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心が動いた記憶

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日々感じたことを言葉にして表現する練習。心が動いたことを、そのままにしないように、書きたいことを書きます。
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#毎日note

#46 裸の爪、恩の送り先。

#46 裸の爪、恩の送り先。

昨日、お風呂でジェルネイルをぜんぶとった。

不要不急の外出を自粛することにして、予約していたネイルをキャンセルしたのが先週。
ほとんど迷わずにキャンセルボタンを押したけれど、いざ裸の爪を見たら色んなことを思い出した。

ネイルを続けたのは2年と少し。意外と長かった。
友人の結婚式でネイルをして、今までなら一回きりだったのに、そのときの私は続けることを選んだ。
すこし前まで普通に働くことが難しくて

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#45 あの夏にも、この夏にも、うんと昔の夏にも乾杯

#45 あの夏にも、この夏にも、うんと昔の夏にも乾杯

「カメラを捨てるべきやな」
彼女は言った。いつになく真剣な表情で、一点を見つめながら。
「写真を撮ってしまうと、記憶が薄くなる気がする」

潮風が、やさしく頬を撫でる。

「憶えておきたいのは、そのときの匂い、音、誰かの表情。
・・・自分の感じたこと、なんやと思う。」
そう呟くと、彼女は無骨な一眼レフを置いて、海を見にいった。

ここは、丹後半島にある伊根町。美しい舟屋が並ぶ京都北部の町だ。
夏や

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#44 好きなことば、書き続けている理由

#44 好きなことば、書き続けている理由

短いことばに、ハッとする瞬間が好きだ。
長い間こころの中でじっと時を待っていたような感情に、輪郭をつけてくれることば。

ことばを声に出してみる。音が引き金となって、感情がじわりと滲み出てくる。記憶と結びついていくのを待ってから、もう一度読む。
すると、私なりの物語が生まれてくるのだ。

それは、広告コピーであったり、Twitterに流れる誰かの一言だったり、小説の一文だったりする。日々、様々なか

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#43 やっていなかったことは諦めていたことではない

#43 やっていなかったことは諦めていたことではない

失敗が失敗となるのは、「諦めた瞬間」だという。「諦める」とは、どうすることを指すのだろう。
途中で辞めること? 目標やゴールに達することができないと決めること?

あきら‐める
1.【諦める】 《下一他》とても見込みがない、しかたがないと思い切る。断念する。 「夢を―な」
2.【明らめる】 《下一他》事情・理由をはっきり見定める。

「断念すること」であり、「明らかにすること」でもあるのか。

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#42 非常時だと認定することで救えるもの

#42 非常時だと認定することで救えるもの

昨日から、喉が痛い。私は喉から体調を壊すタイプだ。へろへろになると、声が出なくなる。この喉の痛みは、そろそろ危ない。

だから、今晩は何もせず眠ることにした。マスクをして、首にタオルを巻いて、ひたすら眠る。これで、復活することを知っているから。

ふと、今までの私なら、もう一日通常モードで過ごしてから、喉の痛みが酷くなって休んでいたなと思った。

昨日参加してきたミシマ社のイベントで、三島さんがお

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#41 私の興味は、誰かの「好き」から始まる

#41 私の興味は、誰かの「好き」から始まる

期待して行ったイベントが、全然楽しくなかった。何百もの出店者が集まった手づくり系のイベント。好きなジャンルのイベントで、規模も大きいのに、なぜワクワクしないのだろう。

考えながら歩きまわって、気がついた。
出店している人たちが、私からは楽しそうに見えなかったのだ。

「見てもらえて嬉しい!」「もっと知ってほしい!」という熱量が、感じられなかった。魅力的かもしれない商品よりも先に、売っている人たち

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#40 習慣を一つずつ増やしていく面白さ

#40 習慣を一つずつ増やしていく面白さ

今まで27年間生きてきて、
「習慣にする」ことほど
苦手なことはないと思ってきた。

続けることが苦手。
あたらしく夢中になることができたら
やると決めたことを忘れる。
まあいいか、と辞めてしまう。

そして、後になって
あれを続けていたら今頃・・・
と悔やむ、ような気分になる。

本当に悔やんでいたら
何かしら工夫するだろうが、
今まで改善したことはなかった。
苦手、で終わらせてきた。

そんな

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#39 やってもらったことが原体験

#39 やってもらったことが原体験

"やったこと"と"やってもらったこと"
どちらが記憶に残るだろう。

前職の先輩と話をしていて、
「原体験って、
やってもらったことだと思うんだよね」
と彼女は言った。
やったことなんて覚えていない、と。

考えてみれば、そうだなと思う。
「あの時こう言ってもらったおかげで」
と言ってもらっても、大概は覚えていない。

一方で、この人のおかげということは
とても鮮明に覚えている。

聞き書き甲子園

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#38 決めたことを口にする前に

#38 決めたことを口にする前に

決めたことを伝えるまでに
自分がどのように決めたかを
振り返るようにしよう。

一度発した言葉は、もとに戻せない。
引き受けられるかどうか
決めてから口にしよう。

それが、責任を持つということだ。
責任なく思ったことを口にするのは
雑談であり、遊びであり
互いにそういう時間として
そこにいるときにしよう。

今どういう時間か、確かめよう。
近しい人だからこそ、
そして自分のためにも
分からないま

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#37 アイデアが生まれる余白

#37 アイデアが生まれる余白

余白の恩恵を受けている。
今の私は、切羽詰まっていないとは言えないが、なんとも自由なのだ。

朝5時半に目覚めて、お犬の散歩に行って、朝ごはんを作って食べて、洗濯して、前日の朝ドラを観て、それでもまだ7時半にならない。

今日なにする?
と、自分に聴くことから一日を始めている。

今日は、夕方から琵琶湖花火大会に行くから、それまでにあれこれやりきろう。

好きなこと、楽しみなことがあると、

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#35 ”やさしさのやさしさじゃないのよ”の豊かさ

#35 ”やさしさのやさしさじゃないのよ”の豊かさ

誰かと話をしているときに、
ある言葉の意味を
辞書で確かめることがある。
ある言葉の定義について、
確認し合うことがある。

それは、認識を合わせるために
必要なことだ。

でも、ことばの意味って
辞書に載っている範囲に
おさまらないこともあると思う。

糸井重里さんが、今日のダーリンで
ぴったりな表現をされていた。

矢沢永吉は、いまじゃなくて、若くてギラギラして
「金がほしい」と言ってる時代か

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#19 拙い英語で3時間話すと中心の想いが見えた

#19 拙い英語で3時間話すと中心の想いが見えた

英語超苦手な私が、
英語が話せる人のような気分に
してくれる友人がいる。

大学生の頃、通っていたカフェの
常連だったオーストラリア人の男性。
彼は、弁護士として
日本支社で働いていて、大阪に住んでいた。
京都の隅っこのカフェまで通うなんて
アクティブな人だなあと思っていた。

もう、7年も前になる。
当時から私は英語が大の苦手。
話すことは楽しいけれど、
単語も文法も、からっきし。
とにかく、英

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#18 近くにいる人への愛情

#18 近くにいる人への愛情

悩みや愚痴を聴いたとき、
どうすれば相手が吐き出すだけでなく
自分自身を見つめたり
何かに気づいたりできるだろう。

以前、会社のプロジェクトで
「問い」について学んでいたことがある。

その参加メンバーに、40代の女性
(成人と中学生の母親で1歳児の祖母)
がいる。

彼女は、私の職場での母のような人。
いろんな人から話を聴く立場に
なりやすいという共通点があった。

だから、よく二人して
冒頭

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