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4日、4週、4ヶ月、4年。4というリズムで仕事や勉強をする

90歳となっても知の最前線にいたドラッカーは、ふたつの独学のリズムをもっていたという。ひとつは3ヶ月。知らない世界の見取り図をもつための。もうひとつは3年。その世界の入り口に立つための。

ポイントは、そのリズムを習慣にしていたことだろう。「次の3ヶ月は何を勉強しよう?」という目線で世界を眺める。それはプレッシャーではなく、あくまで好奇の喜びである。そして、縦の深さと横の広がりをパラレルにすすめていること。ひとつひとつの気づきが偶然にもアナロジカルにつながって、アイデアが飛躍することがある。

3年のテーマも、おそらく3ヶ月やってみて「これはもっと深めてみたい」と思ったから選んだように思う。とすれば3ヶ月のテーマを選び方がのちのち効いてくる。その時間軸をもっと縮めてみると、★ヶ月のための★週間、★週間のための★日、★日のための★時間、★時間のための★分、★分のための★秒。時間は貴重だから、ただ何となくではもったいない。小さな時間が布石となり、私たちを次の行動へと導く。

ここで★にどんな数字を入れよう。3も悪くないが、ここでは大学の教員となって改めて気付いたことをいかして、4としてみたい。つまり4秒、4分、4時間、4日、4週間、4ヶ月、4季=1年、4年、40年、400年である。理由はある。3は大概ギリギリ可能な数字であり、4は人間的な失敗をも許容するスペースを提供するのである。

それは3分で茹で上がるカップ麺と向き合う前後の30秒ずつかもしれない。三日坊主にならないための1日のバッファかもしれない。1コマと1コマのあいだの昼休みかもしれない。

大学の15週といえばほぼ4ヶ月であり、大学は基本4年である。4年といえばオリンピックがあり、世代が入れ替わる。40年は人生の残り時間、400年で歴史は動き、4000年で文明はサイクルする。四季も移ろうそんな大きなリズムのもと、自分のカリキュラムを組み立ててみる。

それでもなお、基本単位は4日であろう。社会人の1週間の平均勉強時間が4時間だとすれば、1日1コマ90分を明確な勉強時間にあてて、90分×4コマ=360分、週6時間としてみる。1.5倍からの挑戦である。

洗濯を干しながら、美容院で髪を切りながら、そんな時間もエクストラの考える時間=スループットとなる。まずは時間を確保する。そのために、「本当は辞めようと思っていること」を手放す。そこからが、カリキュラムデザインのスタート地点である。

※この文章はMediumからの再掲です

はじめまして、勉強家の兼松佳宏です。現在は京都精華大学人文学部で特任講師をしながら、"ワークショップができる哲学者"を目指して、「beの肩書き」や「スタディホール」といった手法を開発しています。今後ともどうぞ、よろしくおねがいいたします◎