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本棚ーなんども読むnoteー

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読みながら涙が出たnote、ニヤニヤが止まらなかったnote、誰かにおすすめしたいnote。本棚に並べておきたいnoteたち。
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#エッセイ

心が骨折したので、どすこいしんどみ日記

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飽きっぽいから、愛っぽい|エッセイを書くということ @パソコンの前で

キナリ☆マガジン購読者限定で、「小説現代9月号」に掲載している連載エッセイ全文をnoteでも公開します。 表紙イラストは中村隆さんの書き下ろし、今回が最終回です。 わたしはなんのために、エッセイを書いてるんだろう。 二ヵ月前、ちょうど暑くなってきたころから、途中で力尽きるように、書くのをやめてしまう原稿がどっと増えた。下手になったなあ、と落ち込んでしまう日もある。 最近、気づいたことがある。 いや、本当はずっと前から気づいていたけど、気づかないふりをしていたことが。

名前も知らない人のアカウントを2年かけて特定したら人生が確変に入った

自慢じゃないけどネットストーカーが得意。彼氏の元カノのインスタグラムとか秒速で見つけちゃう。マジで自慢じゃないです。このあいだ、友人がVJをやっているというので1分でそのVJユニットのツイッターアカウントを特定して送り付けたら「ネトスト1級?」と聞かれた。粘着質の賜物ですわよ。 まあそれにしたってアカウント特定にはある程度の手がかりが必要になってくる。名前、居住地、出身大学、エトセトラ。なんらかのヒントが無いとさすがに難儀。別に特別な技術があるわけでもないし、本当にただ粘着

2021年のお仕事と、2022年。

毎年恒例の一年のお仕事の振り返り。今年は育児と仕事と家庭のことであんまりにも時間がなくてまとめられないかなと思っていたのだけれど、子がひとりで集中して遊んでくれている時間も長くなってきたことだし、その横でアンパンマンの曲でも口ずさみながら、ぱちぱちと書いてみようかと思います。(ところでやなせたかしさん作詞の歌って、必ず面白い言葉があって最高) 2021年の大きな出来事は、やっぱりなんといっても出産。自分が自分でなくなるような鬱々とした妊娠後期を経て、とびきりキュートな男の子

両手ひろげた分に幸せを

大切にしたい人がいる。 妻、それから家族。 仲間、憧れ、親切にしてくれた人。 ぼくは人よりもその範囲が小さいのかもしれない。「国を守る」なんていう大それたことは言えない。たくさんの人の先頭に立ってみんなを救うための行動を起こすことなんてできない。人には人の器がある。ぼくはきっと両手をひろげた分くらいの人たちしか大切にできないのだと思う。だからこそ、その中にいる人たちだけはどうしても守りたい。一人ひとりに対する想いがぎゅっと詰まっている。 木陰に落ちた小さな陽だまり。 そ

登校なんて時代遅れ #8月31日の夜に

noteの水野さんから「8月31日の夜に」というハッシュタグ企画に参加しませんかとメッセージがある。 私はこういうの、上手く書ける自信がない。だって一口に「不登校」って言ってもあなたの不登校と私の不登校は違うし、原因も状況も環境も違って、学校に行きたくない人をひっくるめてアドバイスとか、とてもじゃないけどできそうにない。 けど、もし何かをあえて言うのなら……そうだな、 「不登校、めっちゃ最高、イケてる」ってことだ。 もうすぐ、十把一絡げの教育を選ぶなんてダサくってやっ

自己肯定感の低さに殺されそうだった僕が、夢を叶えられたのは。

はじめまして、漫画を描いています、うえはらけいたです。 本日、生まれて初めての単行本が発売になりました。 3回も泣けるかどうかは保証できませんが…   この作品は、去年の4月にnoteとtwitterで自主的に連載していた「コロナ収束したら付き合うふたり」という漫画を書籍用に再編集したもの。(全ページ修正して、描き下ろしも描いたよ!フルカラーだよ!!) 漫画家になることを目指してこれまで活動してきたので、この本の出版は大げさに言えば「夢が叶った瞬間」とも言える。ただ「

ワクチンを打ったわたし、心臓を止めない薬

お下がりの洗濯機をいつ持っていけばいいかという連絡を母にしたら、いま病院のレントゲン検査にきているとのことだった。 心臓に人工弁を入れている母は、“念のため”の検査がやたらと多い。いつも飄々とした外科医の先生が「うん、今日も異常なっしーん」と壁に貼りつけた検査の書類を見ながら、もう当り前に決まってたことかのごとく言ってくれるのだが、超弩級な心配性の母は、いつもあれこれと質問をする。 その質問が、なんか、天王寺動物園のトラの背中にマウンテンゴリラが乗って檻から逃げ出した想定

ことばを贈ろう。最後の一言だと思って。

その日、彼は 一冊の本を手に、僕のもとにあらわれた。 平日の昼休み、突然の電話。 上司にことわり、待ち合わせ場所へ向かう。 友達と言っていいかわからない距離のトモダチ。 僕の興味をよそに、マニアックな知識を楽しそうに話すやつ。でもどこか、いや、全く憎めない、いいやつだった。 手にしていた本は、旅行の本。 どこがいいとか、ここは君におすすめだとか。 「なんで今、その話なんだよ」という本音が喉を通り過ぎて出てしまったけど、そんな会話も、彼とならいつものこと。 締

理想の個性というパッケージ

私は踊りをしています。 そうするとね、 「自分らしさ」とは「オリジナリティ」とは「インパクト」とは 「個性」とは という風に思考が向きやすいのです。だって何かに目立つにはそういうの必要でしょう?商品開発にしても、事業を起こすにしても。 でもさ、ちょっと気付いちゃったんだよね この世間の中には個性っていうパッケージがある。 よく考えてみて、今就活だって学校教育だって、個性というものに目を向け始められてさ、入学試験でも自分の意見を述べる出題が圧倒的に増えたり、メディ

別れるとき、さくらは流れた

冬は、リビングに駆け込むと、いつも石油ストーブのムッとするような独特の香りが漂っていていて、わたしはこれが特別に好きだった。 実家で過ごしていた頃の話だ。 母は働きに出てはおらず、1日のほとんどをこのリビングで過ごしていた。 娘のわたしが帰ると、必ず玄関まで迎えに来てくれる。 「寒い!寒い!!」 と慌てて靴を脱ぐわたしに、 「おかえり。お部屋あったかいよ」 といつもリビングの扉を開けて招き入れてくれた。 今になって思う。 わたしの学生時代の記憶が半ばおぼろげなのは、もしか

大事なことはTwitterには書かれていない

Twitterをやめた。ものすごくスッキリした気分だ。別れたいけど別れられない恋人と別れた時のような。 きっかけは、コロナ禍が始まって以降、私の周りの人たち、特にものを書く人たちの間でTwitterをやめる人が増えたことだ。ジェーン・スーさんも同じようなことを呟かれていたけど、 皆一様に同じことを言い、やめたあとにはスッキリした顔をしていた。「やめた」と言っても、Twitterはアカウントを消した後も30日以内ならやめた時の状態で復活できるので、消しては30日以内に一瞬だ

違うグレーに染まっていきたい

親友というものがずっと羨ましかった。 小学生の頃、ちびまる子ちゃんに出てくる大野くんと杉山くんの関係性や、キャプテン翼の翼と岬くんの関係性に憧れた。
 当時の僕は、恐れを知らなかったからか、初めてのクラスメイトでも「おれ水口、友達にならない?」と軽々言えたものだ。 特に仲の良い友人とは、学校が終わった後、いつもの公園で「オレたち親友だよな!」なんて語り合うこともあった。 憧れに近づくためにいちいち関係性を定義して、安心していたのだろう。 ただ、無敵の精神状態は長く続かな

元彼を思い続ける私の14年は、正しかったのかどうか問題

便器から顔をあげて「つら…」と口に出していた。 その瞬間ひさびさに、いやもうこんなの10年ぶりくらいに、 「つらいな?」と感じた私が選んだこの14年は正しかったんだろうか。 正しかったんですかね。正しかったのかな。どうしたらよかったんだろ。 誰か教えて欲しい教えてくださいほんとお願い教えて欲しいな。 先月はじめて本が出て「元彼を14年も引きずってる件」について取材されるたび「失恋は無理に忘れようとせず一生引きずればいいと思うんです」とか語ってきたが本当にそうだろうか。今目