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#35 ”やさしさのやさしさじゃないのよ”の豊かさ

誰かと話をしているときに、
ある言葉の意味を
辞書で確かめることがある。
ある言葉の定義について、
確認し合うことがある。

それは、認識を合わせるために
必要なことだ。

でも、ことばの意味って
辞書に載っている範囲に
おさまらないこともあると思う。

糸井重里さんが、今日のダーリン
ぴったりな表現をされていた。

矢沢永吉は、いまじゃなくて、若くてギラギラして
「金がほしい」と言ってる時代から、
「金の金じゃないのよ」とずっと言っていた。
金ばかりではなく、愛だとか、やさしさだとか、
絆だとか、正しさだとか、ひとつだけの意味で
ぶんぶん振り回せることばが世にはあふれているけどさ。
愛の愛じゃないのよ、やさしさのやさしさじゃないのよ。


糸井重里・今日のダーリン8月6日 より

「やさしさ」という言葉を
使っているのはね
こんな理由があって、
それは漢字の「優しさ」とは
こんな風に少し違っていて
あなたの「やさしさ」はどう?

みたいな。

そんなやりとりを通して、
人はことばの後ろにある
価値観を交換しあい、
自分の世界を広げていく。

その結果、「関係性」が
つくられていくのではないか。

言葉に敏感になるということは、
相手や自分の価値観に
耳をかたむけるということ
なのかもしれない。

”やさしさのやさしさじゃないのよ”
と言える関係は、豊かだと思う。

それ分かる、と言い合えるまで、
なんども価値観を交換しあおう

という意志だと感じるから。

その姿勢は、誠実で潔い。
私も、そうありたい。


photo by 写ルンです│
韓国には、壁アートがたくさんあった。誰が描いたのか分からないけれど、タダで素敵なものを見せてもらえて嬉しいと思った。価値観を絵で表現する、ということもあるなあ。


サポートいただき、ありがとうございます! 有料noteを読んで、学びにして、また書きたいと思っています。