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もう一つのアメリカ


フロリダに移住して7ヶ月が経ちました。
私はボストンに1年、ニューヨークに15年以上住んできて、ここアメリカという国を知っている気でいました。
けれど、ここフロリダに住み始めて私がいつも実感するのは
(私はアメリカをわっているいるつもりでいたけど、全くわかっていなかった)という事…。
食文化もそうですし、人種的にも私が住むタンパはニューヨークのようにたくさんの人種が混ざり合うというほどでもないですし、政治的な考え方も全く違います。


先月、日本に住む親戚たちが
『アメリカはバイデン大統領がワクチン接種を義務化したんでしょ?』
とか
『大きい企業や機関で働く人もワクチンが義務化されたらしいね。』
といった連絡をくれました。

その都度私が返信している答えは

『いや…。フロリダは全然..。』

その返信に付け加え、彼等に私が添付したフロリダ州知事ディサントス州知事のアナウンスメントがあります。
大雑把ですがこの動画の和訳を文章にしてみました。


https://www.youtube.com/watch?v=As4jp0Cgopo

ー(最初は挨拶。州立大フロリダユニバーシティがアメリカ全土で5番目のレーティングに選ばれたことへお祝い、複数の議員や代表の人たち、サーフサイドのビル崩壊事故の時に現場で任務を果たしていた消防士さん、レスキュー隊員たちへ感謝の言葉を述べています。)

私がここではっきりしておきたいのはここフロリダ州内において、女性も男性も今までずっと働いてきた労働者たちをワクチンの接種の有無が原因で解雇するという事は絶対にしないという事です。

警察官や消防士といった人たちは新型コロナ発生以来、今までずっと過酷な任務にもかかわらず働き続けてきました。
たくさんの政治家達が直接どこかへ出向く事もなくZoomで職務を果たしている間、彼らは私達を守るために昼も夜もずっと現場で働いてきたのです。
こんなに大変な時、忠実に働いている人たちを切り捨てることはできない。
一人一人それぞれ、健康に対する個人的な選択があります。
なので、私たちは彼らを見捨てるようなことはできないし、彼らを失業させるようなことはできない。
複数のカウンティー(群)ではワクチンを接種しない労働者を解雇する動きがあるようだが、一方の意見だけに偏り彼らの家族や生活を奪い取ることはできない。

まだ誰もワクチン接種できない時期、沢山の労働者たちが今までにコロナウィルスに感染してきました。
噓偽りなく、その感染者の多くはすでに回復しています。
その回復した彼らが最も強いとされる自然な免疫力を持っているのです。
これは学術的にも最も正しい事実です。

フロリダ州はワクチン接種を義務化しない州の法律”SB2006”を発令します。
法人の企業だけにかかわらず、アメリカ政府の機関が適用している映画館やレストランに行くための『ワクチンパスポート』、そしてまたここフロリダ州内の政府機関のワクチン接種の強制、ワクチンのコンディションによって雇用をしないことはフロリダでは違反となります。

もしワクチン接種を強制した場合、1件の報告につき$5000(約50万円ほど)の罰金が科されます。

ここアラチュア群、ゲインズビル市、オレンジカウンティーといった複数の場所でこの何ミリオンドルという罰金がすでに科されることとなるケースが発生してます。
私たちはワクチン接種したいというすべての人たちにもワクチン接種ができるように全力を尽くしてきましたが、ワクチン接種を全ての人々に強制するのは私たちのポリシーに反しています。

バイデンがワクチン接種の強制を促しているのは何よりも問題だが、今までユニフォームを着て現場の最前線で任務をまっとうしてきた人たち、その他にも重要な仕事をしてきた人たちを振るいにかけて切り捨てるような事は基本的に間違っている。
こんなことは私たちは絶対に認めない。
私たちは彼らの仕事を守る。
私たちは彼らの家族を守る。
私たちは彼らの生活を守る。

ワクチン接種の強制に対して法律的保護があります。もし厳しい状況に置かれている人がいたら、州政府に報告してください。
サポートする職員がいます。

私が指摘したいのは、6ヶ月前だったら誰もがこんなことを強要されるのはおかしいと認めていたはずです。
このように強制されるのはおかしいと思ってたはずなのです。
最終的にファウチのような1人の人物に相談して、たくさんの人たちがそのただ1人の意見に同意することになったのです。
これから、何千人という英雄といわれるべき人たちが勤務を怠っていたわけでもないのにこのような押し付けによって職を失うというシチュエーションにさらされるのです。
この押し付けは私たちの州だけではなくアメリカ全土、他の州でも違法で罰せられるべきだと思っている。ー

バイデン大統領はこのディサントス知事は州民を危険にさらしているとバッシングし、常にメディアでこの2人は炎上中です。
一部のメディアは悪魔のような州知事で前トランプ大統領のようにバッシングする事も多々あります。
ちなみにこのディサントス知事はこれまでにファウチの指示通りみんな世界中が行動してどれだけの結果を出してきたのか?彼の指示通りロックダウンをし、マスクをつけても感染者、被害はなくならなかった。『彼は結果を出していない』、『ファウチズムはフロリダでは適応しない』とはっきりと宣言しています。


私の和訳力が乏しく、このような和訳で申し訳ない思いでいっぱいですが、きちんと彼のスピーチを最後まで聞いた人は本当に彼は独裁者だと思うのでしょうか?

この動画を見てわかるように、彼の会見前は大きな拍手と喝采が鳴り止まないほど、ここフロリダではこのディサントス知事の人気は相当なものです。
いや、フロリダだけではなく共和党の州(レッドステイト呼ばれます)では彼はリーダー的な存在として扱われています。
幾度となく2024年の大統領選挙に共和党の代表として出馬を期待されている人物として話題になるのです。
(先日、正式にディサントス知事は大統領選挙に出馬する気はないと発表しました。)

日本に住んでいる人たちにとってレッドステイトと呼ばれる共和党派のアメリカの州内の行政はそんなに興味深いものではないものかもしれません。
日本の報道ではニューヨークとカリフォルニアといった民主党派の州(こちらではブルーステイトと呼びます)の行政の方針や社会状況しか放送されていないと私の親戚の1人が連絡してきました。

ここフロリダで車に乗るとローカルのラジオを聴くことができますが、そのほとんどの内容がバイデン政権に対しての猛バッシングです。
そのラジオの中でよく耳にする言葉が
『My Body, My Choice!』(自分の体のことは自分で決める!)
この言葉がスローガンのようにラジオで響いています。

息子の父親がフロリダに来てすぐ、びっくりして私に話してきました。
彼がマクドナルドで朝ごはんを食べていると隣に座っていた老人2人が大声で民主党の大統領選挙の不正の話を大声で豪語し熱弁していたと言うのです。
民主党の州、ニューヨークから来た私たちにとってそれはものすごく大きなカルチャーショックでした。
大統領選挙の不正の話や、トランプ大統領をサポートするような意見は心の中で思っていたとしてもニューヨークでは絶対声に出して公共の場で発言するということは最大のタブーとして扱われます。
反対意見を持った人に怒鳴りつけられるか、襲われるというリスクを覚悟の上でしないといけません。

実際、フロリダだけではなくアメリカ国内には12州もワクチン接種強制を禁止している州が存在します。
それぞれの州で細かい決まりが違いますが、アリゾナ、アーカンソー、ジョージア、フロリダ、インディアナ、モンタナ、ニューハンプシャー、ノースダコタ、オクラホマ、テネシー、テキサス、ユタ州です。
https://www.beckershospitalreview.com/workforce/11-states-banning-covid-19-vaccine-mandates-how-it-affects-healthcare-workers.html

レッドステイトが正しい、ブルーステイトが悪いというのではなく、このアメリカという国には日本の大きなメディアではなかなか放送されないもう一つのアメリカが存在するということを1人でも多くの人達に知ってもらいたいと私は思っています。
自由の象徴とされるここアメリカ…。
今このような時代になり、本当の自由はどこにあるのか…..?。

私が住むここタンパではマスクをつけてない人を攻撃したり、嫌な態度をあからさまにする人は誰1人いません。
マスクをつけている人たちをとやかく言う人も見たことありません。
ワクチンの接種の有無でお店に入れないとか、職を失った人もいません。
ここタンパがあるヒルズボロー群は民主党の群と言われています。
なのできっとブルースステイト側の政治的な意見を持った人もたくさんいます。
けれども、”個人それぞれの選択の自由を尊重する”という基本的な考え方がこの場所をいつも平和に穏やかに保っていてくれているのです。

これは決して日本で言われる『陰謀論』ではなく、大きく二分化したここアメリカという国の現状なのです。

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