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車海老

グルメのレッスン生に教えてもらった名店「ぽん多」。
昨年食べた牡蠣フライはすごかった。「ちょうど去年の今頃でしたね」と、その店を教えてくれたレッスン生が誘ってくれてランチに行くことになった。
店に着くと既に待ち人数人。メニューを渡されて探したら既に時期が終わって牡蠣は無し。

ちょっとがっかりしてメニューをさらに眺める。「車海老フライ」に目が止まった。

ただのエビフライじゃない。 
車海老フライである!

世の中に海老狂いは多く、知り合いにも何人か海老大好き!と、公言し、一緒に食べにいくと何かと海老を食べるひとがいる。一緒に行ったレッスン生も海老が好きである。

中華店で海老蕎麦、蕎麦屋だと海老天がドーンと載った天ぷら蕎麦。エビチリ、エビのアヒージョ、エビの塩焼き。


そう言う私はどちらかと言えば蟹が好きで、それよりも牡蠣が好きで更に言えば雲丹が好きである。
海鮮丼では雲丹増し増し!
だけど気になる車海老。

前回この店で牡蠣フライを食べた時、斜向かいに上品な70代くらいの婦人が車海老フライを召し上がっていたのである。
どちらかと言うと小柄で細身。大きなフライなど食べそうもない感じなのだが、非常に嬉しそうに車海老をかじっていた。
そしてお店の人に、「私、海老は好きじゃないから普段は食べられないんだけど、ここのは食べちゃうのよね!美味しい(ムシャムシャムシャ)」食べっぷりが良かった。

牡蠣を頬張って幸福涙目で天国にいた私だが、涙の向こうでのその言動はしっかりと脳裏に焼き付き、「いつか私もあの車海老を食べてみよう」と思ったのだ。
そうか、それが今なのか?

伊勢海老、車海老、牡丹海老、海老にも色々あるけれど、車海老は食べたことがない。いや、あるかもしれないがちゃんと認識していない。
と言うことは、そこまで美味しくなかったのか、舌が育っていなかったのだろう。
育てようか舌を。


でも、ここのは高いんだろうな。
値段を見ると「時価」と書いてある。

時価‼️

寿司屋でよく目にするが勇気のない私は頼んだことがない。
目が泳いでいたのか、一緒に食べに来たレッスン生が、「寿司屋みたいなことはないでしょう」と囁いた。
何故か大変嬉しそうである。

というわけで、車海老フライがお皿に載ってやって来た。20センチ以上はある大きな海老フライが2尾。付け合せのタルタルソースを少し付けて海老フライの尻尾から齧ってみた。
あまい!
海老の旨味、甘さが口の中に広がった。
これはすごいかも!

頭から尻尾まで、硬いところはお煎餅みたいにカリカリと、余すところなく食べてしまった。
美味しいものを食べている時私は無口になる。耳にゴーゴーと音がなって、全部の感覚が舌に集中するからである。
顔は笑っているらしい。
2本あったので1本はレッスン生に分けた。
代わりに豚を分けてもらって、こっちも美味しかったけど。
もー、なんと言っても海老の饗宴。

値段は、時価でした。明日からしばらくワンコインご飯だな。笑
 
で、最近思う。
食べたいと思うものは、美味しく食べられるうちに食べるのがよい。 
人間、食べることはとても大事で、体の栄養は心の栄養でもある。
不調になると美味しく食べられず、それは不幸の連鎖となる。 
体調に気をつけて体が欲するものを食べる。
高価なものは普段食べられないから、体調が良くてここぞという時に。食べる相手も大事で、共感できる人と。

そのために頑張って稼ごう。

死ぬ時、「あれ美味しかったー楽しかった!」と思い出せたらいいなあと思う。

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