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#生成AIなんでも展示会 に行ってきた

昨日4/21(日)に渋谷で開催された、AI系の個人開発展示会イベント「生成AIなんでも展示会」に一般参加してきましたので、簡単なレポを書きたいと思います。

このイベントはAI生成物の展示会ではなく、「個人が生成AIを使って生み出したさまざまな"プロダクト"を紹介する展示会」というコンセプト。画像生成系だけでなく、音声合成系やLLM系などさまざまなジャンルの展示が集まっていました。

場所は東急ハンズのすぐ近くのオフィスビル「abema towers」10Fの大会議室。横広の会場を取り囲むように机が並び、計36あるブースを興味のある順に自由に見て回れる感じのイベントです。この日は500人の定員を上回る応募があり、AI系個人開発イベントとしては日本最大規模となったそうです。スゴイ!

会場はこんな感じ

開催時間は14時~18時だったのですが、この日は家族サービスでコナン映画(青山剛昌ワールドがクロスオーバーするすごい内容だった)を見に行った後に参加したので、会場に到着したのは16時半ごろ。この時間でも、どのブースも人が並んでいてとても盛況でした。参加者・見学者とも年齢層は比較的若くて、大学生~30代くらいが中心だったと思います。

個人的に感銘を受けたのが、とよふくさんの「イラストを素体化するControlnet」の展示。

モデルイラストを読み込ませると、服や髪の下を透過した「素体」をAIが描きだしてくれて、絵を勉強している人が服の中のどのあたりに体や関節が位置しているのか理解することができるというコンセプトです。どうやって開発したのかうかがったところ、教師データとなるイラストに手描きで体が通っているであろう線をひとつひとつ描き入れて学習させたとのこと。「画像生成AIの存在感を感じさせないツールを開発することで、世間に広く受け入れられる素地を作りたい」という熱意を感じて、とても関心を引かれました。

とりにくさん開発の「Line2Normalmap」もすごく関心を集めていて、色んな方が思い思いのイラストをその場で描き、数十秒で擬似的に立体化する様子に驚いていました。

線画を読み込ませると、AIが描かれている内容を自動で読み取り、擬似的な立体感を付与してくれるプロダクト。赤い矢印をぐるぐる動かすと、ライティングの角度が変化して立体感を味わうことができます。私もアウラちゃんがハンバーガーを食べているAI絵をその場で立体化していただいたのですが、あんなにざかざかした線のイラストでもハンバーガーや背後のモブまできれいにnormalmap化されて、ツールとして高い洗練度を感じました。

新清士先生の立体視デバイス展示も、現物を見られてとても満足しました。単に静止画が立体的に見えるだけでなく、ちゃんとアニメーションするのです。

新先生とは初対面でしたが、もう絶対我々は同じものが大好きだなという熱い理解と友情を感じました。近いうちぜひご飯行かせてください。

この日の目的は普段Twitter(Twitterです)でお世話になっている方にご挨拶したいというのと、852話さんに応援している気持ちを伝えるというのが大きくありまして・・・。とても気さくにお話頂いて、曖昧夢-AImAim-のポストカードも頂けて嬉しかったです。

AI生成物につきものなのが「集合知ゆえの曖昧さ」であるわけですけど、852話さんの作品はそれを人の手で正してはっきりさせるのではなく、あえて曖昧なままホラー作品として昇華するのがコンセプト。かといってディレクションをしないわけではなく、きちんと手を加えて「曖昧さを生かした作品」に仕上がっており、それがむしろAI作品としての純粋性を高めていると感じました。

まっくすさんの「co-painter」の展示も非常に人気で、とりにくさんの展示と同様、色んな方がイラストを描いてAIによる線画化・着色を試していました。

私はアウラちゃん漫画でうまくできなかった「剣を握る手のクローズアップ」がco-painterでできるかどうしても気になってしまい、まっくすさんにその場で「剣を握る手」を描いていただくという暴挙に出ていました(笑) 

キャラクターの顔が映らない小物や部位のアップを描きたい場合、通常のt2iやインペイント修正で作るよりも、線画と着色だけ雑に指示してAIに仕上げてもらうco-painterのアプローチのほうが明らかにスマートだと感じます。顔や全身ポーズは雑に描くのもそれなりに大変ですが、アップのコマならごく簡単な指示で済むからですね。自分で撮影した写真のイラスト化・漫画背景化は既に実用レベルなので、今後どんどん創作に使っていこう(記事も書こう)と思っています。

時間が限られていましたので、全ての展示は回れませんでしたが、とても興味深い体験ができました。見学者はテック系の方と創作系の方と大きく分かれていたのではないかなと思います。展示を見ながら「SNSではとても画像生成AIに関する発言ができる空気ではないけれど、現状どこまで創作の補助ができるのか確かめたかった」という趣旨の話をされている方がいたのが印象に残りました。まずは何がどれくらいできるか知らないと、創作に取り入れるべきかどうかも分からないということなのかなと。

総じて感じたのは、生成AIが好きで、これからどんなことができるのかワクワクしている人たちがたくさんいるということ。そしてその使い方は既存のクリエイティビティを阻害するような方向ではなく、一般の人に広く「楽しい」「便利だ」と思ってもらえる方向を向いているのだなということでした。SNSにおける空気感についても色んな方とお話しましたが、「楽しいもの、受け入れられるものをどんどん作っていくことできっと良い方向に変わっていきますよね」という認識が皆さん共通していたように感じます。

ちょっと最後は違う話なのですが、こういうイベントは初めてだったので、皆さんハンドルネームの名刺をお持ちだったのに驚きました。ご挨拶しにいったのに賢木名義の名刺を持っておらず、皆様に頂くばかりになってしまった。今度こういう機会に備えて、世を忍ぶ仮の名の名刺を作っておこうと思います。

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