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「過去未来報知社」第1話・第5回

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「うちがどんな仕事をするところか、軽く説明したよね」
「はい。町役場に申請がある相談事で、法令にあまり関係しないもめ事や困り事を変わりに処理するって」
「まぁそういうのって、大体話を聞いてあげるだけで解決留事が多いから、もっぱら『六合町・人生相談所』みたいなもんなんだけど」
 東谷はファイルを開くと、渋い顔をする。
「ちょっと今回はめんどうでさ」
「面倒?」
「うちの商売敵のお話」」
「ちょっと課長、過去未来報知社の件を新人さんに任せるつもりじゃないでしょうね」
「過去未来報知社?」
 真美は苦りきった顔で腕組みする。
「それこそ民間の人生相談所、よ」
「それがなんで、過去未来報知社?」
「人の過去や未来を見通して、その人の悩みにアドバイスを与える、っていう所なのよ。胡散臭いでしょ?」
「それ……、本当なんですか?」
「まさか。だってそこの所長って、ただの引きこもりだもの」
「なんか西畑さん、その所長さんを知ってるみたいな口調ですね」
「元カレだもんな?」
「違います! ただの高校時代の同級生です!」
 からかう東谷の言葉に、真美は顔を真っ赤にして噛みついた。
「ほら、赤くなった。
 過去未来報知社の話になると、すーぐにムキになって可愛いね~」
「ムキになんて、なっていません!」
「大体、新人さんの書類のため、なんて言ってここに来てるけど、全然仕事してないじゃない」
「そ、それは……」
 ひるむ真美に、東田にはニヤニヤと笑う。
「過去未来報知社の話がでると思って来たんでしょ。
 何せ、あそことうちはある意味で『商売敵』みたいなもんだからね」
「商売敵?」
「そ」
 東谷は笑美の隣のソファにダイブすると、腕を頭の上で組んだ。

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