激震するHR techの未来 ~来るべき人材ビジネス戦国時代~

勝手に未来創造シンクタンクということで、独力でレポートを書いているこのコーナー。

月2回くらいのペースで、色んな産業の未来について書いていこうと思っています。

初回 リクルートのリボン図が通用しなくなる理由

2回目 メディアの新しいマネタイズ戦略

第3回の今回は、人材領域について書いていこうと思います。

過去2と今回が全て読める定期レポートもご用意しましたので、もしよろしければこちらもどうぞ。


今回の内容

・国内のデータから見るマーケットの概況

・HR市場の再定義

・国内外のHR techプレーヤー

・重要な3つの技術革新

・既存プレイヤーが直面する大きなリスク

・これからの人事のあり方


対象読者

今回の内容は、下記のような読者で、かつまあスドケンの話だったら聞いてみてもいいかなと思っていただける方々を対象としております。

・HR関連の事業に携わられている皆様

・人事に関わられている皆様

・スタートアップの経営に携わられている皆様

・新規事業を検討している方

・VCの皆様

人材ビジネスでのマネタイズを検討している人には興味もっていただけるかと思います。


ランチをご馳走して、面白い話を聞いたなと思っていただけるくらいの内容を想像いただければ幸いです。


国内のデータから見るマーケットの概況

そもそも人材マーケットの概況から見てみましょう。

ワークス研究所が様々な良いデータや切り口を提示されていますので、その中でも「人材マーケット予測2015」から注目すべきトレンドをみてみ見てみたい思います。


正社員はメジャーな働き方ではなくなる

雇用形態別のトレンドを見ると明らかですが、正社員という働き方は主流でなくなる可能性が高いです。すでに過半を割っています。

ニーズの方も過半を割っていますので、どこかで、非正規雇用が正規雇用を逆転すると想定されます。

そんな中、人材の流動性は高まっています。

そして、雇用ニーズは製造業からサービス業へ大きくシフトしています。


労働人口の10%が転職している

じゃあ、どれくらい実際の人が転職しているの?ということでいうと厚生労働省が発表している「平成26年雇用動向調査結果の概況」という素敵なデータがあります。

2014年は5,036.3 千人が転職をされたそうです。

これは全労働人口の10.9%に当たる数字です。

毎年コンスタントに約10%くらいの人が転職しているというのが今の国内のマーケットです。


縁故という巨大マーケット

さて、実際の転職者の入職経路は、同じく厚生労働省の「労働市場分析レポート」を見てみると、下記のようになっています。

ザックリですが、決定経路はハローワーク・広告・縁故で85%いくわけです。

4分の1が縁故で決まるというのが実情です。

スタートアップにいらっしゃる皆様は、よくわかると思うんですが従業員紹介も含めた縁故採用というのは、想像以上に大きな市場なのです。



HR市場の再定義

次にどこにどれだけお金が流れているか?をしっかり見る必要があります

HR市場をどのように定義するか?そして、今後その境界がどのように変化していくのか?がこの市場の未来を考えていく上で、最も重要だと考えていますが私は次のように定義しました。



数字は2010年をベースにしていますが、ないものは直近の数字を選んでいます。それぞれ最後に出典を付けますので、ご確認ください。

人件費、採用関連費、人材管理費の3つにまず分けました。人材ビジネスというと採用ビジネスが中心のように思われますが、その周辺にも巨大な市場が存在します。

そして重要なことは隣接する市場についてよく理解することです。


詳細を見てみます。

人件費 203兆 809億

 うち 派遣 6兆3055億

    請負 1兆5757億

    アウトソーシング 3兆2261億(非IT系 1兆5321億、IT系1兆6940億)

採用関連費 1兆1727億(0.5%)

 うち 広告 9866億

    紹介 1861億

人材管理費 4兆7587億(1.9%)

 うち HRMソフトウェア市場  258億

    教育・研修       4860億 

    福利厚生(法定外分) 4兆(うちベネフィットワン 260億 リロクラブ 175億と代行業のシェアは小さい)

    ペイロール 2200億

    アウトプレースメント 269億


直接人件費に支払われる費用を除いても、17兆円くらいの巨大マーケットなのです。

このような膨大な市場があり、これに含まれない公共部門の人件費

26.3兆円(289万人)という別の巨大市場が存在します。

経営している側から見ると、人件費と採用と人材管理にどのように配分して自社の業績を最大化していくか?が重要になってくるわけです。

例えば、人件費を上げるべきなのか?福利厚生費に投資すべきなのか?

は大きく異なるわけです。

つまり、何が言いたいか?というとこれらの市場をバラバラに見ている限り、これから起こる大きな技術革新が与える影響を想像していくことができません。

これらは、全て隣接する巨大市場と捉え、その境界線は曖昧であるとおくべきだと考えています。


HR techという時に、新卒や中途の正社員採用という市場を見てしまいがちです。というのも前段でお話ししたようにこれまでは、それがメジャーだったからです。


ところが、その様相は変わってきています。

現在のビジネスは高度な専門人材が時に不可欠になります。

電気自動車やハイブリッドエンジンにおける電池やモーターの制御周りのコア技術

国産ジェット機開発におけるコア技術

大量のデータを扱えるデータサイエンティスト

これらは、各社がそれぞれで専門人材の育成をしていくことが極めて難しいもので、かつ周辺領域にわたり、それぞれの専門家が必要になるため、特定派遣、請負、業務委託(アウトソーシング)などを駆使して、プロジェクトに当たっているはずです。

コールセンターやサポートセンターを外注の体制で組んでいる会社はたくさんあると思いますが、最も消費者に近いこのような業務も派遣やアウトソース化されているわけです。

コア業務を担う高度専門人材は、正社員のジョブローテーションの中からは生まれない

あるいは

正社員がやらないと決めたはずのノンコア業務がコア業務化していく

このようなことは多々起きているわけで、労働市場が大きな変化をしている中では、単に採用市場だけを見ていても仕方がないのです。

そして、後述する3つの技術革新がこの労働市場も含めた、超巨大なHR市場に劇的な変革をもたらしていくと私は見ています。

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Kaizen Platform CEOのsudokenです。企業の未来戦略において重要になると思われるテーマについて、私自身の見立てをまとめるノートです。

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