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最新の生成AI「Gemini」とは?特徴や3つのモデル、使い方などを解説

こんにちは。スキルアップAI編集部です。2023年12月にGoogleによって発表された新たな人工知能モデル「Gemini」が、今大きな注目を集めています。少し前から大きな話題となっているChatGPTと比べてどのような点が優れているのでしょうか?
この記事では、Geminiの特徴やモデル、使い方などを解説していきます。Geminiについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。


Gemini(ジェミニ・ジェミナイ)とは

Geminiとは、Googleが開発したマルチモーダル生成AIモデルです。テキスト、画像、音声、動画を入力として受け取り、テキストと画像を生成できます。
Geminiが発表される前は、OpenAIのGPT-4が主力の生成AIモデルでした。しかし、Geminiは主要な指標の多くでGPT-4を上回っており、GPT-4を凌ぐともいわれています。そのため、2023年12月6日に発表されて以降、大きな注目を集めています。

GeminiとChatGPTの違い

GeminiはGoogleが開発した人工知能モデルであり、ChatGPTはOpenAIが展開している生成AIサービスです。双方にはそもそも「モデル」と「サービス」という違いがあり、また開発している企業も異なります。加えて、両者にはマルチモーダルか否かという違いもあります。
ChatGPTの概要や活用方法については、「ChatGPTとは|始め方・使い方やできること、活用事例、おすすめ機能を紹介」の記事で詳しく紹介しています。

Geminiの特徴と強み

Geminiには、以下3つの大きな特徴・強みがあります。

  • ネイティブマルチモーダル

  • 優れた推論能力

  • 高品質なコード生成

それぞれ具体的に説明していきます。

ネイティブマルチモーダル

Geminiは、テキスト、画像、音声など複数の種類のデータを同時に扱えるネイティブマルチモーダルが特徴です。この特徴によって、ニュアンスを含んだ情報をより理解し、複雑なトピックに関する質問に回答できます。特に、数学や物理学の推論の説明に優れた性能を発揮します。

引用:Google DeepMind「Gemini:AFamilyofHighlyCapable MultimodalModels

優れた推論能力

Geminiは、膨大なデータの中から識別が難しい知識を発見する能力に長けており、この能力によって高度な推論性能をもちます。そのため、複雑な文字情報や視覚情報を理解することが可能です。
この強みによって、科学や金融などの多くの分野において、研究や調査が加速することが期待されています。

高品質なコード生成

PythonやJava、C++、Go などさまざまなプログラミング言語を理解しているGeminiには、高品質なコードを生成できる特徴もあります。実際にGoogleがほかの人工知能モデルと比較をしたところ、Geminiにはより高度なコード生成スキルがあることがわかりました。
このスキルは、コーディングを超えた複雑な数学や理論的なコンピュータサイエンスを含む、競技プログラミングに出題される問題の解決にも役立てられるでしょう。

Geminiの種類・モデル

モデルの最初のバージョンであるGemini1.0は、以下の3つの種類・サイズに最適化されています。

  • Gemini Nano

  • Gemini Pro

  • Gemini Ultra

それぞれの特徴や活用シーンを見ていきましょう。

Gemini Nano

Gemini Nanoは、デバイス上のタスクに最も効率的なモデルです。スマートフォン、特にGoogle Pixel 8 Proでの実行を想定して設計されています。
外部サーバに接続せずに、効率的なAI処理を必要とするデバイス上のタスク(チャットアプリケーション内での返信の提案、音声からテキスト要約など)が実行できます。

Gemini Pro

Gemini Proは、幅広いタスクに対応する最良のモデルです。GoogleのAIチャットボット、Bardの最新バージョンでの使用を想定して設計されています。応答時間が短縮されるほか、複雑なクエリを理解できる特徴があります。
2023年12月13日から、開発者や企業は、Google AI Studio、Google Cloud Vertex AIのGemini APIを介して利用できるようになりました。

Gemini Ultra

Gemini Ultraは、非常に複雑なタスクに対応する、高性能かつ最大のモデルです。テキスト、画像、音声、動画、コードなどのさまざまな種類の情報を迅速に理解し、それにもとづいて動作するように開発されています。現在のテスト段階が終了した後にリリースされる予定となっています。

Geminiのパフォーマンス

Geminiのパフォーマンスが高いことは、Googleが実施した調査で明らかになっています。
Gemini Ultraのパフォーマンスは、自然な画像の理解から数学的推論、音声や動画の理解に至るまで、広く使用されている32項目の業界ベンチマークのうち、30項目において既存の最高水準の結果を上回りました。特に、MMLU(大規模マルチタスク言語理解)では90.00%を記録し、人間の専門家を上回るパフォーマンスを示したのです。
以下は、Googleが発表しているGeminiでのベンチマークのスコアです。テキストだけでなく、動画・画像・音声といった分野に関しても最高水準の結果を記録しています。ちなみに、ほぼすべての主要ベンチマークテストでGPT-4を上回っており、精度の高さが伺えます

出典:Google Japan Blog: 最大かつ高性能 AI モデル、Gemini を発表 – AI をすべての人にとってより役立つものに

Geminiを使う方法

Geminiは、Googleの一部のサービス・商品で利用できます。ただし、中には日本版がなかったり、リリース前のものがあるため、注意しましょう。

Bard

Googleの生成AIサービスであるBardには、すでにGemini Proが搭載されています。これにより、要約や推論、文章の編集など、Bardでできることが大幅に増えるでしょう。
ただし、2024年1月時点でGeminiが利用できるのは英語版かつテキストデータのみとなっています。Googleは、数ヶ月以内に言語の拡大に対応することを発表しています。

Vertex AI

Vertex AIとは、Google CloudのAI開発プラットフォームです。2023年12月から、Gemini ProがVertex AI上でGemini APIとして利用できるようになっています
これにより、API経由でGeminiの基盤モデルを利用できるようになり、Geminiを利用したアプリケーション開発が行えるようになりました。

Google Pixel

Geminiは、Google Pixelにも導入されています。Geminiのモバイルデバイス向けのモデルであるGemini NanoがAndoroidに搭載され、ネイティブかつオンラインで実行できます。
具体的には、以下の機能に搭載されています。

  • レコーダーアプリにおける自動要約機能

  • Gboardキーボードのスマートリプライ機能

ちなみに、日本語対応は未定となっています。

Google各種サービス

Google検索やGoogle広告、Chrome、Duet AIなどGoogleの主要な製品・サービスにおいて、順次Geminiが導入される予定です。
すでにGemini in Searchでは、試験運用が開始されています。Geminiの導入によって、ユーザの検索生成エクスペリエンスが高速化し、米国における英語版での遅延が40%削減されました。

Genimiの安全性

Geminiの安全性を維持するために、Googleでは以下3つの取り組みを行っています。

  • 開発段階での安全性対策

  • 包括的な安全性評価

  • レッドチームテスト

これらの対策によって、GeminiはほかのGoogleのAIモデルと比べて、最も安全性が高いと評価されています。
参考:Introducing Gemini: Built with responsibility and safety at the core

Genimiの今後

Geminiは今後、さまざまな製品・サービスに随時統合されていくことが予測されます
例えば、Googleの検索結果には、現在生成AIによる回答が表示されています。これがGeminiに置き換わることで、さらに高度な回答を得ることができ、ユーザの利便性は向上するでしょう。
また、個人だけではなく企業における利便性も向上するはずです。例えば、Vertex AIの精度が高まることで、アプリケーションの開発をスムーズに行うことができます。その結果、企業の生産性は上がるでしょう。
このように、Geminiはさまざまなユーザに対して、利便性の向上をもたらしてくれることが期待されています。

まとめ

この記事では、Geminiの特徴やモデル、使い方や将来性について解説しました。
Geminiの最大の特徴はマルチモーダルである点であり、この性質によって生成AIの可能性が大きく広がることが予測されます。
Geminiは、順次Googleの製品やサービスに搭載される予定です。上手く活用して、業務や研究の生産性を高めていきましょう。

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