見出し画像

早稲田と慶応の話

昔の話になるが私が受験生であった40年前は慶応より早稲田の方が人気があった。

慶応はお金持ちのお坊ちゃんが行く学校と思われていたように思う。

40年前は自分は貧乏人だと思っている人が今より多かった。多くの受験生は自分には早稲田の方が合っていると思っていたのではないか。うちは貧乏だが慶応に入っていいんだろうか?という感じだ。実は昔から慶応より早稲田の方が授業料が高かっのだが。

というか、いいとか悪いとかどっちが上とか下とか金があるとかないとか好きとか嫌いとか、そういう問題じゃない。
そもそも
俺は慶応義塾ってガラじゃない
のだ。だから早稲田。
同じようなやつが多かったと思う。


昔の早稲田といえば貧乏学生、バンカラだ。
バン(蛮)カラとは、もとは帝国大学や旧制高等学校生の様子から生まれた言葉だ。真理を追求するあまり、外見にこだわらないということから言われたらしいが、粗野で貧乏で汚らしい人物を表すようになってしまった。慶応生をバンカラとは言わなかった。

まあ、最近はバンカラなんて言葉も聞かなくなった。そんな蛮人はもういない。みんな豊かになったものだ。
少なくとも普通の人が慶応に行くのに抵抗はなさそうだ。

ちなみに逆のハイカラな学校はキリスト教系大学である。上智とか青山とか立教とか・・


それと早稲田は大隈重信の影響もあり反権力なイメージで、権力に左右されない教育を行い国民に奉仕するという方針を掲げていた。まだ学生運動の名残のある時代であったし、ワイルドなバンカラの方がカッコよかった。
政治経済、法学部、文学部が主力で政界やマスコミに強く、公務員も多かった。
が、今はどれも不人気になり強みを失ってしまったように思う。



理系では慶応に医学部があり早稲田にはないが、ここは慶応の中でも別世界であって普通の人には関係ない。

理工学部については昔から早稲田の方が力を入れていた。
慶応はもともと工学部単独だったのが拡張して理工学部になったばかりで数学科がまだなかった。
当時、物理や数学をやりたくて私立大学志望なら早稲田か理科大であった。

それでも経済は慶応>早稲田で、医学部は慶応だけ、またこの2学部は東大をも圧倒する勢力なのでその点は慶応も良いのだが、貧乏人にはあまり関係ない世界とも言える。

他の学部は偏差値も人気も早稲田>慶応だった。
教育学部や夜間学部もあって慶応より充実している印象であった。
就職に関しては一部の分野を除いてはあまり差がなかったのだが。

この40年で慶応の方が強くなり、今の人はそれしか知らないだろう。
でもその昔早稲田に憧れていた中堅中高一貫校生としてはちょっと寂しい。早稲田にまた盛り返してほしいと思うのだ。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?