ホワイトタイガー

緊急事態宣言も明け、コロナは完全にオワコンなので友人達と富山に一泊二日の弾丸旅行に行ってきた。

正直金沢に比べると駅前も寂しいし徒歩圏内の観光地も少なく全体的に見劣りしてしまうが、それでも知らない街を訪れるのはそれだけで楽しい。

旅はつまらない日常からの逃避であり開放だ。普段の悩みや不安は留守番させて全力で目の前のことを楽しみたい。


なのにいつも通り記憶がない。

今回こそはきちんと酒量を抑えて美しい飲酒を完成させると誓ったのに記憶がない。俺は一体いつになったら学ぶのか。覚悟が弱いせいだ。意志の力が飲酒の欲に負けている。もう若くないのでいい加減に心を鍛えたい。

6件目に行ったガールズバーで、客のおっさんがガールに差し入れたタコ焼きを何故か食わされてその直後にコップにゲロを吐いた記憶もない。言い訳ではないが、これに関してはタコ焼きにおっさんの異物が混入していた可能性を俺は疑っている。

その後、おっぱぶへ行く組と帰宅組で分かれたが、酔いすぎて迷子になり街を2時間くらい彷徨った。今日足が若干の筋肉痛なのはこのせいだと思う。最近は脳が衰えてこのパターンが非常に多い。自分がどこにいるのかわからないし、地図を見ても理解ができない。挙句に昼間にチェックインした宿は幻!?みたいな素っ頓狂な考えも浮かんでくる。加えて平衡感覚も狂っているので、徘徊中に転倒して怪我をし眼鏡を破損する。これが5回くらい連続して今まさに生きる自信を失いかけている。今回は不幸中の幸いなことに転ばなかったので無傷のまま2時間徘徊することができた。果たして人として無傷なのかは議論の余地があるが、外傷はない。

原因なんて単純で、お酒の飲みすぎ。4時間くらいで帰れば気持ちいいまま終われるのだ。しかし楽しい時間からの離脱には強い意志がいる。俺はこいつに勝てたことがない。キャバクラやスナックのまずいウイスキー水割りなんて初めの一杯をちびちびやればいいのに、嬢をそっちのけでガッツシ飲んでしまうのでたちが悪い。花より団子、女より酒。俺はキャバクラを正しく楽しんでいないし間違いなく損してる気がする。女性と会話するために行くのに俺が真剣に向き合っているのはコップを満たす安いウイスキーだ。もう十分に楽しいんだからこれ以上ガソリンは必要ないのだ。頭ではわかっているのだが、手と口が言うことをきかずに延々と体内に酒を流し込む。とにかく意志が足りていない。

心を燃やせ。酒を断ち切れ。異性にあまえろ。ぬくもりが欲しい。抱きしめてくれ。愛すより愛されたい。おかえりと言ってくれ。

ちなみに、金沢で世界一おいしいジェラートを食べたのに新幹線のトイレで全部吐いた。幸せになりたい。

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