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#恋ボク 執筆裏話 10話 〜編集会議キックオフ〜

本格的に書籍化に動くことになった。沖縄珍道中から1ヶ月後の5月18日に初めての「会議」が行われた。再び吉本興業本社を訪問する。僕とstorys清瀬さんと吉本興業T山さん計3名でのキックオフだ。


まず、僕の冒頭演説から。


「そもそも、最近の人って本なんて読まないですよ。ボクもそうですけど。マンガにしましょう。マンガだったら読みますよ」

「もしくは、名言集みたいな。1ページに一言書いてあるみたいな。相田みつをさんとか水野敬也さんのみたいな」


僕はとにかく書きたくなかった。面倒臭かった。手を抜きたかった。いや、でもイマドキの人は本を読まないってのは本心であり、僕のマーケティング感からの本音でもあった。


T山さんより「上司に確認しますね」と優しく回答をもらったが、即日で「却下」となった。そもそも「原作発掘プロジェクト」の一環なので、ちゃんと文章を書いて欲しいと。

僕は翻意して「そりゃそうだ」と思った。水野敬也さんの「ニャンとかなる」というのをパクろうと思った。

清瀬さんから「storysに書いた yahooBBの経験、お惣菜屋の経験、それぞれから得られた金言集を作ってみてください」と言われた。

「よし!金言集なら一行書けばいいのだな。オレでも出来るぞ!」僕は早速evernoteにメモをしだした。

<YahooBB>
・考えるより手を動かす
・自分で考えてもどうにもならないことは考えない(思考停止する)

<惣菜>
・不得意なことはやるな
・不得意なことは、気合でもどうにもならない
・過去の自分は大抵バカ
・バカの仮説思考は大きく間違う

熟考の結果、金言でもなんでもない、なんのひねりもなく、しかもダブっていてMECE感の全く無いものが、6つしか出てこなかった。

「あぁぁぁ、、ダメだ。。楽勝かと思ったのだが、オレは金言集すら作るのはムリだ。。。」

===

僕とstorys清瀬さんは、沖縄祝賀会で知り合ったサンシャインの坂田さんからライブの招待を受けた。
渋谷にあるヨシモト∞ホールというところだった。お笑いは小さい頃から好きだったけど、テレビで見るばかりで劇場で見るのは初めてだった。
渋谷道玄坂の奥地、オッサンが決して立ち入らないような奥地にあった。

「あれ、、ここ来たことがあるかもしれない。。。」

脳の奥底にしまってあるアーカイブを検索する。若かりし頃、過剰に仕事をしすぎたせいで、昔のことはドンドン忘れて脳の奥底の方に置き去りになっていることがよくある。

12年前の2007年あたりだったろうか。前職でM&Aなんかをやっていたころ、大阪の小さなコンテンツ企業を買収した。そこのプロジェクトでシニア向けのお笑いサイトをローンチする記者会見を確かこのホールでやった。西川きよしさんが登壇していて、ガラケーで写メを撮った記憶が蘇った。

これだ。

その後、その会社とはなかなか連携も取れず、連結子会社として管理していくのが大変なので、別の上場企業に売却するなどの30代の暗い記憶が走馬灯のように蘇る。脳の奥底にしまったアーカイブにアクセスすると、たまにこういう陰鬱な気分に陥ってしまう。眉間にシワをよせて、ラッシュアワーのサラリーマンのようなしかめっ面になっている。

「いかんいかん。今日はお笑いライブを見に来たんだった」

サンシャインさんはコントが得意で、キングオブコントでの優勝を目指しているらしかった。ナイナイさんの影響を強く受けているみたいで、学生服を着たコントが目立っていた。

キングオブコントを意識したその単独ライブは審査員がめっちゃ豪華だった。
「かもめんたる」のう大さん、「さらば青春の光」の森田さん、「チョコレートプラネット」の長田さん。

観客は20代の若い女性ばかりでオッサンは僕らだけで恥ずかしかったので、扇形の観客先の一番うしろにこっそりとすわっていたら、ちょうど、隣がその豪華審査員席だったらしく、めちゃくちゃいい席だった。一つ一つのコントにその豪華審査員さんたちが「辛辣なコメント」をする。

まるでスタートアップのピッチイベントのようだった。「お笑い」で成功を目指すセカイと「起業」を成功を目指すセカイが重なって見えた。コント職人の豪華審査員が、IVSローンチパッドの審査員と重なった。チョコプラの長田さんが「そろりそろり」とCW吉田さんに見えてきた。

ライブが終わって舞台裏を見せてもらって。栄養ドリンクの差し入れをした。


そんなこんなで、書籍の執筆は一向に進まなかった。

<つづく>

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