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深大寺の温泉へ行ってきた話

近所に深大寺という、自分的には水木しげる御大の影響で有名な寺があるのだが、妻がそこに温泉があるので行こう、というのでこないだ行ってきた。

妻は少しどうかと思うくらい深大寺が好きで、少しでも時間が空くと自転車を飛ばして行くのだが、昨年など好き過ぎてとうとう深大寺の植物園で働いていましたよ。

そんな妻なので深大寺情報には詳しく、正直なところ俺も妻に付き添って毎年夏(鬼灯祭り)と正月(初詣)には深大寺に出向いていたのだが、まさか温泉があるとは知らなかった。

なので、本当は朝からドラクエ10を大いに楽しむつもりだったので、「俺はドラクエ10をやるから、貴方一人で行っておいで」という言葉が喉まで出掛かったのだが、ふと、天気の良い日にドラクエ10をやりこむ旦那、という姿を見せるよりかは、妻の要望に従って温泉へ向かう旦那、の方が世間体が良いかも? と、計算して、温泉へ行くことを受諾したのである。
あと、妻がツイッターに「旦那はドラクエ10をやってるので一人で温泉に来たなう」とか呟かれて、妻の親族に見られでもしたら、正月に妻の実家へ行った時に針の筵状態になるのでは? という、危険を回避したかったこともある。
みなさん! 結婚生活ってこういう日々の駆け引きが後々重要になってくるんですよ! 裁判になった時とか!

で、二人で自転車を飛ばして深大寺の奥にある、『湯守の里』へ出向いた。

ここは温泉施設だが銭湯でもなく、宿泊施設があるわけでもない。
一時間チケットかフリーチケットのどちらかを購入し、ただひたすら温泉を楽しむという施設である。

勿論中には食事処や休憩所、マッサージ施設まである。

フリーチケットを購入し、いざ入店。

腕にバーコードの付いたロッカーキーを渡される。施設内で財布を持ち歩くのは煩わしいので、中での売買は、このバーコードで行われ、退去時に全ての清算を一括して行うというシステムになっている。便利!

妻と休憩所で後に落ち合うことにして、男湯と女湯に分かれる。

まずは体と頭を洗い、室内の大浴場に入る。
ここの温泉は茶色というか黒というか、濃い色をしており、透明ではないので、全身を浸けると身体が一切見えなくなるので、恥ずかしがり屋さんにも安心だ。

その後に露天風呂へ出る。

そこも同じく濃い茶色の湯が張ってあり、暖かくもぬるり、とした感覚が何とも気持ち良い。
効能はよく見てなかったが、恐らく怪我をしていても、この湯に浸かっていればきっと回復するのでは? と思わせるのに充分であった。

そして露天風呂には落ち葉が大量に舞い落ちていて何とも風流で、俳句など嗜んでもいないのに思わず一句詠みたくなってしまうほどであった。

落葉が
湯船の上で
肌を打つ

嗜んでないんだから詠まなきゃ良かった、という思いで一杯だが、これは本当で、落ち葉が湯の上を漂うのは良いんだが、落葉ってまだ固いから、皮膚に当たると痛いのだ。刺さってくる感じ。

風流もくそもねえわ、と、もう露天風呂は充分、と早々に室内に戻った。

で、塩釜の湯、と書いてある扉を開けて中に入ると、何のことはない普通のサウナで、そこでしばし汗を流す。

サウナにいた人の中で一番遅くに入って一番早く出る、という根性の無さを披露しつつ、一度はやってみたかった、サウナ直後に水風呂に入る、というのに挑戦。

全身が悲鳴をあげるというのは正にあのことを言うね。

人によってみれば、あれこそが気持ち良くて醍醐味、と宣うのでしょうが、俺の感想は、率直に、健康に悪い、でした。

夏に水風呂に入るのとは訳が違う。

フィンランドかどっかだと、サウナの直後、積もった雪に飛び込む、みたいな話を聞くけど、酔っ払ってんのか? としか思えない。死んじゃうよ、いつか。

でも、小池一夫先生の傑作『御用牙』でも、かみそり半蔵が自分の逸物を熱湯と冷水の交互に浸す、というやり方で鍛えていたから、あながち間違ってないのかも知れない。

そんなこんなで、温泉を充分に堪能した俺は、温泉から配布された浴衣風着替えに身を包み、休憩室へ向かう。

妻がまだまだ上がってこないのを見越して、食事処で生ビールを注文。
ビールのつもりで頼んだそれは、発泡酒でした。キチンとメニューに書いてあったのに、キチンと確認しなかった俺が悪い。

そこで発泡酒を飲みながら、持参した有栖川有栖『双頭の悪魔』を読む、という至福の時間を過ごし、休憩所へ。

ここは畳敷きの大広間になっていて、利用者は自由に枕やタオルケットを利用して思う存分休憩が出来るのだ。

そこで寝転がって読書の続きを再開。
あまりの心地よさに眠気が襲う。
やがて妻も合流し、二人で読書の後、自然に昼寝。
気付けば周りはすっかり他の利用客で雑魚寝状態になっており、隣で寝てた外国人のいびきに起こされる。

妻はその後もう一度温泉へ行き、俺は昼寝を続け、もうよかんべ、と温泉を後にする。

深大寺といえば蕎麦でしょう、と、蕎麦屋『青木屋』に入り、そこで俺はなめこ蕎麦、妻は天ざるを食す。

帰り道、温泉の色の話題になり、濃い麦茶、薄いコーヒーなどの例えが出るうち、俺の中でドンピシャな、「血尿」という例えに妻が嫌な顔をする。

帰り道にあるTSUTAYAで、まだキチンと観たことがないから、という妻の要望で『スターウォーズ エピソード4』を借り、西友で晩御飯用にピザを購入。

そこでの会計時に、俺がこっそり温泉で発泡酒を飲んでいたことが、レシートでバレる。
妻は再び嫌な顔をする。

で、帰宅してご飯を食べながら『スターウォーズ4』を観て、妻は19時には寝てしまい、俺は悠々とドラクエ10をするのであった。

皆さん!
有意義な休日の過ごし方の見本が、ここにありますよ!

#写真

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