「横断歩道の呪い」感想まとめ(『ブンガクフリマ 28ヨウ』掲載)
これは、2019年5月6日に発売された同人誌『ブンガクフリマ 28ヨウ』に掲載された、ぼくの超・短編小説である「横断歩道の呪い」にお寄せいただいた感想の声をまとめた記事です。
浅生鴨さん、燃え殻さん、SHARPの中の人こと山本隆博さん、そして僕の短編小説、田中泰延さんのまえがき、たらればさんの解説、そこにゴトウマサフミさんと熊谷菜生さんのイラストが載った同人誌です。
ぼくにとって大切な作品であり、いただいた感想のすべてが死ぬほど嬉しかったので、ちゃんとひとつの記事にまとめておこうと思った次第です。
お目通しいただき、もしもよろしければ、作品も読んでいただけると幸いです。もちろん、感想までいただけるようでしたら、それに勝る喜びはありません。
作品の主人公とともに、あなたを苦しめてきた「呪い」が解ける、そんなきっかけになればなとひっそりお祈りしています。
末吉 宏臣
末吉宏臣さん「横断歩道の呪い」。子どもと一緒に「しろ、しろ、しろ」とか言いながら横断歩道の白線だけを踏み渡ったり(うっかり踏み外したり)したことは少なからずあったし、今でも一人でそっとやってみたりもする。そんな親しみある情景から、不意にものすごい遠くまで連れて行かれてびっくりした。動揺しつつ、でも、生と死のあわいでこのような心のやりとりがあることは大いにありそうなことだなあと思った。最後に優しく穏やかなところに降ろしてもらって、ほっとした。(michio_onoさん「『ブンガクフリマ 28ヨウ』の感想など」より)
3話目の末吉宏臣さんはnoteもフォローしていて、この本ができるまでの事も見ていたので自分勝手に身近に感じていましたが、出てきた話がとんでもなく末吉節というのか優しさと心根の美しさとを兼ね備えたものだったので読後に「うへぇ」と思わず言っていました。(ひげすきーさん「ブンガクフリマ28ヨウ読了」 より)
3篇目は末吉宏臣さんの「呪い」という、ちょっと物騒な言葉の入った短編小説。途中まで読んで、私が想像したのは主人公の僕が、異世界へ転生して数々の試練に出会い、生き抜いていく中で、転生前の現在の暮らし、月曜の憂鬱、ずる休みの誘惑、さえも懐かしく思い出すという、アニメのような展開だった。
予想に反し、この物語は真正面からの優しい呪いを語ったお話だった。電車で読むとダメなタイプ。ふと、谷川俊太郎さんの「かないくん」を思い出す。絵本作家の祖父が、小学生の頃に亡くなった同級生のことを思い、絵本を書き始めたというお話。孫娘である主人公はラストで「始まった」と思う。
ひとの記憶だけの存在になったとき、それは始まりなのかも知れない。
この物語のエンディングも、はじまりなのかも知れないと思った。
絵本になると素敵だなと思ったお話。(ninokoさん「読後感想 横断歩道の呪い/末吉宏臣さん」より)
作品の主人公は、とんでもなく優しい人だと思う。文章には普段の生活は殆ど書かれていないけれど、優しさが滲み出てる。あまり人との交流は多くないだろうけど、きっと好かれている。笑顔はきっと素敵な人だ。
なんとなくストーリーは「そうくるかも」な展開が見えたけれど、電車の中だから泣くの耐えた。
きっと、あの時見つけた虫は、使者だったんだ。少し手荒い業かもしれないけれど、自分の為の時間を作る様に休憩させてくれる場所も提供してくれたんだと思う。物語が優しすぎる。そして末吉さんらしい。(恵美さん「【読書記録】「ブンガクフリマ 28ヨウ」」より)
ひさしぶりに執筆中のことを思い出し、みなさんからいただいた感想を読んでいて、書いてよかったなと心から思います。
ぼくの文章で、妻が涙したのは、いまのところ、これが最初で最後です。
なぜだか、このタイミングで、この感想を表に出さなければいけないと思い、公開することにしました。
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