なぜ金管楽器奏者は曲の大事な場面で音を外すのか?

この記事はタイトルにもある通り「なぜ金管楽器奏者は曲の大事な場面で音を外すのか?」という金管楽器奏者以外の方への説明記事となっています。金管楽器奏者の一人として是非説明(言い訳)させて下さい!

 下手だからミスるのでは?

 そうです。そうなんです、、、そう言われてしまうとその通りなんですがプロのトッププレイヤーでもミスるときはミスります。
今回はそのミスのなかでもおそらく一番多いであろう「高音域の音を外す」という内容に焦点をあてて記事を書いていきます。
専門的な用語は極力使わず書いていきますので是非最後まで読んで下さいね!

金管楽器の仕組み
 金管楽器奏者以外の方でご存じの方も多いと思いますが、金管楽器は同じ運指(トロンボーンならポジション)でも唇の締め方や息の使い方によって音程を変える事ができます。説明のために今回はトランペットで説明したいと思います。※楽譜は実音表記にしています

上記のシ♭とファの音はトランペットのバルブを何も押さずになる音で比較的低音域になります。同じ運指でも音域が少し離れているため慣れているプレイヤーであれば狙った音を外す事はほぼありません。それではさらに上の音もみていきましょう。

トランペットのハイB(ベー)までの音を載せています。上の音に行くほど音の間隔がどんどん狭くなっているのがわかりますね!金管楽器奏者がミスりやすくなるのが右から3番目の「F ファ」の音からになります。
なぜこの音からミスが多くなるかというと高音域になればなるほど

①少しの息づかいの違いで音が変わってしまうため狙った音が当てにくくなる
②口への負担が増えバテやすくなるため口がゆるくなり狙った音より下の音が鳴ってしまう
という事が起こります。ハイBを例にあげてもう少し掘り下げてみます。

トランペットのハイBはとても華やかで曲のクライマックスやソロなどで決まればメチャクチャかっこいいです!その反面外してしまうと観客からも身内からも白い目で見られてしまうこともあります・・・
このハイBですが同じ運指で近くのA♭とCの音がなります。

高音域は少しの息づかいの違いで簡単に音が変わってしまいます。
一番多いミスのパターンはBの音がならずA♭の音がなってしまうパターンです。
あとは一度A♭の音がなってからBの音がなるパターンとBがなって維持できずA♭の音に下がってしまうパターンがよくあります。
口では説明しにくいですが高音域は本当に少しの息づかいの差で簡単にでる音が変わってしまいます。ただでさえ難しい高音域を曲の最後のバテバテの時に出てこられたらそれはそれは大変です!
少しでも金管楽器の大変さをわかって頂けたでしょうか??

金管楽器のミスというのは主に運指を間違えてミスっているわけではありません。例えばピアノで「ド」の鍵盤を弾けば「ド」の音がなります。ですが金管楽器の場合はピアノに例えると「ド」の鍵盤を弾くスピードや角度 強さを変えて弾くと「シ♭」や「レ」がなるみたいなイメージです。
 この記事を最後まで読んでいただいたそこのあなたは、金管楽器奏者がミスった時には是非上記の事を思い出して下さい!
 少しでも金管楽器のミスに寛容になっていただけば幸いです!

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