奇的になるのか、随分変わってくると思ってました。そこの部分を読んで、「あ、そういうことが伝えたかったんだ」と。

三秋:それはどのような意味で?

loundraw:もちろん、実際の漫画を見て判断してください(笑)!

三秋:なるほど(笑)。

―――では、コミック化するにあたり、loundrawさんのほうで気をつけているポイントを教えてください。

loundraw:途中のシーンに、青空やくもりぞらの人間性がちらりと見えるシーンがさらりと散らばっているんです。で、やっぱり考え方とかには、きっとその人なりのポリシーとかがあって…。なので、青空もくもりぞらも、二人のキャラクターにバックボーンがあるんだなと考えていて、いろんな些細な言動に文字以上の感情や表情があるはずだと思っています。そこをちゃんと自分の中では理論立ててきちんと描きたいと思います。

三秋:21歳とは思えないですね(笑)。初めてイラストのお仕事をしたのはいつからなんですか?

loundraw:18になった直後ですね。18の終わり頃には三木さんからもお声がけしていただきました(笑)。

三秋:いやあ、若いのにすごいですね。

――そろそろまとめに入っていきたく思います。『あおぞらとくもりぞら』を楽しみにしている読者に向けて、メッセージをお願いします。

三秋:僕の書いたものを読んで読者の方々が思い浮かべた『あおぞら』とloundrawさんの描く『あおぞら』の差異のようなもの、元のあおぞらからのストーリーの変化、そして何より純粋にloundrawさんの美麗なイラストを楽しんでいただければと思います。

loundraw:やっぱりお話の雰囲気が素晴らしいのでそこを出していきたいなと思います。あと、絵に起こしたときに、視覚情報ならでは、という表現をたくさん描ければいいなと。読み終わった時にもう一回読みたくなるような仕組みも考えていきたいと思います。

―――ありがとうございました。ではもう一問だけ。お二人とも大変お若いのですが、お二人がイメージする「青春」といえば? ひとことで言い表してください。

三秋:色んなイメージがありますが、ひとつに、『何をしてもうまくいかないけど、何をしても楽しい時期』というのがあります。

loundraw:さすが。これがtwitterで140文字で表されたら、それはリツイートしますね(笑)。

三秋:ではloundrawさんは?

loundraw:『年齢に関係なく自分が信じていることを正しいと思って打ち込める時期』だと思います。

三秋:やっぱりリツイートされそうですよ、そちらも(笑)。

―――今回はプリプロダクションという形で発表しましたが、今後の展開予定を教えてください。

三秋さん:今、『あおぞらとくもりぞら』は鋭意制作中というところなんですけれども、ボトムアップから始めるメディアミックスというところですから、それぞれ、僕だったら僕のtwitter、loundrawさんだったらloundrawさんのpixivなどで今後も途中経過みたいなものを報告していければいいなと思います。そうですね……気温が暑いころには、また続報もお伝えできるかと思いますので楽しみにお待ちください。

loundraw:他の仕事もありますが、その合間を縫って頑張りますのでよろしくお願いします!

――ありがとうございました。ここで、今進行中の第一話の原稿を一部お見せいたします。

第一話の掲載も、近日発表予定。お楽しみに!



■編集後記 一問一答

> ast7さん

> お邪魔します。質問を募集と平生から書かれていますので、でしたらそれは、ふと気になったことでも構わないのでしょうか? 一応触りだけ記述させて頂きます、各作家さん達の締め切りが何故違うのか、ということです。

→もちろん、作家さんごとに書くペースが異なるからですね。投手に先発とリリーフ、抑えがあるように、たくさん書くほうが良い個性を出せる方もいれば、少ない文章で勝負をする作家さんもいます。その作家さんのペースと個性に合わせた締め切りを提案するのが、編集者の仕事のひとつです。


■『ストレートニュース』

 すみません! これを読んでいただいている皆様にご相談です。ブログ書き続けていると絶対にネタが枯渇するので、心優しい閲覧者の皆様、質問とかいろいろ送ってください。それに答える形で記事を書いていきたいと思ってまして……!! 罵倒・糾弾・誹謗中傷も大歓迎です!! ヘイトを浴びるとなんか気持ちいいよね。よろしくお願いいたしますm(_ _)m

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三木一馬

エージェント会社ストレートエッジのマガジン

コメント1件

ご多忙のところ、ご回答ありがとうございます。所々には「二か月一本が原則」と書かれていましたので、先ず前提として日付を優先する、というような週刊連載の具合だと思いましたが、そうではないのですね。ペースと言いますと極端な話、速筆遅筆に其々の調整を、加えて個性を潰さないように、ある程度の配慮、若しくは自由があると見受けました。
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