RTA in Japan Winter 2022参加レポート - スーパーマリオカート編

はじめまして。こんにちは、Su_cstrakmです。
RTA in Japanの参加レポートと銘打っておきながら、大半はスーパーマリオカートというゲームがいかに素晴らしいかという紹介になってしまうでしょう。

まず先に感想から言っておきましょうか。
やっぱRiJは観てるのもいいですが、参加してゲームやってるときが一番楽しいです!
かれこれ6回目のRiJ出場(それも2ゲーム!)となりましたて、過去には別のゲームでレースもしましたが、RiJでのレース連勝記録(トーテム尾崎%を除く)を5勝に伸ばすことができました。感謝です。

んで、今回走ったスーパーマリオカートとは何ぞや?っちゅう話ですが、まあ大体の人はマリオカートというゲームはご存知でしょう。それのSFCで出た初作品っていうものですね。
ゲームの根幹はアイテムを使ったハチャメチャで楽しいパーティーレーシングゲームって感じで、そこは8DXなどのモダンマリオカートと一緒です。
しかしそこはもう30年も前になるゲーム、難しさは現代のマリオカートとは段違いです。その辺を軽く紹介しましょう。

ハンドルアシストなんて甘えたものは当然ないですし、スピンターンはおろかバックすらないという決して後退を許さない硬派な作りです。
容量的に厳しかったのかどうか知らんけど、決して広大とはいえない正方形の領域の中にコースを詰めこんであるが故、道幅は狭いわカーブはきついわでその上5周もさせられるというね。マリオカート64から3周を基本にしたのは大英断ですね。

そう、5周するということは周回遅れの敵カートがとにかく邪魔になるんです。ちょっとでも敵カートにかすろうものなら、こちらのスピードはガクッと下がります。当たり方が悪いと完全停止することさえあります。そしてきっちりコイン1枚剥がされます。

あっそうそう、スーパーマリオカートにもコインシステムがあるんですよ。現代のマリオカートのそれとは大きく違うんですけどね。
コインを取ればスピードが上がることは今も同じですが、このゲームではコイン0枚になって敵カートに当たると強制スピンしてしまうというのが決定的に違うところです。取れば有利になるというより、切らすと大惨事になるぞシステムです。
そしてさっき言った通り、敵に当たればコイン1枚失います。現代のマリオカートってヌルいっすね。

一方敵カートの方はどんなに衝突しようが絶対にスピードが落ちないというとんでもない仕様です。いかなるシチュエーションであれ、当たれば10:0でこちらの過失です。
ちなみに敵カート側にはコインシステムはありません。非対称ゲームかな?

スピードが下がれば地獄、下がった後からさらに地獄です。
RTAであれタイムアタックであれ、原則的にクッパかドンキーJrが使われます。
まぁこいつがとんだ曲者で、スピードはとても速いんですがそれ以外の能力が全て最低レベルです。
重さ?そんなものは飾りだよ。敵カートに当たれば相手が誰であれスピードを落とされるんだから。
この重量級らの性能は、例えるならビッグトーナメントゴルフに出てくるパワーゴルファーのおっさんです。このおっさんはパワーが最高値だけどテクニックやコントロールなどの他の能力が全て最低値という、あまりに極端な性能をしているキャラです。

スピード以外がまるでダメ。ドリフトでもカーブが全然曲がりきれないし、そもそも曲がりはじめのドリフトのかかりが非常に鈍い。
加速性能は最初から最後までダメダメ。スピード0からの立ち上がりも遅いし、中程度のスピードからトップスピードまで持ち上がるのも遅い。
ちょっと草地を引っ掛けただけでスピードがガタ落ちで、しかも復帰が遅い。落下しようものならその瞬間+8秒以上のロスが確定します。
そんでなぜかエンジンブレーキのかかりだけは良いというね。あっ、補足しておくとエンジンブレーキはかかりが"悪い"ほうが有益です。このゲームでは敢えてアクセルを切ることで車体の横滑りを低減させるテクがありまして、そこではむしろエンジンブレーキの減速度合いが少ないとその分スピード維持できるのでよいですが、現実は非情です。

こんなクセのある大王様を操作して、襲い来るのはお邪魔キャラもとい乱数の魔物達です。
ドッスン、チョロプー、プクプク、こいつら全て挙動が完全に乱数です。タイムアタックモードでも例外ではありません。
つまりどんなに完璧なプレイをしても乱数で道を塞がれ、ドッスンに潰されます。アイテムはともかく、レーシングゲームにテクニックの介在する余地のない運要素を持たせるんじゃないよ。
流石に現代のマリオカートでは、ギミックの動きはどれも乱数の無い周期運動です。時代に感謝。

コースもコースで愉快なデザイン勢ぞろいです。
特にスターカップのコースはどれも秀逸なデザインをしています。ぜひとも一度コースの設計者に会って感謝の意を述べたいくらいには素敵です。

スターカップの先鋒ノコノコビーチ1と次鋒チョコレーとう2、この2つはコース中盤に強制減速地帯が設置されています。つまりそこでミニターボがかからなかったら死です。
あ、スーパーマリオカートにもちゃんとミニターボはありますよ。Nakaさんにもその事は直接伝えてきました。 それについては後述しますんで。

そこから続くのはバニラレイク1とクッパじょう3。海外のマリオカートコミュニティで、歴代のマリオカートシリーズの中でどのコースが最も素敵なデザインかという話題になった際、たいてい挙がるのがこの2つです。

バニラレイク1はコースの途中に氷のブロックが1マス置きに横一列並んで配置されていて、終盤には氷ブロックが乱雑に置かれています。
これらをドリフトでカーブを曲がりながら回避するのはとても困難です。ちなみに自分は今まで一度も氷ブロック全回避できたことがありません。そのくらい難しいです。
噂ではこのコース、開発段階では氷ブロックが一切の隙間無く横一列に並んでいたそうです。そうじゃなくて本当に良かった、良くないけど。

クッパじょう3はコース中盤の狭い道に、ドッスンが4体道幅いっぱいに並んで配置されています。
さっきも言ったようにドッスンの動きは乱数、つまり運が悪いと完全に道が塞がります。ふざけんな。
ちなみに左端のドッスンと壁との間にほんのわずか通れる隙間があるので、
ピクセルパーフェクトに自信のある人なら運ゲーを回避できます。やれるもんならやってみろ。

最後に待ち構えるのはマリオサーキット4で、正方形の中にこれでもかといいう程カーブを詰め込んだサービス精神旺盛なデザインをしています。
コース中盤のヘアピンは150ccだとどうあがいてもブレーキ無しでは曲がりきれません。まあそれでもスターカップの中では一番楽な部類です。

ついでに曲者コースをもうひとつ。スペシャルカップ最初のドーナツへいや3がそれです。
このコースは8DXでリメイクされており、コース選択でこれが抽選されると歓喜の悲鳴が上がるほどには素敵デザインをしています。
しかしこれでもリメイクとあって難易度はマイルドになった部類です。8DXでは水中を普通に走れますし、コースが大型化したことで人道的な道幅にもなりました。っていうことはオリジナルの難しさはお察しなわけです。

すんません、ようやくミニターボの話です。
このゲームにもちゃんとミニターボはあるのですが、その仕様が仕様とあってミニターボの存在に気づきにくく、無いと思われても正直仕方ありません。
まずミニターボが出ても視覚的なエフェクトはありません。車体の挙動とエンジン音でかろうじて判断できるくらいです。
次にミニターボの発動条件、詳細は割愛しますがざっくり言うとある程度の時間ドリフトを続けた後に車体をまっすぐに立て直すとミニターボが出せます。
しかしここに罠がありまして、せっかくミニターボが出てもR(L)の入力が入った瞬間にミニターボは途切れます。
これが何を意味するか、ドリフトにはR(L)の入力が必要なのにミニターボを出すためにはR(L)離さなければならないということです。この仕様を知っていないと永遠にミニターボは出せませんし、ミニターボが無いと思われるのも納得です。


話が長くなりました。本題に入ります。
そもそもなぜスーパーマリオカートのRTAを始めようと思ったか。それを話すために時は2003年頃に遡ります。
当時中学生だった自分は、その頃から既にマリオカートアドバンスのトッププレイヤーでした。
アドバンスは大方の仕様がスーパーマリオカートと共通なのでそれに挑戦しようとしたものの、あまりの難しさにあっさり挫折してしましました。
そしてそのまま十数年の時が流れます。

2022年春先、いろんなマリオカートシリーズをやっている凄腕海外兄貴との会話の中で、「オマエが本気を出せばスーパーマリオカートでタイムアタックの世界ランク30位はいけるぞ(意訳)」と言われました。
これは流石に逃げられないと悟り、長年放置してきたことに対するケジメをつける意味でもスーパーマリオカートをやり始めることにしました。
タイムアタックを始めるとともに、丁度ゴールデンウィークにRTAハッカソンもあったのでRTAも始めることにしました。
元々マリオカートアドバンスのRTAを長らくやっていたおかげで飲み込みは速く、ハッカソン期間中に35分はあっさり出すことができました。
タイムアタックの方はしっかりやり続け、30位には行かないものの始めて1ヶ月程度で世界ランク46位まで登りつめました。
その後もRTARacingでの並走会があったりして、34分10秒まではRTAのタイムが縮まりました。

それでも正直な所、この時点ではあまり自分が納得できる走りではなく、仮に単走だとしたら自分からはRiJに応募しないつもりでした。たとえ日本2位であってもね。
しかしながら冬の応募ではあずまぐさんからのお誘いがあり、自分が欠けてしまうのは如何なものかと思ってレースで応募することにしました。
そして見事当選したのであります。まさかStardew Valleyとの二本立てになるとは思いもしませんでした。

今までRiJで行われたレースでは順当に勝ち続けてきたものの、今回ばかりは相手が強いです。
当選直後の実力では明らかに負けが見えていたので、とにかく練習あるのみと思って配信の内外でひたすら練習を続けました。
練習の甲斐あって着実に上達し、最終的に世界6位相等の33分12秒まで短縮できました。
最後の最後まで調整したいと思い、RiJの会場でも常にSFCを持ち歩いて練習スペースが空きさえすれば鬼の形相で練習をしていました。

そして12/31の本番の日。出番の直前は例に漏れず緊張していましたが、セットアップが予想以上に長引き、その間にゲームを操作していたらいつしか平常心に戻っていました。たぶんこれが勝因だったかもしれませんね。
いざ走りだせば、キノコカップ終了時点でonwaさんとほぼ横並び。自分は上手い走りよりもミスしないことに注力し、そのおかげで少しずつも着実に差を引き離していきました。途中で他の人の画面を観てしまったばかりに緑甲羅に当たってしまったけど。
アイテム運にも恵まれず、クッパじょう3でまさかのドッスンに潰されるアクシデントもありつつ順当にスペシャルカップへ。
この辺から緊張がまた見え始め、ノコノコビーチ2ではロケスタに失敗してしまいましたね。そのあとのリカバリーは我ながら上出来でしたけど。
その後のコースも何とか走り切るもとうとう最後の最後、レインボーロードで一番恐れていた事態が。
ロケスタに失敗し8位で発進、バナナの前投げに失敗し床に置いてしまう、それもよりによって黄色のタイルの上に。
キノコを引くもアイテムを回そうと焦って普段使わない第一コーナー後のストレートでキノコを使ってしまいましたね。使った直後にヤバい!と思うも時すでに遅し、キノコのスピードでジャンプ台に乗って大きく跳ねてそのまま落下ですよ。こんなアホなミスするやつおる?
直後に待ち構えるのはさっき間違えて置いてしまったバナナです。黄色のタイルで視認できずにバナナへ直撃、この時は一瞬何が置きたのか全く理解できていませんでした。
更に悲運は続いて、慢性的なスピード不足でドリフトの膨らみ量が足りずにスタードッスンに当たってスピン、当然コインは0枚で追い打ちをかけるように後続車が追突してきてデスコンボです。レインボーロードで想定されるミスを全て網羅しちゃいました。
この時点で負けも覚悟しましたが、最後まで諦めてはいけません。
満身創痍の状態から自分でも驚くほどのリカバリー力でゴールまでノンストップで駆けていき、無事1位で完走できました。

いやあ、レースって本当にいいものですね。
単走ももちろんいいのですが、レースはマジで燃えますね。最高です。
一年の最後の日にして、一年の中で最も輝いていた瞬間だったと思います。
翌日1/1にはもう早速レイドRTAの出番があるのでF-ZEROを観終わってからすぐ帰宅し、ひとり祝杯をあげていました。

おましい


★★★普段はこちらで配信してます!★★★
https://www.twitch.tv/su_cstrakm




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