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本棚ーなんども読むnoteー

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読みながら涙が出たnote、ニヤニヤが止まらなかったnote、誰かにおすすめしたいnote。本棚に並べておきたいnoteたち。
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#コンテンツ会議

本が売れた先にあるもの

事象に触れ、心象が生じたときに書きたい衝動が生まれるのなら、それは今だ。書きたくなるのはいつも祭りのあとであり、一人きりになった時だ。噴き出る心象の重量でその場を離れられなくなる時だ。 昨夜、ジュンク堂書店大阪本店にて、『読みたいことを、書けばいい。』発刊記念トークイベントとして、著者の田中泰延さんとわたしのトークショーを開催していただいた。 イベントタイトルは、 「ベンチがアホやから野球ができへん。 編集者がおらんかったら本ができへん。  編集者 今野良介 全仕事」

読みたい本を、つくればいい。

田中泰延さんという人といっしょに、本を作った。渾身の力を込めた本。渾身だ。 田中さんはもうすぐ50歳だ。24年間、電通のコピーライターとして、クライアントの商品の魅力をできる限り短い言葉にまとめる「コピー」という受注制作物を作り続けた。しかしあるとき、「誰かのために書く」ということが苦手になり、電通を離れ、映画評や音楽評などの随筆という形で「自分のために書く」という生き方を選んだ。 私は、田中さんに依頼したとき、34歳だった。10年間、編集者として、読者の課題解決に繋がる