秋田cheersだった③

続きです。

〜前回までのあらすじ〜


そんなこんなで、数週間段ボールの絶壁に囲まれて暮らしていた私。
そこはまるで段ボールのお城でした。段ボールプリンセスです。


段ボールプリンセスこと私は、ひどく困っていました。


販売させていただくお菓子は、5社のものです。
私たちが売るのは、2パターンのバレンタインギフトセットなので、それらを詰め合わせなくてはいけません。
そして、パッケージは手作り。すべて作りあげて、中身を詰めて、商品ラベルを貼って、完成させなければいけませんでした。


大学3年の2月。
周りのみんなが就職活動をしだす時期でした。
大事な時期の大事な時間を奪いたくないから、なるべく友達を頼らないようにしなきゃ…

そう思いながら作業をしていても、キャパシティが大きくない私には、精神的にも体力的にも限界がありました。

そして、ついに友人を頼ってみることにしました。


ちなみに、当時の段ボールプリンセスのご様子↓

画像1


その1時間後のプリンセスのご様子↓

画像2



これを見て、大変心配したのでしょう。
見かねた友人たちが、たくさんお城に駆けつけてきてくれました。


このツイートたちのほかにも、泊まり込みで手伝いに来てくれたりとか、朝までファミレスでリーフレットづくりのお手伝いをしてくれたりとか。
本当に、物理的にも精神的にもすごく助けられました。


画像が残ってないのが残念ですが、この頃、地元の新聞(秋田魁新報)にも再びデカデカと載せていただき、SNSをやっていない地域の方々からもたくさんの応援の連絡をいただけたと家族から言われて、そのたびにありがたいなあと思うばかりでした。

あまりにも大きく載せてくださったので、毛穴が見えそうでした。
プリンセスたるもの、お肌の管理はいかなるときも徹底しなければいけないと強く思いました。

(たぶん、相当太って写っていたのでしょう。容姿に苦言を呈されることも少なくなかったので、画像がなくて逆によかったかもしれないです。)


同時進行でたくさんのことが進んでいき、数知れない方々のご協力のおかげで、やっとお菓子とリーフレットが完成しました。

なにもかもが初めてで、勉強になりました。
食品表示ラベルの文字の大きさに規定があることなんて知らなかった。


そしていよいよ、私たちは2016年2月11日から4日間、品川のあきた美彩館と都内の居酒屋数店舗で、おばこ衣装で大量の荷物を持ってお菓子を売りさばくおばこ戦士になりました。

(リンク先、もう無いやないか〜〜いっ)


ドキドキしながらも、やるしかないと始まった4日間。

たくさんのお客様が来てくれました。
新聞を見て来てくれた人、ラジオを聞いて来てくれた人、秋田にいて知ってくれた人から頼まれて来てくれた人、通りがかりの団体様、お店にたまたま寄ってくれた人、懐かしい友達、恩師、先輩、後輩…

お菓子会社のファンになってもらいたかったので、5社をアピールできるお手製の販促物(うちわ)を持ってもらって、みんなと写真を撮って、たくさん話をしました。

画像3


途中で相方が1日だけ試験のため北海道に戻り、そのあいだ代打で秋田cheersになってくれた地元の友人も。
絶対1人じゃ無理だったーーー
寒い中、おばこ衣装を着て手伝ってくれて、本当にありがとう。

夜は居酒屋を回って疲れ切って、、何日めかの朝は二人で電車を5駅くらい寝過ごしてしまって、スタートが遅れたりもしました。本当に大反省です。。。


あっけなくお伝えしてしまうのですが、
結果、売り切ることができました。

画像4

嬉しかった。



嬉しかったけれど、いろんなものが残りました。

お店の人に「もう夕方だよ」と言われて、ああ、売り切れないかもしれないと思った最終日の夕方、最後のお客様が何個か買ってくれたときの、売り切れたよろこびと、なんだか情けで買わせてしまったような申し訳なさ、お菓子は美味しいのにそれってなにがいけなかったんだろう、本当に5社のファンになってくれただろうか、もっと上手くできたんじゃないか、知り合いはたくさん来てくれて嬉しかったけれど、そうじゃない人は巻き込めたのかなあ、見てほしいのは秋田のことだけど、本当に見てもらえたのだろうか知ってもらえたのだろうか、容姿について言われたりしながらもずっとニコニコしていなきゃいけなかった、「女子大生"なのに"頑張っているね」という応援の言葉、


表面上では、嬉しい、ありがとう、がんばった!よかった!と言っていたし、実際に思っていました。
けれど、内側にはもやっとしたものが残りました。


つづく

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