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生ビール1杯の威力のすごさ


宇宙一外食産業が好きな須田です。

先日クライアント先で、店長を対象とした勉強会を開催しておりました。

彼らにお伝えした多くの中で、
生ビール1杯の威力のすごさを知ってください、と言うお話しをさせていただきました。

店舗を任さられている店長は日々売上を上げることを考えていると思いますが、実は具体的に売上を獲得していく方法を熟知している店長さんは、残念ながら少ないのが現状です。

どうしても店舗のオペレーションにばかり注意が向かい、目の前のお客様の客単価を上げることに、注意が向かわない店長が多い気がします。


それはなぜか?

セールスに対する正しい認識をお持ちではないからです。


先日の勉強会でも、おすすめをすることに強い抵抗がある店長がおりました。

自分ではおすすめに抵抗があるので、アルバイトの女性スタッフにおすすめを指示して、本人は何か他の作業をする、そんな状況でした。

実は、お願いをされたアルバイトのスタッフさんは、先日おすすめのやり方をじっくりとお伝えしたスタッフさんでした。

おすすめをお願いされたこのアルバイトさんは、意気揚々としておすすめをして高い確率で何かのオーダーを取ってきます。

おすすめのやり方を具体的に伝授した成果が出ており、彼女のオーダー受注率は70%を超えていると思います。

なぜ、彼女はセールスが得意なのか。
なぜ、店長はセールスが不得手なのか


明確な理由があります。

彼女はセールスすることが楽しくて、
店長はセールスすることが苦痛だからです。

ここに、セールスに対する認識の違いから、行動も結果も違ってきます。


違いを生む違いがこれです。

この店舗でおすすめトレーニングを実施したのは、私ではなくサービスクオリティの担当者です。

この会社にはサービスクオリティ向上委員会なる組織を作り、各店舗でサービスの質を高める活動をするために委員会システムを構築しました。

サービスクオリティを管理・チェックする委員長を選任し、その委員長の彼におすすめのトレーニングを行ってもらい、他にも副店長にあたるポジションの方々にも、私が直接トレーニングを施しました。


セールストレーニングを行う際に最初に行うことは、セールスに対する認識を確認して、マイナスのイメージを払拭しプラスのイメージを植え付けることです。

ハッキリ言ってここはマインドコントロール、洗脳の領域です。


多くの方はセールスすることに、マイナスのイメージを持っています。

これは至極当然のことで、今までの人生経験で売り込みをかけられて嫌な経験をした方がほとんどなので、どうしても「セールス=押し売り」と言う構図が出来上がり、売り込みはやりたくないとなってしまいます。


この間違ったマインドセットを解消しないと、いつまでたっても売上は向上せず、
お客様に楽しさを提供することも出来ず、お得な商品も今一番おいしいものも提供できずにお客様を帰してしまうことになります。


おすすめの本質とは、
楽しさの提供でありお店からお客様へのラブレターのようなものです。


大好きな方には、こんなこともあんなことも出来ますと、お伝えしますよね。

そこには嫌われたらどうしようとか、拒否されたらどうしようなどという考えはなく、ただひたすらその大好きな方のことを想い、美味しいものをおすすめすると思います。


そうなんです、おすすめの本質はもっとお客様に楽しんで頂きたいという気持ちの表れなのです。


そうでなければ押し売りになってしまい、お客様に楽しさよりも不快感を与えてしまうことになってしまいます。

なので、おすすめは絶対に楽しい気持ちで行われなければなりません。


次の週臨店した際に、おすすめが不得手な店長は何を感じているのか、どういった考えがあるのかを引き出しました。

すると彼は驚くことを告げてくれました。

店長の自分がおすすめして上手く出来なかった場合、アルバイトさんに馬鹿にされる、舐められる、店長の威厳が崩れるので怖くて出来ないと告げてくれました。

そこで彼には、その考えはどこから来ているのか、他の誰かがあなたに言った言葉なのか、自らが創り出した創造なのかを問いただしたところ、全て自らが創り出したことであると気付きました。

自分自身に対する認識を変えることで、そのイメージは消滅出来ることをお伝えしました。

そもそも、おすすめをしない店長には威厳も尊敬も集まらないこと、チャレンジしないことの危険も告げ、本当に尊敬されたいのであればリーダーシップを発揮するように伝え納得してもらいました。


そこで、売上を上げたいのであれば誰に何を売れば最も好ましいのか、具体的に売ることで月商がどう変化するのかを、勉強会でレクチャーしました。


誰に売ると一番効果的なのか?
答えは、今、目の前で食事をしているお客様に売ることです。


まだ来ていないお客様を集客して新規開拓するよりも、今、目の前で座って食事を楽しんでいるお客様におすすめをすることが、最も効率よく効果的な売上向上の方法です。

次に何を売れば良いのか?

それはドリンクです!

料理などの商品を販売しても良いのですが、キッチンの人材を使わなければならない、
一般的に料理の原価はドリンクよりも高い、料理を販売するとお客様の胃の容量を満たしてしまう、売価がドリンクよりも高いので、敬遠されがちなど料理を販売するよりも、ドリンクを販売する方がメリットは大きいのです。


具体的な数字を提示しながら説明すると理解が早いので、勉強会では電卓を片手に参加してもらいました。


ここの客単価は、¥3,240です。
組単価は、¥8,750で組人数は2.7人です。

客数は月間3,000名ほどですから、月商が¥9,700,000程度になります。


仮に、月商を10%伸ばそうと思うと、¥970,000のアップで一日にすると¥32,300程度です。

通常、月商を10%伸ばそうと店長に伝えると、ほぼすべての店長が無理です!と、即座に反応を返してきます。

考える間もなく、即座に無理ですと、反応してきます。
少しも考えることなく、反応するのが通常です。

数字を考えることもなく、時間軸も具体的なテーブルの状況もイメージすることなく、出来ないと言ってきます。


この日も同様な反応でした。


そこで、1日¥32,300を生ビールの単価で割ると、何杯になるのかを計算してもらいました。

1日あたりたった67杯です。

生ビールをおすすめして、お客様が滞在している2時間の間で、仮にテーブルあたり2杯弱の追加オーダーが入れば、月商10%アップは現実になります。

店長さんたちには電卓を叩いてもらい、実際に計算していくうちに、夢のようだと考えていた月商10%アップは、実はそんなに難しいことでは無いんじゃないかと、新たな気付きを得て頂きました。


勿論、商品単価¥480の物よりも、もっと高い商品を販売できれば、販売しなければなない品数は減りますし、出来れば原価の高い生ビールよりも、ハイボールやサワー類の方が利益は向上することもお伝えしました。


月商も¥10,000,000の大台に乗ります。

これだけで対前月110%の成果です。



目の前のお客様に生ビール1杯おすすめするだけで、110%の結果は可能になります。

正しい計算式とともに、具体的にテーブルの状況を再現しながら、店長の勉強会で説明したところ、その夜から店長達の考えが変わりました。

ディナーの営業で、積極的にドリンクをはじめ、料理もおすすめするようになりました。

以前作ったセールススクリプトを活用し、お客様が来店しテーブルに着いた時に商品解説し、積極的にセールスしていくようなシステムも導入しました。

具体的な戦略は、対前月103%~105%を3か月繰り返し、3か月後に110%以上を達成する戦略としました。

これから結果はついてきますが過去の事例では、ほぼ全てのクライアントが成果を出しております。

伸び率に多少のバラつきはありますが、ほぼ全ての店舗で望む結果は出ています。


成功率100%とまではいきませんが、高い確率で売り上げは向上していきます。


しかも、ドリンクをおすすめするので、交差原価率も下がり利益額が延びます。

各月のそれぞれの店舗あたりで延びる額はわずかですが、全ての店舗で年間にすると相当な額となります。

月額¥970,000のアップで5店舗あると、単月で¥4,850,000となります。

年間では、¥58,200,000のアップになりますが、ドリンクの販売で伸ばした金額なので、利益率は80%近くなりますので、¥46,000,000ほどが理論上、現金としてプールされる計算になります。


自己資金で、もう1店舗出店出来るほどの金額です。


同じ金額を利益から捻出しようと思うと、10倍以上の売り上げが無いと達成できないことが、効果的なおすすめをすることで、大きな利益を獲得することが可能になります。


生ビール1杯と侮るなかれ。
対前年比110%もあながち遠い夢ではない結果です。

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