見出し画像

第二十四話 住宅ローン②住宅ローンとは?

住宅ローンとは、住宅を購入したり改築したりする費用を借りる、銀行の商品のことです。民間の「銀行の住宅ローン」のほか、「財形住宅融資」という公的な住宅ローンや、「フラット35」という民間の金融機関と公的機関が連携した住宅ローンもあります。サラリーマン、正社員なら働いて2年ほどでローンを組むことができると言われています。

住宅ローン金利

住宅ローンと聞くとまず気になるのは”金利”ですよね。住宅ローン金利には3種類あります。
「変動金利」
市場の金利の変動に応じて金利が変動します。6か月ごとに切り替わります。変動金利は、「短期プライムレート」という、銀行が一年以内の短期で融資するときの金利を参照にして決まります。日銀の政策金利にほぼ連動しています。今(2024年1月)の時点では、日銀はマイナス金利などの金融緩和の政策をひとまず継続すると発表しているので、今しばらくは低利率が続くと思っても良いでしょう。
また、半年ごとの見直しがあったとしても、月々の返済額が5年間は変わらない「5年ルール」や、見直し後の返済額は見直し直前の返済額の最大1.25倍までという「125%ルール」というものがあります。
「固定金利」
ローン申込時(または実行時)の金利が返済終了まで変わらず適用されます。固定金利は「長期金利」を参考にすると言われています。日銀は長期金利は利上げを視野に入れているようです。長期金利の代表的なものは日本の「10年国債」の利回りです。国債は2022年から少し上がってきています。また、固定金利は定められた期間は金利が上がることはない代わりに、もともと高く設定されています。
「固定金利選択型」
返済期間の初めのうちは固定金利で、固定金利期間が終了したあと固定金利は
か変動金利のどちらかを選べるローンです。固定金利の期間が長くなるほど金利が高くなります。

政策金利や長期金利に影響されるとはいえ、住宅ローン金利はそのまま反映されるのではなく、各金融機関が「基準金利」から「金利引下げ幅」を引いて決定しています。金融機関は金利競争激化のために借入金利を低下させてきました。特に変動金利が低かったのは、基準金利が低いだけではなく、引下げ幅も広がったためなのです。

たとえば、つい先日(2024年1月)もauじぶん銀行が条件付き(携帯電話の契約やじぶんでんきの利用など)で、変動金利 年0.169%(!)などという住宅ローンを発売しました。なんとまあ、聞いたことがない低さです。ネット銀行のなせる技なのでしょう。

住宅ローンの返済方法

住宅ローンの返済方法には2種類あります。
「元利均等返済」
毎月の返済額が一定の返済方法です。ローンは元金と利息を合計して支払っていくのですが、その合計額が一定になるように計算されます。返済期間の当初は利息の比率が大きく、経過とともに元金の比率が増えていきます。ほとんどの人がこちらの方法かと思います。
「元金均等返済」
毎月の返済額のうち、元金部分が一定となるように計算されます。ローン残高が減ってくると利息も減るので、この方法だと期間の経過とともに返済額が減少していきます。

左:元利均等返済  右:元金均等返済

両方の返済方法を比べると、総返済額では元利均等返済の方が少し高くなります。どちらが良いかは総返済額だけでは決められません。いつ、どんな段階でローンを始めるか、仕事のスタイルやライフスタイルなどによっても事情が異なるので、自分に合った方法を選ぶことです。

ではなぜ”ほとんどの人が元利均等返済”なのか。銀行によっては元金均等返済がない場合すらあります。それは、返済当初の負担率(収入に対する返済額の割合)が上がってしまうと、貸出金額の上限に影響が出てしまうこと、また、利息をなるべく多く取りたい銀行もビジネスですから、勧めるのはやはり元利均等返済なのでしょう。また、元利均等返済だと仮に35年ローンだとして、返済最初の10年間で金利の半分を支払うことになります。この部分の金利をいかに低く抑えるかがポイントになるでしょう。

公的住宅ローン

公的機関による住宅ローンは、かつて「住宅金融公庫融資」というものがありましたが、2007年に廃止されました。”公庫からは借りやすい”ということを聞いていた当時、少しがっかりした覚えがあります。今は、その中のうちの一部の融資のみ、「住宅金融支援機構」が行っています。
「財形住宅融資」
財形住宅融資は、住宅金融支援機構が行う、財形貯蓄をしている人限定の住宅ローンで、固定金利です。給料から天引きして1年以上積み立てをし、貯蓄残高が50万円以上ある人に対して住宅購入やリフォームのための資金を融資します。融資金額は残高の10倍以内、最高4000万円で、住宅購入価格の90%以内です。その他、耐震改修工事やバリアフリーリフォーム向けの融資など、色々なことに対応しています。
「フラット35」
フラット35は、民間の金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している長期固定金利型の住宅ローンです。購入価格の100%まで融資できますが、90%を超える場合は高い金利が設定されます。返済期間は最長35年で、完済時の年齢は80歳以下でなければいけません。フラット35の特徴は、保証人や保証料は無料、繰上げ返済(繰上げ返済についてはいずれ別の回でお話しします)の手数料が無料、親子リレー完済もあることです。

いかがでしたか?今回は住宅ローンとは何か、どんなものがあるのかについてお話ししました。次回は、住宅ローンを選ぶことと実際の申し込みについてのお話です。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?