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それは呪いみたいなものだった。

ある時はお笑い番組だったし
ある時は昔のアニメだったし
ある時はやっぱり音楽だった。

知らない、ということは
世界に置いていかれることだと思っていた。
その対象が現れた時
圧倒的に思える強制力を持って
押し潰してくる呪いみたいなものだった。

好き、は非常に曖昧なもので
確かな答えは自分の中にしかなくて
それを形作るものは
言葉であり、行動であり
嘘もつければ統一されるようなものでもない。

BaseBallBearを聴いていた時も
光収容を聴いていた時も
当然のように辿り着いたし
聴いてはいたけれど
タイミングというのはやっぱりある。
でも高校生の頃は
誰も教えてはくれなかったな。

そしていま、
また幾度目かの純粋な出会いをする。
別にそんな大それたものではなくて
ただただそういうものとして。

置いていかれた人の思いも
同じように持ち合わせたままで
置いていかれた世界に手を伸ばすのだ。

大それたことはない。
そういうものだ。

人が踊り出すのは
悲しいものよりこういったものの方が
やっぱり、うんと、良いものだと思う。
呪いのことは忘れて
もしくはもう呪いでもなんでもなくて
嬉しくあるだけ。それだけ。



p.s.
ロッキンユー!!!という漫画に惹かれたのは
そういうことが上手くリンクしたせいだった。

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