秋田cheersだった②

ちょうど1年前に書き連ねた記録が途中だったので、続きを書きます。

なんのこっちゃという方は、こちらの過去記事をご覧ください。
(8000文字くらいあります。。。)

秋田cheersだった①



そんなこんなで、たくさんの方々に支えられてクラウドファンディングを達成し、本当にイベント「バレP」ができることになった大学3年の私たちは、燃えていました。ポケモンで例えるなら、ギャロップなみに、燃えていました。


帰省をしているのにもかかわらず、秋田県が広すぎてお菓子会社さまへのご挨拶にどうしても地元からは行けず、アクセスの良い秋田駅周辺に何泊かしたりと、火の粉を散らしながら怒涛の10日間を送ったわたしたち。

お互いの両親はどれだけ心配したことか、計り知れません。あんたたちアホだね〜と言いながら、吹雪の中 駅から送り迎えしてくれて、ありがたい限りでした。

そして、いよいよ2016年の幕開けです。冬休みが終わり、それぞれ東京と北海道に戻り、大学の授業や試験が始まります。
ところで、この「バレP」という何度も出てくる言葉は、略称です。
略さずにいうと、「地元を離れた秋田美人(笑)女子大生が秋田銘菓をギフトにしてバレンタインに秋田をPR!」です。ベリーロングタイトル。
ということで、バレンタインに照準を合わせていたので、2月の開催でした。
あと1ヶ月半もない……
年明けと共に、さすがに、やばいよやばいよ…と出川さんばりに焦りを感じていました。


試験が終わった1月末、ここからは舞台が東京になります。

①リーフレットづくり

お菓子を売ることやイベントをすることは、目的ではなく、あくまで手段です。
私たちが今回 直接的にできるのは秋田を好きになってもらうきっかけづくりだけど、その先に行動につなげてもらうような何かをしなくては。一過性だと何も意味がない…と、走りながらも常に焦っていました。
そして、その焦りはリーフレットという形で解消することになります。

リーフレットというのは、お菓子にちょこっとつけた冊子のことです。お菓子5種の紹介はもちろんしたかったのですが、次に繋がる、秋田に来たいと思ってもらえる内容を作ろうと意気込んでいました。

そして、それは「秋田のおすすめスポット」というアウトプットになりました。

お菓子会社の社長たちの秋田おすすめスポットを聞き、その場所の写真素材をネットで見つけては使わせてくださいと交渉し、イラストが得意な同級生を呼び出して描いてもらいました。

また、描いてもらったイラストの背景透過の仕方がわからず、SNSで「応援してます、できることがあれば」とメッセージをくださった見知らぬ秋田の先輩(しかも異性)を本当に呼び出して、透過をしてもらったりしました。
恐ろしい度胸と図々しさです。

ありがとうございました。

素材が集まったそこからは、初めての編集作業、大学指定のMacbook Airでの、オールパワーポイントのリーフレットづくり。
死にかけました。

ゼミでかろうじてパワーポイント使えるようになっておいて、本当によかったです。
必要ないかもと思っていた知識や技術も、いつかは何らかの形で力になってくれるよ〜、点と点が線になるよ〜、とApple社のスティーブ・ジョブズさんも言ってました。
このときの経験があるので、ジョブズさんのこの言葉にも「うんうん私もそう思う、わかるわあ〜」とうなずくことができます。あのときの勢いのまま進んでいたら、私は今ごろyPhoneとか作っていたかもしれません。「ゆか」のy。発売日未定。




②お菓子セットづくり

これは、精神的にめちゃくちゃきつかったです。
5社から送られてくるお菓子を1つのセットにするには、作業場所と保管場所が必要です。それは、東京にいる私にしかできないことでした。
西武新宿線沿いの1Kアパートの一室は、数多の巨大なダンボールで埋め尽くされました。


なぜ私はダンボールに囲まれて寝ているのだろう。
季節はバレンタイン、まちは日に日にピンクとショコラの色で彩られていくのに、ピチピチの21歳のわたしは恋人のためにお部屋を風船で埋め尽くすのでもなく、チョコレートの甘い香りを部屋中に漂わせるのでもなく、なぜ、なぜこの無機質なダンボールを見ながら急いで白米を食べているんだ?

本当に女子大生を名乗ってもいいのだろうかと甚だ疑問でしたが、たくさんの励ましの言葉を噛み締めて、先述のイベントタイトルを読み返しては「大丈夫、アタイは秋田美人(笑)女子大生よ…」と言い聞かせ、なんとか女子大生でいることができました。


そして、1番重くのしかかってきたのは、「売る」責任が急に現実となって迫ってきたことでした。
このダンボールの中身を全部売らなくてはいけないんだなあ…という恐怖。

ところで、人の五感による情報収集で、知覚の割合の8割は視覚らしいです。佐藤さんは、お部屋で目に入る情報のうち7割がダンボールでした。
【問1】このとき佐藤さんがお部屋にいて受け取る知覚の情報のうち、何%がダンボールだったでしょうか?(20点)


そんな問題が世に出てもおかしくない状況でした。いや、出ませんが、ここらへんでぐっと責任感が増したと思います。




こうして、やばいよやばいよ…まじでやばいよ…と、日に日に出川さんみが増していき、私の知覚の56%はダンボール色で染まっていくことになります。

〜つづく〜


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