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人生が変わり始めた「あの年」について語ろう。

2011年。ぼくの人生は、レールを変えて動き始めた。

忘れることができない東日本大震災が起こった年だ。

2011年3月11日、ぼくは出張で関西にいた。おかげで、体感覚的には被害はおろか、衝撃も少なかった。電話で家族の無事だけを確認して、止まった新幹線に乗れず、どこも満室ばかりの中からやっと取れたホテルへと戻る。テレビの画面に映し出される映像とナレーターの暗めの声のトーンだけが、起こったことの大きさを感じさせてくれた。

そこから、節電も意識したし、テレビではACのコマーシャルばっかりだし、仕事も取れにくくなるなどの余波は感じながらも、正直、ほんとうの実感は伴わないままに時間を過ごしていたと思う。そんな出来事から3ヶ月、運命を変える本と出会うことになる。もちろん、後になってわかったことだが。

「ユダヤ人大富豪の教え〜再びアメリカへ篇〜」という本田健さんの本が、それである。読んだ瞬間に、今まで読んだどの本にも感じなかった「なにか」をはっきりと感じた。そこから、とことん本田健さんから学ぶ日々が始まったのである。ときには本で、ときには直接、ときには仕事をご一緒しながら。

この本に書かれているのは、「人間関係の秘密」についてだ。人間は誰かと人間関係を持つと、4タイプのどこかに分類される、そして人間関係の関係性には、たったの2通りしかないと書かれていたのだ。そんなバカな、である。

しかし、読み終えてみると涙が止まらない。「あれあれあれ? ぼくが信じていたことって、ただ単にパターンにハマっていただけってことなのか?」人生の前提条件が一気に揺るがされたのだ。

ぼくの場合は、両親との関係性だった。「この関係っておかしいのかもしれない…」と気づいてしまった。目が覚めたと言ってもいい。マトリックスで赤だか青だかのカプセルを飲んで、真実を知ってしまった主人公のように。

そこからぼくは、旅に出た。

もちろん、インドにじゃない。両親との関係を見つめなおし、再構築する旅だ。日本で大ヒットした「家族という病」、海外のベストセラー「毒になる親〜一生苦しむ子供〜」などにも象徴されるが、両親との関係性は、恋愛やビジネスひいては生き方に対してプラスもマイナスも絶大な影響をもたらす。

知らず識らずのうちに、じぶんの人生を蝕んでいる可能性があるのだ。そんなこんなで始まった旅は、自分の内面や両親とネガティブな側面にも向き合う癒やしの旅と言ってもいいものだった。

6年が経ったいま。当時26歳だったぼくが、ドラえもんから借りたタイムマシーンで2017年にタイムスリップしてきたとしよう。柱のかげから、32歳のぼくの生活の一部始終を見たら、きっと信じないだろう。

「こんなの夢に決まってる。こんないい人生を送っているはずがない」と。働き方も収入も、パートナーシップも住んでいる場所も付き合っている仲間たちも、こころの内面の変わりようも、そして両親との関係も。まったくと言っていいほど、住む世界が変わってしまった。ほんとに、いい人生になった。

この一冊から生まれた物語は、まだまだ語りつくせない。いまもまだ、旅路の途中である。でも一つだけ、言えることがある。

ぼくは、世界は怖い場所だと思っていた。頑張らないと生きていけない場所だと。でも、両親との関係が変わり始めることによって、世界が優しくて、自由で、楽しい場所に思えてきたのだ、少しずつ少しずつ。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

「コンテンツ会議」初投稿ということで、いい緊張感で書けました。加藤さん、佐渡島さん、ステキな企画といい場所をありがとうございます。

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