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仏教⑤4つのキホン

「すべてのものにおいて「私」とか「私のもの」という実体はない。すべてのものは、その関係性においてあるだけ。」 byブッダ


お釈迦さまの教えには、4つのキホンの考え方があります。

⒈一切皆苦(いっさいかいく)
まずは、「四諦」の回でもお話したことですが、すべてのものは皆思い通りにならない、この世で生きることは苦しいことだ、と知ること。これが仏教の出発点です。苦しみの代表選手、「四苦八苦」のお話もしていますので、よろしければそちらもご覧ください。

⒉諸行無常(しょぎょうむじょう)
世の中のすべてのものは一定ではなく、常に変化し続けています。生じては滅びを繰り返し、同じ状態のものは一つもありません。
変化は、自分にとって良かったり悪かったりします。変わらないでほしい、と願うこともありますよね。思いが強いと”執着”を生み、”苦しみ”につながります。
でも変化には善も悪もありません。全てが無常、変化し続けるのです。

⒊諸法無我(しょほうむが)
世の中のすべてのものは他と関係しあい、影響しあって成り立っています。他とは関係なしに独立して存在しているものなどありません。
「私」というのは、日本という国があるから日本人であり、親がいるから子であり、小学校があるから小学生なのです。周囲との関係性においてあるのであって、それをなくすと、「私」という実体はありません。
今朝の朝ごはんも、誰かが作り、誰かが買ってきた食材、誰かが運んできた、誰かが育てたお肉や野菜、それを育んだ自然とつながっています。
「私のもの」もすべて自分のもののように思ってしまいますが、そうではありません。自分の物、体、命でさえ、全てがお互いに影響しあって存在し、これもまた変化し続けています。

⒋涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)
私たちの目指す、”さとり”の境地のことです。「一切皆苦」を理解し、「諸行無常」と「諸法無我」の法則を踏まえて、心穏やかに過ごせるように進んでいきましょうということです。
間違えてはいけないのは、悩みや苦しみが一切なくなったことではない、ということです。悩みも苦しみもあります。心がざわつくこともあります。涙も流します。皆同じです。でも、心を静めて人生をより幸せにすることが出来ます。それは私たちのこころ次第。誰でもそれを目指すことができるのです。

お釈迦さまはこれらのことをキホンに、私たちの生きる智慧を説かれました。次回以降も、また皆さんと一緒に学んでいきたいと思います。


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