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まんだらけのレジ袋について調べてみた

 先日、都内某所のまんだらけ(漫画本やアニメグッズ等諸々を取り扱う中古ショップ)にて、2017年4月頃に発行されたであろうけものフレンズの未所持の同人誌を発見したので「買い!」と即決して入手しました。(怒涛のブームだったので、未だに存在を知らない同人誌が見つかるんですよね。怖い)

 レジで支払いをしたんですが、店員さんから「袋は有料ですがご利用になりますか?」の質問がなく、気づいたら本が既に袋に入っていたんですよね。そういえば、まんだらけではレジ袋が無料で貰えるんでした。梱包にも使える貴重なレジ袋だ、ありがたくいただきますぜ。

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 なぜ無料なのか? 理由はこちらです。

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 そう、バイオマスプラなんですね。バイオマス(特に植物)を原料として作られているプラスチックということです。

 政府の旗振りによりレジ袋が有料化され、意味があるだのないだの面倒くさいだのむしろ規制が足りないだの世論はごたついておりますが、例外的に有料化されていないプラスチック製の袋もあるんですね。上記の経産省のサイトより引用しますと、こちらの3種類。

①プラスチックのフィルムの厚さが50マイクロメートル以上のもの
繰り返し使用が可能であることから、プラスチック製買物袋の過剰な使用抑制に寄与するためです
②海洋生分解性プラスチックの配合率が100%のもの
微生物によって海洋で分解されるプラスチック製買物袋は、海洋プラスチックごみ問題対策に寄与するためです
③バイオマス素材の配合率が25%以上のもの
植物由来がCO2総量を変えない素材であり、地球温暖化対策に寄与するためです

 今回注目しているまんだらけのレジ袋は③に当てはまるものですね。

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 さて、「バイオマスプラNo.423」と書いてあるので調べてみましょう。検索検索。

 423番には、船場化成というメーカーのバイオSPBという製品が登録されているようです。再度検索検索。

 サトウキビ由来のバイオエタノールを原料としたポリエチレンを30%含んでいる高密度ポリエチレンのフィルムであるということがわかりました。

 日本国内の企業が作った環境に優しめのフィルムが流通し、実際に使われている、というのは良いことですね。


 しかしながら、バイオマスプラスチックにも色々と課題点があります。まず、原料にコストがかかる都合上、100%バイオマス製のプラスチックというものはほとんど普及していません。今回取り上げた袋も7割は石油由来でしょうし。
 それに、バイオマス由来だからといって必ずしも環境で分解するわけではありません。バイオマスポリエチレンに関しては、原料がなんだろうが組成は石油由来と同じで、炭素原子同士の結合がめちゃくちゃ強いポリエチレンなので、そりゃ分解しません。生分解性プラスチックとして有名なポリ乳酸も土中や海洋では分解しない、バイオPBSなんかは土では分解するが海洋はムリなど、種類によって分解できる条件は異なります。バイオマスプラスチック/生分解性プラスチックだからといって海に流出しても大丈夫、というわけではないんですね。


 オタクショップのレジ袋ひとつを題材にしても、このように環境云々素材云々で掘り下げることができるので、環境について考えるきっかけにしてみるのもアリかもしれませんね。
 だから、このような身近な物事を起点として環境について考えてみるのも一つの選択だと思います。

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