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ミュージカル生きる 大千秋楽


『ミュージカル 生きる』大千秋楽観劇しました。キャストはこちら!

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日生劇場で1回観劇済みなのだけど、どうしても市村さんバージョンが観たくて…! (小西さんも観たかったけど…😭) せっかくなら大千秋楽を、と思いチケットを取ったのでした。刻一刻と世の中の状況が変わる中で、無事に観劇できて本当に良かった。


感想

市村さん。ミイラはミイラなんだけど、なんだか人間味のあるミイラだった。鹿賀さんはミイラと2度目の誕生日を迎えたときに一気に0から100に跳ね上がる印象。市村さんはとよが「ミイラ!」と言った時にちょっと笑ってて、そこからジワジワ2度目の誕生日を迎えていくような印象を受けた。お2人のパーソナルな部分が透けて見えるような感じがする。あと今日は観客のリアクションも良くて結構笑いが起こってたんだけど、それも市村さんが持つチャーミングさ故かなあ。

May’nさん。May’nさんのとよがめちゃめちゃ良かった…! ふうかちゃんのとよは20歳くらいでかわいさ全開だったけど、May’nさんのとよは25歳くらいかな? ちょっと大人なお姉さん。でもエネルギーが迸っててお転婆で元気で天真爛漫! 夢を掴み取る力が強くてすごく好きでした。勘治もこのエネルギーに突き動かされたんだろうな。市川May’nの2人の関係性はわりと対等な印象。(鹿賀唯月の危うさはなんだったんだ!笑)やっぱりとよの生き方が好き。私もとよのように生きたーい!

福山康平さん。前回観劇した時に市民課の若手木村の姿に胸を打たれた。勘治ととよのことを街の人たちがうわさするシーン、木村にスポットライトが当たる。木村は前から勘治のことを少しでも尊敬してたのかなあと思った。それを裏切られて辛い。でも本当の意味で市民のために動き始めた勘治の姿を見てこぼれる笑顔が素敵で。前も言ったかもしれないけど、木村の存在で勘治も私たちの心もだいぶ救われたと思うよ。

村井さん。光男の話聞かないレベル上がってない??? May’nさんのとよが結構グイグイ来るからそれに対抗してレベル上がってる感じがした。May’nとよとは、なんだかんだで仲良くなれそうな気がする光男。あと動きのコミカルさが増したかな?これも市村さんの勘治だからかもしれない。全体的にポップに明るい。今日の「あなたに届く言葉」、怒りと悲しみの振れ幅がとても良かった。前回見た時はとにかく怒り!!!が印象に残ったんだけど、今日は勘治のことがわからない切なさのほうが心に響いた。

ラストシーン。このラストシーンを見るために劇場に来たのだと何度だって実感する。劇中、苦しくてもやもやしてムカつくシーンの方が多いけど、この瞬間全てが昇華されて気持ちいい。市村勘治は最後に「光男」と呟いて歩き出したところがもう…! この二人はここで気持ちが通じ合ったって明確にわかった。市村勘治の終わり方も好きだな。


カーテンコール

大千秋楽ということでメインキャストの皆さんがそれぞれご挨拶。皆さん口々に「公演が出来て良かった」「奇跡だ」と仰っていて、この場に立ち会えた意味を強く感じた。人を集めてはいけないと言われる中で公演することに対する葛藤や、こういう時代にエンタメは不要不急なのかという問いを話された方もいて。心苦しかった… 確かに生存する、という意味ではエンタメは要らないかもしれない。だけど人間らしく生きるためには絶対にエンタメは必要不可欠。だってこんなに今心動かされて、1日が鮮やかに彩られて。感謝とエールを込めて拍手させていただきました。
そして村井さん。こみ上げるものがあったのかな~。淡々と喋ってるんだけど、それが逆に泣きそうな感情を押し殺してるように見えた。「この作品を知っているかそうではないかで人生が変わる」と仰っていて、すごく共感したし、そんな作品に出会わせてくれた村井さんに感謝。村井さんを好きになったのがこのタイミングだったのは必然だった、なんて思ってしまうね。村井さんが真面目に喋ってる時に笑いが起こって「え、僕なんかおかしなこと言ってます??」って和やかになったのが可愛かった。村井さんの「真面目で良い人なんだけど、完璧すぎずどこかチャーミング」な一面が見れた。あまりに真面目にいい事言うから光男とのギャップに笑ってしまったんだと思うよ、みんな。

計4回のカーテンコールかな。途中幕が開くと思ってなかったのか、びっくりするキャストの皆さん。市村さんと村井さんが抱き合ってて「え!開いた!」と顔を見合わせていたのにほっこり。最後のカーテンコールでは再び雪が降って。嬉しそうに人一倍はしゃぐ市村さんを見て演者も観客も笑う、そんな終演。終わってしまった切なさはあるけど、それよりも明るく前向きに終わって幸せでした。

主演お2人は70代、東京から地方まで、そんな条件の中で感染者も無く、1度も中止になることなく大千秋楽を迎えたことがどんなに素晴らしいことか。奇跡だ、と仰る方もいたけど、これは奇跡ではなく演者、スタッフさん、観客の努力の結晶。そして皆さん決まって生きるへの愛を口にしていたのが印象的。そこまで愛と自信に溢れた作品を受け取ることができて幸せ。

そして今#私の好きな生きるポイント というタグがTwitterでできていて。出演者もファンも各々の好きなポイントを呟いているのがほんとに楽しい!特に出演者のみなさんの舞台裏の話とか、役者さんだからこその目線を知ることができて、生きるロスがちょっとだけ和らいでいる。生きるはTwitterでの川柳企画とか、インスタライブとか、コロナ禍ってこともあるかもしれないけど、ファンが楽しめる企画が盛りだくさんでとてもワクワクした。さすが大手のホリプロだな…と。同時にホリプロが生きるに限らず、演劇事業にこれから力を入れていくんだな、という姿勢をひしひし感じた。良質な演劇体験、これからも期待しています。

ミュージカル生きる、間違いなく今までに見た作品の中でトップを争うほど大好きな作品。2020年に観劇するべき作品だったし、観るべくして観た作品だった。大げさかもしれないけど、私の人生が変わる気がする。生きるの好きなところは、今生きてることを肯定してくれるところ、そしてこれから何でもできるよと背中を押してくれるところ。登場人物それぞれの生き様に勇気をもらえた。また観たい。何度でも観たい。
WOWOWでは12月に初演も放送されるのでこちらも楽しみに待つことにする。ミュージカル生きる、本当に良い作品だった。明日からもワクワクを探して生きていこう!

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