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ミツバチ15. 巣の合同

秋を迎えると、巣箱の中のハチの数が減って、群れが弱くなってきます。真夏の暑い時はあまり女王が卵を産まなくなったり、分蜂をしたり、ダニやスズメバチなどの天敵も増えるからです。女王バチが不在の群れも出てきます。

そんな時、養蜂家は弱い群れを救済したり、越冬させるために「合同」という作業をします。二つの群れを一つにまとめるのです。しかし、ハチは通常、自分の巣以外のハチとはケンカしてしまいます。そのまま二つの群れを合わせると争いが起きて多数の死者が出てしまいます。また、女王も一つの群れに1匹だけでなくてはいけません。

ハチは密集しているのが好きなので、スカスカになっている巣板は取り除いてしまいます。そして女王は先述の通り、1匹だけにしたいので、合わせる群れのどちらかの女王を取り除く必要があります、または、どちらか一つは女王不在の群れを合わせるということをします。

色々な方法があるようですが、一つは女王を王籠にいれて保護した上で、外からくるハチたちの巣板に匂いを撹乱する液体(ビーキープc)をハチごと吹きかけて、一緒の巣箱に入れます。数日後に女王を籠から出して完了…と言いたいところですが、私たちはその後なかなか群れを存続させることができず、うまく越冬まで持っていけません。

日本酒を吹きかける方法、新聞紙を使うやり方など、今後成功例などを参考にして挑戦したいと思います。うまくいくと、この後生まれてくるハチは「ウィンター・ビー」といって、越冬するための寿命の長い働きバチです。

産卵を確認して、うまくいった!と思っても、その後内見した時には消滅していたりするのです。ある一箇所に小さく小さく固まって女王を守るようにじっとしているハチたちを見ると、どうしたらこの子達をまた元気にできるのだろうと、もどかしい気持ちでいっぱいになります。

中央やや右に腹の大きな女王、周りに働きバチが取り囲み、小さなかたまりになっている


秋は本来なら花が増えて、越冬用にたくさん蜜を集めなければいけない時期。卵を産んで働きバチを増やさなければいけません。ちなみに、オスバチは春の繁殖期まで産まれません。がんばれ、ミツバチたち!



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