「気遣い」が「ホスピタリティ」になる瞬間

あなたは電車に乗っていて座っています。

座った時には空いていたのに、だんだん混んできました。

座席が一杯になり、ご年配の方もちらほらいて、

「そろそろ立とうかなー」

なんて思って、立ちあがり、開けたスペースに移動する。

ボンヤリ電車にゆられつつ、ふとさっき自分が座ってた所を見ると、

心地よさそうに座っている


ゴリゴリのマッチョ


いやいやいやいや、違うじゃん!

「ゴリゴリのマッチョ」じゃなくて!
その前に立っている「ヨレヨレのジッちゃん」に座ってほしいんじゃん!

なんて経験ありませんか?


気遣いできる人って、すごく謙虚な人が多いので、席を譲ったりする時にも

「わざわざ声をかけたりするのはなんか押し付けがましくて」
「アピールしているみたいで嫌」

って考えて物凄くさりげなく気遣いをしてくれます。

でも、そんな思いが時にうまく伝わらないこともあります。

「さりげなさ」ってカッコいいけど伝わらないと意味ないしなー
と悩んでいたのですが、先日正解を教えてくれたのがこちらです。

リッツカールトン

ホスピタリティの聖地、頂点、殿堂…

言葉は尽きないですが、ここでのサービスにヒントがありました。
(ちなみに弊社ではリッツカールトンのホスピタリティを手本として研修が組まれていたりします。)

リッツカールトンのサービスは最早口コミを超えて伝説になってたりしますが、僕も感動する体験がありました。

ホテルの宿泊者用のビーチがあるということをチェックインの時に聞いていたので、ふと行ってみようと思い立ち、
水着とガウンを着て【手ぶらで】フラフラっとフロントに行きました。

「ビーチに行きたいんですけど、どうすれば良いですか?」

「かしこまりました。送迎用の車をお呼びいたしますので、そちらに座ってお待ちください。」

と言われ、ふかふかのソファーで待機します。

待機している間に、「お迎えの時間はどうしましょうか?」

と聞かれたのですが、ケータイも時計も無し。

それを瞬時に察したスタッフさんは「今が16時15分ですので、例えば17時など時間を決めてお迎えにあがりましょうか?」

と提案してくださいました。

「あ、じゃあそれでお願いします!」

なんてやり取りをしているとピカピカの黒いアルファードが迎えに来てくれました。

すると乗り込む直前に、スタッフさんが大きめの紙袋を渡してくれました。

「もしよろしければ、こちらをお使いください。タオルと、ミネラルウォーターと日焼け止めが入っております。」

うわー!と思いました。

手ぶらなのを察して用意してくれたことへの感動が1つ。

そしてもう1つの感動は「確実に使って貰えるように説明まで欠かさなかったこと」に対するものでした。

必要そうなものを察して用意し、渡すだけでも凄いと思います。
不満は無いし、それだけでも十分嬉しいです。

ですが、スタッフさんは「渡して満足」ではなく、「必要なものを確実に使って貰えること」を目的として行動してくれました。

もし、説明なしで渡していた場合、日焼け止めやミネラルウォーターがタオルの陰に隠れてしまい、存在に気づいてもらえないこともあるわけです。

そうなるとせっかくの行為自体に意味が無くなってしまいます。
ホスピタリティとは言えず、単なる自己満足に陥ってしまう可能性もあります。

ここが「気遣い」と「ホスピタリティ」の分かれ目なんじゃ無いかと思いました。

自分の行動の目的を明確に周囲に伝え、自己満足で終わらせることなく、
相手の満足にまで必ず繋げる。

電車の例で言えば、
「良かったら、ここに座ってください。」とはっきり声をかけて、
「あなたに座って欲しいんですよ」と伝えることが、
その場の利益を最大化する「ホスピタリティ」なのかなと思います。

きっとゴリゴリのマッチョだって目の前でそうしたやり取りがあれば、
代わりに座ることも無いでしょうし、ヨレヨレのジッちゃんも座れるし、
気遣いをした自分も目的が達成されるわけですしね。

さすがリッツカールトン、恐るべし。と思いつつ、とてもリラックス出来ました。

クレジットカードの請求書を見るのが怖いので、そこへのホスピタリティも欲しいところですね…笑


結局何が言いたいかというと、

意図・目的を伝えることが、「自己アピール」や「押し付け」ではなく、
「全体の利益の最大化」なんだと思えれば、シャイな人も行動しやすくなると思います!

「気遣い」+「目的の説明」=「ホスピタリティ」

といったところでしょうか。

シャイで気の利く人は沢山いると思います。

その人たちのさりげない「気遣い」が「ホスピタリティ」になれば、
より良い社会に近づいて行くのかなーと思います。

リッツカールトン、是非行って見てください!

それでは!

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