見出し画像

ゴクラクの「はじまり」と「おわり」の繋がりの美しさについて語りたい


 丁_スエキチです。
 突然ですが、推しが解散するんですよ。
 前に書いた記事でも触れた、Gothic×Luckという声優ユニットなんですけれども。

 八木ましろ(以下、しぃちゃん)と菅まどか(以下、かんちゃん)の二人からなるユニットです。

 舞台けものフレンズ2でデビューしたこの二人、けものフレンズ2に出演してエンディングテーマを歌い、その後もけもフレに限らず幅広い活動をしてきまして、2ndアルバム「おやすみ おはよ」を出したり、文化放送A&Gゾーンで担当番組を持ったり、それぞれ個人配信をしたり……(いや待て、かんちゃんしてなかった……)と精力的に動いていたわけなんですけれども。

 この度、絶賛現役学生中であるかんちゃんが、学業に専念してビッグになるということで、芸能界を引退するということなので、2022年5月いっぱいで解散するんですよね。

でっかくなれよ〜〜!!!!!!!!!!!
ウオオオオオオオ!!!!!!!


 さて、オタクのクソデカ絶叫も終わったところで、本題に移りたいと思います。

 ゴクラクが初めて歌った曲(1stアルバム1曲目)である「星をつなげて」と、最後に歌った曲(2ndアルバム最終曲)「ミチシルベ」の対応関係が綺麗すぎ!!!
 
という話をします。

 まず聴いてくれ。

 聴いた?
 以降聴いたものとして語ります。

①いつかきみと眺め/描いた地図

 「星をつなげて」と「ミチシルベ」に共通する、大きな意味を持つ単語は何か?と考えたときに、出てくるものは「地図」です。

「いつか きみと眺めた地図に 輝いていた マークを」

「星をつなげて」

「描いた地図は 行き止まりとか 全然無くて」

「ミチシルベ」

 「地図」は道を表すもので、正しい道を示すための目印が記してあるものです。では、ここでの「道」「目印」は何にあたるのか?ということになってきます。
 「目印」はわかりやすいですね。まず「星をつなげて」の場合。

「だけど きみと眺めた地図に 輝いていた マークは
ずっと ずっと 同じ 場所で 星空を つないでる」

「星をつなげて」

 地図上に輝き、空を照らす「星」、そしてその「星と星のつながり」が、描いた地図の「マーク」になっている、という風に読み取ることが出来ます。
 そしてもうひとつ、「空の色」もまた「マーク」としての役割を果たそうとしていると思います。

「夕暮れから 青空まで 空の色は たくさんあるから
今日の特別な空に 名前をつけよう」

「星をつなげて」

 「星」がずっと変わらないものであるとすれば、それに対比するように、常に変化していくのが「空の色」です。そんな移ろっていくものの中に大切な、特別な何かを見いだしたから、わざわざ「名前をつけよう」としているのです。

 では、一方でミチシルベの場合はどうか。1番サビを確認しましょう。

「しまいかけた 夢の続き まだポケットで疼く希望
鮮やかな旋律を刻む ミチシルベ」

「ミチシルベ」

 はい、良いサビですね。そう、「夢」「希望」がこの歌における、描いた地図における「ミチシルベ」なのです。
 そして、ここで2番サビを見てみましょう。

「忘れかけた 空の青さ うつむいた水辺に伸びる
鮮やかな可能性を映す ミチシルベ」

「ミチシルベ」

 おやおや?
 「空の青さ」
が出てきましたね。これもまた「ミチシルベ」ですが……

「昨日 見上げていた空も この 思い出の中で
気づかないうちに 知らないうちに 違う色になって」

「星をつなげて」

つながった~~~~~!!!!!

 そう、「夢」や「希望」には、移ろっていくものもあるし、ずっと変わらないものもあるんですよね!!!
 「星をつなげて」における「空の色」は時間と共に変わっていく「夢、希望」、「星」は変わらない「夢、希望」のメタファーである、という読み取り方ができます。
 移り変わっていく夢がたくさんあるけれど、その中にはずっと変わらない、いつまでも目印にできる夢がある。
 そしてこれらの「夢、希望」が二人の地図における「マーク・道標」である、という結論に至ります。


②失くなっちゃわない、消えない、褪せない

 さて、「星をつなげて」も「ミチシルベ」も、「別離」を想起させるような言葉がたくさん登場します。

「消えないように」
「どこか 遠く離れちゃう時も 寂しくならないように」
「きみに出会える 毎日が ずっと続くと良いな
「いつか 忘れちゃう日が来ても 失くなっちゃわないように」

「星をつなげて」

しまいかけた 夢の続き まだポケットで疼く希望」
「離れていても 思い出せる あたたかいキミの声」
「褪せないで 覚えてて みんなひとつだって事」

「ミチシルベ」

 「きみに出会える毎日がずっと続く」んじゃなく、「続くと良いな」なんですよ、つまりずっとは続かないことがわかっている、別離の可能性がちゃんとアタマの中にあるということなんですよね!!!
 というかよく考えたら「いつかきみと眺め地図」ですからね、過去形~~~~~~~!!!!!! 別離後でも成り立つ言い回しですよ。

 そして夢は「しまいかけ」だし、「まだ」希望が疼いてるってことは一度は鎮めようとした希望なんですよ、これ。
 二人の関係がずっと続かないものであると理解して、一度諦めようとした夢、希望があるってことじゃないですか~!!!

 でも、でも、空の色を忘れそうになっても、いつでも思い出すことができるんですよ。星の光はいつだってそこにあるから。忘れちゃっても失くなっちゃわない。離れ離れになっても星空を通して二人を繋いでいるんです。
 ずっと変わらない夢もここにあるから。離れていても、すぐにわかるし、「キミ」のことをすぐに思い出せる。褪せないし、覚えていられる。

ウワーーーッッッッ!!!
星~~~~~!!!!!!


③一緒に過ごした時間 大好きなの

 では、最初に述べた地図は何のための地図なのか、という話に戻ってきます。変わらない「星」「夢」を目印にした地図に描かれた、目的地はどこなのか?

「描いた地図は 行き止まりとか 全然無くて
ただ真っ直ぐ進むだけ ゴールテープは目の前」

「ミチシルベ」

 「夢」「希望」という、一見ゴールとも捉えられるものは、あくまで道標にしか過ぎません。夢を通過した先に到達するものは何か? 歌詞の中で相応しいと感じられる言葉は、「理想」「憧れ」ではないか、と考えられます。
 しかし。

「理想だとか 憧れより
キミと歩く明日がいいんだ」

「ミチシルベ」

 なんですよね~~~。
 夢を叶え、理想に到達することがことが最重要事項ではないんですよ。なぜならそれは二人で叶えなければならないものだから。

「きみに出会える 毎日が ずっと続くと良いな」

「星をつなげて」

 理想に辿り着くための道ではない、二人で一緒に歩むための道だから、迷子になっても寄り道してもいいのです。

「帰り道を 間違った時は
一緒に探そう」

「星をつなげて」

「寄り道だらけでもいいさ
あの日 約束した場所まで」

「ミチシルベ」

 そして、道標に従いながら地図を辿って叶えようとした「約束」というのは、「星をつなげて」の一番最初にありました。

「暗い空の 一等星なら
待ち合わせに ちょうど良いから」

「星をつなげて」

 約束とは、「待ち合わせ」。つまり、「再会」です。

 もちろん、その再会は一般的な意味での物理的な再会ではないかもしれないけれど。想いがふれあうことかもしれない。思い出との邂逅かもしれない。それでも。

 一度離れ離れになってしまって、二人で描いた夢を諦めたとしても。
 その夢を道標にして、別離を越えてまた巡り会って。
 そして、二人で一緒に理想を目指すための旅路を、共に進んでいくことができるのです。

は? エッモ!!!!!!!!!!


 いや、冒頭でも述べましたが、「星をつなげて」は1stアルバム 「Starry Story EP」の1曲目で、「ミチシルベ」は2ndアルバム「おやすみ おはよ」の最後の曲なんですよ。はじまりとおわりがまあるくつながってる~~~~!!! 綺麗すぎ!!!
 
 ラストライブのセトリ楽しみすぎる。ヤッベェ。

 今回紹介した他にもいろいろ対応している部分がありますが、割愛します。メモ置いとくんで拡大して見てください。


まとめ

 「星をつなげて」と「ミチシルベ」を同時に読み込むことで、「空」と「星」が「変わりゆく夢と希望」「変わらない夢と希望」のメタファーであると解釈され、以下の結論が得られる。

 二人が離れ離れになってしまっても、空の星=「移ろいゆく夢の中でも変わらない、二人で描いた夢と希望」は失われないし、忘れかけたとしても思い出せる。
 その夢と希望が二人で描いた地図の道標となって、再会する約束を果たし、別離を越えて、理想へと至る(帰る)道を共に進むことができるのだ。

 というわけで、残り短い期間ですが、みなさんGothic×Luckを応援しながら情緒をバグらせていきましょう。

 もう1回聴け。

ウワーーーーッッッッ!!!!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?