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「過去未来報知社」第1話・第12回

<<第11回
https://note.mu/su_h/n/n7a3dac0f7ed6
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 押しつぶされた男が叫び声をあげる。
「うえええっ?」
 ドアの中を覗き込む笑美。
 2階分が吹き抜けになっている。
 どうやら2階の踊り場から飛び降りてきたらしい。
「ギャ、ギャ、ギャー! 殺される~!」
 ジタバタと暴れる男。
 その上には、キャップを被り眼鏡をかけたショートカットの女性が覆いかぶさっていた。
 ゴロゴロと不可思議な声を出しながら、男にすり寄っている。
「ねづっち~。お見限り~!」
「ミケ……じゃなかった、三宅さん! 放して下さい!
 ルール違反ですよ!」
 断末魔の叫び声をあげながら、抗議の声もあげる器用な男。
「ひとつ! 六合荘の中での争いを禁じる!」
「争いじゃないもん。愛のスキンシップだもん。
 もう、本当に、食べちゃいたいぐらい可愛い!」
「いや~! 殺される!」
「あの……」
「あん?」
 遠慮がちに声をかけ、振り返った女の眼に笑美は硬直した。
 女の真ん丸い目が、金色に光ったように見えた。
 女は眼鏡の奥の目を細めて笑美と男を見る。
「……新しい店子さん?」
「いえ、私、市役所の地域対策課からきました、右輪瓜と申します」
「役所?」
 女は男と顔を見合わせた。

>>第13回
https://note.mu/su_h/n/nfc09ad08ca4c
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