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"わたし大学院"のつくり方(案)

「わたし大学院」とは、

いま勉強したいテーマを"授業化"して、自分なりの修得を目指す新しい学びの仕組み

です。

基本的にはひとつのテーマのために、週に一コマ(90分)ほどの時間をつくり、その時間のうちにデスクリサーチをしたり、参考図書を読んだり、中間レポートとしてブログを書いたり、アンケートを取ったり、アンケートを集計して分析したり、最終レポートとしてスライドの資料をつくったりしてゆきます。

勉強家の僕の仕事は、勉強したいテーマを決めたり、授業名やシラバスをつくったり、ひとりではなく誰かと一緒に勉強することで勉強が楽しいだけでなく、ほどよい緊張感もあるような空間や時間を共有するつくったりすること。

「beの肩書き」のように、もう少し精度を高めてオープンソースで共有できるまでに育ててゆきたいと思っていますが、ここではその草案をちょっとだけご紹介します。

<STEP1>勉強したいテーマを決める

とはいってもこのSTEP1が実はもっとも難しいかもしれません。いざ「勉強したいテーマ」って何? と言われても、何だか答えにくい感じがします。ここで「うーん」と考え込んでしまった方は、次の二軸をヒントとして整理してみてください。

ひとつめは内向き外向き、ふたつめは短期(2〜4ヶ月など)長期(1〜4年など)です。「内向き」はより自分らしさに、「外向き」はより社会的な動向にフォーカスしたもの。「短期」はとりあえずの興味でOK、「長期」は人生のテーマとしてじっくり向き合ってゆくものです。

いちばん取っつきやすそうなのは、「外向き&短期」です。いってみれば「いま自分がもっとも気になっていることは何か」という問いですが、このときは「呼ばれている気がするキーワード」にアンテナを立ててみましょう。本屋でもコンビニの書棚でも、雑誌読み放題アプリでもかまいません。ざーっと眺めてみて、やっぱりこれは今調べてみる時期なのだな、と思ったキーワードをピックアップし、その理由を考えてみてください。(例:「ブロックチェーン」、「マインドフルネス」、「インクルーシブ教育」など)

そして、いちばんワクワクしそうなのは、「内向き&短期」です。いってみれば「いま自分がやってみたいことは何か」という問いですが、このときは「beの肩書き」をひとつ決めて、そんな自分が喜びそうなテーマを選びます。beの肩書きが「ファッションデザイナー」で、なんだか「パジャマ」を考えているときにワクワクするなあと思ったら、百貨店に行っていろんなパジャマを試着してみるなど、なるべく週に一度は自分とデートする時間をとってみてください。

長期のテーマを見つけたい場合は、これまでの自分の興味史を振り返るなど、もうちょっと自分との対話が必要になるかと思います。そこは別稿にゆずるとしても、まずは短期から取り組んでみることをオススメします。

<STEP2>テーマをもとに授業名を決める

短期の場合の授業名は、シンプルに「○○概論」で統一します。もし勉強したいテーマを「パジャマ」と決めたら「パジャマ概論」でOKです。長期の場合は、上位概念として、「パジャマ研究科」のように「○○研究科」を考え、その中に「パジャマ概論」といった基礎科目だけでなく、「日本パジャマ史」や「パジャマ試着演習」など、いくつかの専門科目を位置づけてゆきます。

<STEP3>シラバスをつくる

シラバスに必要な項目は以下のとおりです。「○○概論」の授業計画は、共通テンプレートを参考に作成してゆきます。

<開講曜日・講時>
月曜4限、5限
<授業の目的・到達目標>
何の修得を目指すのか、授業のゴールを決める

例)
・共通課題に取り組むことで、ソーシャルデザインの基礎知識を応用する力を身につけることができる
・仲間と対話を重ねることで、思いをオープンに共有する力を身につけることができる
<授業計画例>
修得のためのステップを分解し、各週に何をするのかを決める

例)
・第一回 デスクリサーチ①(現状を知る)
・第二回 デスクリサーチ②(参考文献を絞る)
・第三回 参考文献①(読んできた本の要点をまとめる)
・第四回 参考文献②(読んできた本の要点をまとめる)
・第五回 中間レポート(掘り下げるテーマを決める)
・第六回 参考文献③(読んできた本の要点をまとめる)
・第七回 参考文献④(読んできた本の要点をまとめる)
・第八回 アンケートを作成する
・第九回 アンケートを集計する、分析する
・第十回 中間レポートの作成(アクションリサーチのテーマを決める)
・第十一回 アクションリサーチ①
・第十二回 アクションリサーチ②
・第十三回 アクションリサーチ③
・第十四回 アクションリサーチ④
・第十五回 最終レポートの作成
<評価方法・評価基準>
修得したかどうかを評価するための基準を決める

例)
・各回に記入する振り返りシート(20%)
・中間と期末のレポート(40%)
・感想の表明や質問など授業参加度(40%) 
※実践するプロジェクトの質よりも、向き合う姿勢やプロセスを重視する 

<STEP4>インプットして、スループットして、アウトプットする

あとはシラバスに沿って、それぞれのオリジナル授業を進めているスタディメイトと定期的に時間を共有しながら、インプット(本を読んだり)、スループット(考え事をしたり)、アウトプット(レポートを書いたり)を繰り返してゆきます。最終レポートが完成したら、成果発表会を行います。以上!

まずは自分でやってみるか...

とはいっても「わたし大学院」のアイデアはまだまだ構想中の段階なので、てんこ盛りしすぎているような感じもします。まずは自分自身を実験台にやってみることにします。こうご期待!

<STEP1>勉強したいテーマを決める

やるとしたら、beの肩書きのひとつである「ことば活動家」が喜びそうな、「ことばあそび」かなあ。

<STEP2>テーマをもとに授業名を決める

とりあえず「ことばあそび概論」で。

<STEP3>シラバスをつくる

「開講曜日・講時」でいまのところ余裕がありそうなのは...

<開講曜日・講時>
水曜4限(14:40-16:20)

かなあ。忘れないようにGoogle Calendarに入れておこう。

「授業の目的・到達目標」を改めて考えてみると、「ことばあそび」について知りたい、というのはあるけれど、どうして気になるかといえば、教育に応用できるのか、という問いなのかもしれない。

<授業の目的・到達目標>
・どんな言葉遊びがあるのかを説明できるようになる
・言葉遊びがどのくらい教育に取り入れられているかを知る

かな。

「授業計画」は15回もやるほど余裕はなさそうなので、10回目くらいまでにしてみよう。

<授業計画>

・第一回 デスクリサーチ①(現状を知る)
・第二回 デスクリサーチ②(参考文献を絞る)
・第三回 参考文献①(読んできた本の要点をまとめる)
・第四回 参考文献②(読んできた本の要点をまとめる)
・第五回 中間レポート(掘り下げるテーマを決める)
・第六回 参考文献③(読んできた本の要点をまとめる)
・第七回 参考文献④(読んできた本の要点をまとめる)
・第八回 アンケートを作成する
・第九回 アンケートを集計する、分析する
・第十回 最終レポートの作成

うーん、不安だけど...。

そして最後に「評価方法・評価基準」は、そうだなあ。まずは基礎科目だし出席を重視して、毎回調べ物とかをしたら最後の15分はコメントシートとしてきっちりとnoteに書くことを目指して、それが毎回できたかどうか、くらいにしておこう。最終レポートで、新たなワークショップが思いついたら、S評価。

<評価方法・評価基準>
・各回に記入するコメントシート(note)(60%)
・中間と最終のレポート(40%)

<STEP4>インプットして、スループットして、アウトプットする

ということで、初回は...明後日!まずはことばあそびのデスクリサーチからだな。

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さてさて、水曜日にnoteはアップされるのか...? 次回につづきます。

はじめまして、勉強家の兼松佳宏です。現在は京都精華大学人文学部で特任講師をしながら、"ワークショップができる哲学者"を目指して、「beの肩書き」や「スタディホール」といった手法を開発しています。今後ともどうぞ、よろしくおねがいいたします◎