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感想:世界のいまを伝えたい/久保田弘信著

السلا عليكم و رحمه الله و بركاته

アッサラーム アライクム ワ ラフマトゥッラーヒ ワ バラカートゥ
アッラーの慈悲とアッラーの祝福がありますように.......

こんにちは!
Reem(りーむ)です。

久保田さんとの出会いから。

私が、久保田さんを知ったきっかけは、「イエメン」
イエメンには、イエメンと日本の友好のために日本語や日本文化を教えたりして、終わりが見えない戦争が早く終わって平和になることを心待ちにしている日本人が住んでいて、多くの日本人に知ってもらうようにと、情報を流していた時だった。
そのころ、激しい空爆が続いたりしている中、初めて戦地取材に行かれた人が、久保田さんだった。
久保田さんから、今のイエメンの現状を知ってもらうチャンスだ!と思い、2018年3月25日に神奈川・横須賀市にて友人たちにも協力してもらって、「イエメンのいま」というタイトルのもと、講演をして頂きました。
とても身長が高くて、常に笑顔を絶やさない人というのが第一印象だった。
そして、とても穏やかな話し方をされる方だなと、思った。
しかし、講演が始まるとまるで時間を惜しむかのように、自分が見てきたこと聞いたこと、、、感じたことを早口で話されてそれだけ、みんなにイエメンで何が起きているのか?どうなっているのか?を知ってほしい!!という信念が強く出ていた。
久保田さんが撮影された現地での子供達の笑顔とは裏腹に、キャンプ地での厳しい現状に多くの参加者が声を失っていた。
横須賀市での講演が、手話通訳付きということもあり、多くのキコエナイ人たちにも、「イエメン」の現状が色々と伝わったと思う。
それが、久保田さんとの初めての出会いだった。

そういう出会いがあったから、本を読んで最初のところで

「物理学者」になりたかったー。
その件に、えぇ?!戦場ジャーナリストに最初からなりたかったわけじゃないんだ!!と衝撃を受けた。
物理学者への道のりを歩いていた、久保田さんがどうして、フォトジャーナリストになったのか、その経過も細かく書かれていて、ますます久保田さんに会ったことがない人でも、もっと知りたくなるような内容だった。
パキスタン、アフガニスタン、、、、イラク、、、と色々な国に行って、現地から戦場で何が起きているのか、難民たちを取材したりー。
その中で、ジャーナリストは人の不幸を食い物をハイエナなのか?と考えさせられる場面にあう。
久保田さんが、その時にどう感じ、どう動かれたのかも書かれていて、久保田さんの信念がよくわかる文章ばかりだった。
久保田さんは、日本で借金しながらも、自費で難民支援をするという選択をされたのだが、ここでもジャーナリストの使命とは何か?で議論がわいてくるかもしれないが、私は久保田さんの決断に一人の人間として尊敬せずにはいられない。
確かに、ジャーナリストはジャーナリストとして、そこにある現実を事実を伝えていくのが仕事だけれど、久保田さんのような方がいてもいいと思う。
キャンプ地での、難民の方との衝突のところや、頑固な長老との出会い、、、いかに、日本がどれだけ平和なのかよくわかる。
そして、食べ物も、家も、、、生きていくために必要なものが当たり前にある暮らしが多くの難民たちに行き届かなかったり、不足していたりして、もっともっと日本人もバカなワイドショーよりも現地で何が起きているのか、難民たちがどのような暮らしをしているのかを知るべきだと思う。
「無関心」は、本当によくないことだと思う。
またイラクでの湾岸戦争では、アメリカが利用した劣化ウラン弾の影響と思われる、ガンや白血病患者が増えてきていて、アメリカはその因果関係否定している。
そのことも、本書を通して知った人もいるかもしれない。
久保田さんが現地で考えたことの中にジャーナリストとしての一番の資質は、優れた技術や根性を持っている人、ではなく、
「この人に話を聞いてもらいたい」「この人になら写真を撮らせてもいい」
「この人に託したい」
というその考え、なんとなくわかる気もする。
うまく説明はできないけど、この人はなんか信用できない、全部を伝えてくれない!というのは、うちでもカンでわかる時がある。
ISIS誕生の背景についても、触れていたのですが、確かに彼らたちの行いは褒めたものではないし、全世界の多くのイスラム教徒の間でも、正しいイスラム教徒ではない!!という認識はある。
けれども、誰がこのような恐ろしい集団を作り上げていったのか?を私たちも知って、考えていくことも大事だと思う。
エピローグで、
ジャーナリストという仕事は、とても重要なものだと思う。
だから、僕はずっとこの仕事を続けていきたいと願っている。
しかし、続けていくのはものすごく難しい。
それが、ジャーナリストという職業でもある。
、、、、、自分の精神状態を平穏に保つのは、並大抵のことではない。
久保田さんは、そう書いている。
久保田さんだけではなくて、「ジャーナリスト」を職業としている人たちの苦労もこの本を読むだけでよくわかると思う。

最後に

小学5年生ぐらいの子供達から大学生たちに向けた本ではありますが、大人たちでも読み応えのある本だと思う。
一家に、一冊あるとよい本ですし、ボーイスカウトやガールズスカウトでもぜひ取り上げてほしい本だと思います。
家族みんなで、久保田さんのことや、戦場ジャーナリストのことや、難民たちのこと、それぞれのテーマでゆっくりと話し合えるのではないでしょうか。
日本が、かつて世界第二次大戦で多くの人々の命を奪ったことや、奪われた過去があること、その過去の上に「平和」が成り立っていることを忘れてはいけないと思う。


イエメン・久保田弘信撮影(ポストカード)

وعليكم السلام و رحمه الله و بركاته

ワッサラームアライクム ワ ラフマトゥッラーヒ ワ バラカートゥ
アッラーの慈悲とアッラーの祝福がありますように。

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