アラフォー上海留学日記【8日目】

3/5 火

今日も雨。上海にきてからずっと部屋の窓を開けてなかったことに気づき、空気の入れ替えをしようとすると、窓の鍵が開いていた。ずっと開いてたのか。なんと不用心な。
窓から身を乗り出してタバコを吸うという技を覚えたので、今後はわざわざ喫煙時に外に出なくても済む。だいぶラクになった。

バナナと豆乳で朝ごはんを済まして教室へ。人が少なかったので、昨日と同じ席へ座る。ここが定位置になりそう。前の席は昨日と同じく韓国の仙一、うしろは同じく韓国の承泫、左はスペインからきた黎明。みんな1日目で定位置が決まったな、こりゃ。昨日早めに行ってよかった。


どんなときに新しい友達ができるか、というトピックを仙一とペアで考える。仙一は子供がいるので、子供が学校に入るとママ同士が友達になる、中国にきてからもたくさんママ友ができたと言っていた。子供はインターナショナルスクールに入れているそう。このクラスには駐妻っぽい人がけっこういる。

今日始めて話したのは南ア出身の布希。この子もめっちゃ喋れる。うしろのほうに座っているものの、積極的に先生に質問している姿が印象的だ。
授業の途中で、昨日いなかった男性が入室してきた。こいつ、めちゃくちゃ話が長い。先生が切り上げようとしてもなかなかやめない。あとからわかったがアメリカ人だった。その図太さ、わけてもらいたいよ。

张老师が、昨日の宿題を送ってきたのは6人だけだったよ、というので、宿題はやったけどグループチャットに入っていないから送れなかったと伝えた。グループチャットのQRコードを教えてもらったが、電波が悪いのか登録できず。あとでやろう。
と思ったら、次の李老师の授業でいきなり「いまグループチャットに質問を送ったから、班にわかれてディスカッションしてね」と言われて焦る。同じ班の海菜に招待してもらい、今度は電波状況もよかったので事なきを得た。承泫ともWeChatを交換。
相変わらずリスニングはめためただが、先輩から「ある日いきなり耳がひらくよ」と聞いているので、その日がくるまで蓄積するのみだ。今日の授業も無事終了。

宿舎に帰ると、部屋の鍵があかない。でももうこんなことでは驚きもしない。宿舎のおばさんに鍵を借り、部屋で昨日外卖した饭团を食べたのちに办公室へ。宿舎関係を担当している吴老师がいないので、近くにいたほかの先生に、学生証で部屋の鍵が開かなくなったと伝えると、日本語で「3時に吴老师が戻ってくるから、そのあとに来てください」と言われてめちゃくちゃびっくりした。日本語話せる先生いたんだ。
食堂にカードのチャージをしにいくと、早くも閉まっていた。食堂関連の施設、いつ開いてるのかまだ把握できていない。私の生活リズムとことごとくズレていることだけはたしかだ。せっかく食堂に来たので、撮ろうと思って忘れていた折りたたみ傘置き場の写真を撮った。


3時まで約2時間あるので、隣の駅の本屋に行く。中山公园站を出たところに無人のコーヒーマシンがあったので試してみた。10元なのに、おとといおしゃれカフェで飲んだやつよりおいしい。こっちの珈琲、ブラックで飲もうとするとアメリカンしかなくて、ちゃんとした店でもなんか違うと感じることが多いんだ。やっぱりドリップできるインスタントコーヒーを買っておこうかしら。

お目当ての上海书店に入ると、どーんと习近平コーナーが。これ、めちゃくちゃ部数刷ってるんだろうなと思うと羨ましくなった。ふだん3000部、4000部の世界で生きている編集者の嘆き。

伊藤潤二先生の『よん&むー』の中文版が出たと聞いていたので、漫画コーナーに直行。『女の園の星』もほしかったが、3巻めしかなかったので、セット買いできるところで改めて買おう。香港でもそうだったが、上野千鶴子先生の本は売れているようす。前任者からの引き継ぎで担当した新刊『こんな世の中に誰がした?』も中文版を出してほしい。5年前に上海の出版社から翻訳版を出した担当書『図解 なんかへんな生きもの』を探したが、さすがになかった。ちと残念。


ここの書店は、偉人伝や中国史、成语など学習用の漫画や参考書が豊富に揃っているのに比べ、一般書がかなり少ない印象。上海の建築物さんぽや街歩きエッセイみたいなのがほしかったんだけど。


書店をハシゴしようかとも思ったが、ササッと調べて出てくる店がぜんぶ代官山蔦屋みたいだったので、行く気をなくした。映え重視じゃない独立系書店はないのか。今度、腰を据えてじっくり探そう。

時間になったので吴老师のもとへ。とりあえず宿舎のおばさんに鍵を開けてもらって、部屋で待てと言われる。約30分後、知らないあんちゃんが部屋にやってきて、学生証で鍵が開くように直してくれた。原因がなんだったのかは謎。
そうこうしているうちにもう16時だ。雨だし生理だし、今日は部屋でゆっくりすることにした。ボケっとしすぎて、またトイレに紙を流してしまった。
『よん&むー』の中文版『伊藤润二的猫日记 小四和小六』を少し読む。いちばん好きなページで爆笑。中国人もこれ見て笑ってるのかな。笑うよね。中文版はオビの形が凝ってたり、ポストカードとオマケ漫画がついていたりで、ファンにはかなりうれしい。

夕飯を食べに、半分寝巻きのまま、学校と駅の間にある老上海混沌面铺へ行く。少しでも栄養がとれればいいやとしか思ってなかったが、荠菜鲜肉馄饨が思いのほかうまい。荠菜たっぷりで香りがいい。お酢をかけるとかなり好みの味。ところで荠菜ってなに?と疑問に思い調べたら、ナズナのことだった。七草粥20年ぶんくらいのナズナを食べた。青菜のピーナッツだれ和えと合わせて20元。ここ、ビールも売ってる。居酒屋感覚で使えそう。

部屋でぼんやりしていたら、ふと以前行った上海のモスクのことを思い出した。たしか、日曜日にムスリムマーケットやってたよな。あそこで初めて物乞いにQRコードで募金したんだっけ。来週の日曜はあそこに行ってポロを食べたい。早くも週末を楽しみにしている。
今日はシャワーの温度が心なしかいつもよりもあたたかい。昨日は寝ている間にもこもこの靴下を脱いでいたし、エアコンは設定温度を2度下げた。春が確実に近づいている。上海の春は短いと聞く。春は短し、学べよ中年。

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