見出し画像

今日は自分のメモ的に。

「読書猿」という独特なタイトルと雰囲気を持つメールマガジンがある。読んでいると、この人、どれだけ本読んだり、勉強してるの?と思って、昔から唖然として読みつつも、刺激をもらっている。Gmailで検索してみたら、2005年に購読を始めている。

その読書猿さんは、今やblogで濃い記事をじゃんじゃん投稿しているし、そのノリをそのまま引き継いだ本も立て続けに出している。

未来をたぐりよせる技術「9画面法」

長い前置きになったけど、今日はいろいろと調べ物があって、読書猿さんのblogをあれこれ掘り起こしていた時にたまたま見つけたのがこの記事。

ここで紹介されているTRIZの9画面法というのがとっても興味深いし、これは、シナリオプランニングのプロジェクトに組み込んでみると良い相乗効果があるんじゃないかと思う。

シナリオプランニングを知っている人であれば、冒頭の

未来を予想する簡便な(しかし多くの場合唯一の)方法は「現在の傾向が続く」と想定することである。

というところを読むと、「これって、シナリオプランニングで考えたいことと矛盾するんでは?」と思うかもしれない。

たしかに下手に扱ってしまうと、かえってプロジェクトメンバーの思い込みを強化してしまうことになってしまって、逆効果になるだろう。

ただ、うまく使えばそうではないということが、9画面法の解説を読むとよくわかる。

予測したい事象や事物について、その上位(スーパー)システムと下位(サブ)システムの過去と現在のギャップ(このギャップが<現在の傾向>である)を未来に外挿 extrapolationして、上位システム(取り巻く環境・文脈)と下位システム(構成要素)からのインパクトを考慮することで未来(次世代)予想を行う。

この外挿 extrapolation は、シナリオプランニングも含むフォーサイトで使われる手法の一部として使われているし、フォーサイトの各手法はお互いに組み合わせて使うのが良いともされているので、うまく使えば、むしろ良い組み合わせになるだろう。

(フォーサイトについて詳しく知りたい人は、科学技術振興機構の「欧州におけるForesight活動に関する調査〜CRDS研究開発戦略の立案プロセスに活かすために」(PDFファイル)を読んでみると、そこら辺のことがよくわかる。)

シナリオプランニングとの組み合わせ方

では、この9画面法をシナリオプランニングとどう組み合わせていくのか。

シナリオプランニングでは、通常、10年後の未来を考えるという設定で、起こり得る未来の可能性を考えていくことが多い。

その時、プロジェクトに余裕がある場合には「過去10年にどういうことが起きたのか」について振り返ることがある。そうすると、これから未来のことを考えていく「10年間」という時間感覚を持ちやすくなる。

この文脈で9画面法を入れ込んでみると、過去と現在、そして今見えている未来のことを冷静に俯瞰することができる。

さらに考えたいことだけではなく、上位システムと下位システムまで考えるので、自分たちの事業を超えて、より広い視点から事業を取り巻く環境を見ることができる。

シナリオプランニングでは、いろいろな形で現状分析はやりつつも、基本的には未来の部分のみ、この9画面法のような発想で情報収集をして、そこから重要な要因を選び、未来の変化の可能性を複数考えていく。

だから、その前段として、既に起きている過去のことに対して同じような頭の使い方をすることができる9画面法は、シナリオプランニングとの組み合わせの相性がとても良いのではないだろうか。

さっそく近々、試してみよう。

■最後まで読んでいただき、ありがとうございました■
シナリオプランニングを学びたい・試してみたいという方は株式会社スタイリッシュ・アイデアのウェブサイトをぜひご覧ください。

Photo by Daniel von Appen on Unsplash


サポートいただき、ありがとうございます。いただいたサポートはより善い未来を創るための資金として、知識や知恵の仕入れのために使っていきます。