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焦らなくてもいいよ。もっと、落ち着いて。

昨日は新宿。今日は永田町でしごと。まわりに目をやると、歩くスピードが速い。前を歩く人の後頭部を見ているか、うなだれるように足元を見ているか、スマホを見ているか。まわりに目を向けている人なんて、ほとんどゼロ。なんだか、みんな、すごく急いでいるみたいだ。

その数日まえは長崎県の島原にいた。いまになって思い出すと、歩くスピードは遅かった。流れる時間も1/2くらいだったように感じる。もちろん、感覚的なものだが。

そんなことを書いていたら、実家の長崎から大学に通うために東京に上京した十数年まえのことを思い出した。東京駅を初めて歩いた田舎者だったぼくは、行き先を迷ったり、まわりを眺める余裕もなかった。なぜなら、後ろから後ろから人が波のように押し寄せてきたからだ。ホテルに帰ってから、ぐったりと疲れが出たのを覚えている。

なぜ、そんなことを思い出したのかというと、糸井重里さんが主宰するほぼ日刊イトイ新聞におけるマガジンハウス『&Premium』編集長の柴崎信明さんとの対談企画「生活のたのしみってなんだろう?」の一節がきっかけ。そんなやり取りをご紹介するまえに、この企画の基となった「生活のたのしみ展」について軽く触れたいと思う。

「生活のたのしみ展」とは、2017年3月24日・25日・26日、金土日の3日間、東京・六本木ヒルズで開催するイベント。この日のためにあつめたものが買えるお店がならび、「食べてみたいなぁ!」と思うごはんが出る食堂があって、もちろん、ぶらぶら歩くだけでもたのしい、ちいさくて元気のいい商店街みたいな場所をつくろうという企画だ。説明はここまでにして、本題に戻そう。

糸井:
この人たち(出店者)には「いい意味で失敗すると思うけどね」って、いまからもう言おうかと思います。おそらく稼がない人も出てくると思いますよ。

もちろん稼がないことを目的にするわけじゃないんだけど、「あ、これは通じないんだ」とかね、山ほど出てくると思うんです。だからと言って稼ぐことだけを目的にして「落ち着き」をなくしたらうまくいかないと思うんです。

世の中には落ち着きさえすればうまくいくことが、山ほどあるんですよね。

落ち着いてなかったからうまくいかなかったんだな、ってことは、自分も振り返れば山ほどあります。いまは「誰よりも、早くやれ!」ばかり聞こえてくるから、みんなが共倒れしてしまう。

芝崎:
その「早さ」の逆を行く感じが「生活のたのしみ展」にあるように感じます。作ること自体大変だろうな、時間がかかるんだろうなというもののほうが、同じ機能があったとしても、使っていて嬉しいんですよね。

今の時代、立ち止まってじっくり考える暇も、まわりをゆったりと見回す暇もない。親や上司なのか、世の中の空気なのか、自分の中の心の声なのか、いつも誰か何かから追い立てられているような気がする。少なくとも、ぼくはそうだと思う。

そうして、ほんとうに大切なことが、いつか、どこかに置き去りにされている気もする。「じぶんは誰なのか?」、「ほんとうの本当は、なにが好きなのか?」そんな問いは、青くさくて無駄だと邪魔者扱いされることもある。

だからこそ、

もっと地に足をつけて生活を送りたい。
もっと腰を据えてしごとに取り組みたい。

たとえばぼくにとって「落ち着く」ことは、正直お金にはならないけど産み落とした『ライフワーク新聞』を『ライフワーク新聞』らしい大人に育てることだ。やっぱりどうしても、浮き足立って、目先の条件のいいしごとにばっかりに時間もエネルギーも使いがちになる。「だって、怖いじゃん」と、不安に震えてるじぶんが、心の奥底にいるから。

そんな弱気でビビリなじぶんにもやさしくしながらも、「これを単なるスローガンにしちゃダメだ」なんてことを、書きながらじぶんに戒めている。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
「コンテンツ会議」もはやくも4回目なんですね。こんなまとめページ「「#コンテンツ会議」を公式イベント化します!*2017年2月28日」も作られていて、気分があがります。

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