私的美文ブログ紹介

私はブログが好きです。
んもぉ〜〜う超好きです。

好き故に自分でブログを始めたりもしたけど、やっぱり読むのが圧倒的に好きです。全然続きませんもん書くの。

私が本や雑誌などで文章を読む時、私は多分そこに自分の中にはない何かを求めています。場合によって、それが知識であったり、物語だったり未経験の激情だったり。

その中でも特にブログが私に与えてくれるものは、大きく三つあります。

①偏見
②抽象概念の輪郭
③語彙表現


①偏見

大抵のブログは、あくまでも一個人が好き勝手に書き綴ったもので、多くの人間が関わっていないです。だからこそ、その人が思う純粋な世界解釈をそこに見ることができるなあと感じます。

人と話していて、そこまで深い話をできることってあんまりないです。
凄い身近な人とかだとできるけど、そういう人って少なからず自分と価値観を共有してるから、びっくりするような考え方って意外と出てこない。もちろん、たま〜にびっくりするような新発見はありますけど。

会ったこともない人の思考の構造を少しでも覗けるところがブログのいいところです。

②抽象概念の輪郭

有名ライターや人気ブロガーともなれば、ブログを通して誰もがなんとな〜く思っていることをバチっと言語化して概念としての輪郭を与えてくれます。

え?ここにこんな図形あったっけ?さっきまで私の中でこの空間何もなかったんだけど?ってとこにボコボコ新しい概念を置いていってくれます。
もうこの気持ち良さったらないです。


③語彙表現

ブログの一番たまらないところが、筆者独特の語彙表現を堪能できるところです。

インターネットにひしめくテキストのほとんどは、すこぶる質が悪いです。死ぬほど退屈。
画一化された構成、凡俗なフレーズ、無個性な語彙選択。もういっそのこと箇条書きで良し。

こんな文章ばかり読んでいたら、全日本人が、この世に存在する言葉の1%にも満たない領域で会話するようになってしまいます!!!!(現状を知りませんが)

言葉によって思考が成される故、言語能力の低下はそのまま思考力の低下を招き、日本人は退化の一途を辿る。そうして有効な語彙はみるみる減少し、最終的には「ウホ」が意思疎通の全てを担うようになる。手足からは濃ゆい毛が生え、目は窪み、鼻の穴が肥大化し、バナナを貪り食うようになる。


ゴリラだ。

このままだと日本人はゴリラになります。
少子高齢化とかまだましに思えてきます。みんなゴリラになるんですから。日本人という種がこの世から消えます。


そんなの、私は嫌です。

一名古屋人として東山動物園を牽引する人気ゴリラ、シャバーニさんには敬意を払っていますが、私自身がゴリラになるのは御免です。


ということで、日本が一億総ゴリラ社会になっていまうのを防ぐべく、良質でユーモラスな文章を更新し続けてくれる私のお気に入りブログをここにまとめま〜〜す!!


①ヒラギノ游ゴ さん


言語化されていない抽象概念に輪郭を与えてくれるという点で、このブログは最高級です。
特に「笑い」についての洞察の鋭さと深さがすごい。おそらく世界一です。

↓これとか


どうです?興奮しません?

加えてその革新的な概念の説明を、わかりやすく、独特な筆跡で伝えてくれます。

今ジョークを言ったぞというわかりやすい抑揚をつけず、明確な笑いの山場を設けないスタイルは、当時のお笑いシーンにおいて新鮮なものであり、裏を返せば、「おもしろいもの」として認識されていなかった。
彼は放送業界の倫理観の成熟に合わせて、自身の感覚を着実にアップデートしてきているのだ。
大喜利のお題の攻略パターンや出演者同士のプロの駆け引きを視聴者に解説することで、視聴体験が一気に立体的になる。このことが単純な大喜利番組と一線を画す要因になっている。

え〜〜〜…なんて文章…
これも松本人志の笑いについての記事からの引用なんですけど、すごく面白い。
的確な言葉だけを選び過不足なく書かれた文章。しかも構成がわかりやすくて文を読むストレスがゼロ。内容はそこまで簡単なことではないのにわかりやす過ぎて頭を使わなくても文字を追っていれば理解できる。多分小一でもイケる。いや無理かも。

読むたびに「これを、さも自分が考えたかのように人に言いふらしたい!」という衝動に駆られます。し、実際にやってます。皆さんも是非。

Twitterも面白いです。


②もはや日記とかそういう次元ではない

さっきのブログとはうって変わって、こちらは不的確な言葉だけを選んで書かれています。しかしその不的確さが癖になる。
また、不適切な言葉も多いです。内容の9割は下ネタ。

例えば「今宵、関東平野で最も「暇」な人間は、間違いなくワタクシ」という記事では、そのタイトルからまずおかしい。(この人のブログはほとんどタイトルからおかしいですが)
あるグループの中で自分が最も暇だと言おうとする人で「関東平野」という単位を選ぶ人間は、恐らくこの人だけだろう。普通なら「この世」とか「日本」とか「東京」とかって言う。

でも内容は素晴らしいです。「暇」であるという一つのテーマから人はこれだけのストーリーを生み出すことができるのかと感動します。
最後の一行を読み終えた時、あなたの頬は涙で濡れていることでしょう。

何と言っても構成がすごいんですよ。自由過ぎます。
さっきの関東平野のくだりも、途中で自分で突っ込むんですよ。

というか、この「関東平野において」という謎のくくりは何なのか。これこそが暇人の左証だろう。「関東平野において」などという枠組みは聞いたことがない。暇人だ。暇人の思考だ。暇な人間というのは、得てして平野単位で物事を考え始めるのだ。

ここから、平野単位で考える人についての話題が続きますから。
「え?暇ってことについて話してたんじゃないの?関東平野?足柄平野?と…十勝平野…?!」ってなります。
でもいちいちそんなこと気にしてたら置いてかれます、彼に。何も考えず、ただ背中を見つめて追いかければいいんです。


ていうか、フルネーム漢字で名前を設定する所にまず狂気性を感じます。
この方、私の知る限りでははてなブログ界に突如現れた風雲児って感じでそれまでライターやってたりしたわけじゃないんですけど、それでいきなりハンドルネームじゃなくて(多分)本名フルネームでスタートを切るあたり、凡人には理解できない超越した思想を持っていると思うんですよね。


全ておすすめ記事ですが私的なお気に入りはこちらです。


③kansou


かんそうさんによるkansouというブログです。
このブログは文章のリズムが凄くいいです。軽快でキャッチーで…音楽でも聞いているのかと錯覚してしまうほどです。

サブカルチャーについての造形が深く、音楽や映画、テレビについての感想の記事が多いのですが、そのテーマの偏り具合が面白いです。
「日記」とか「音楽」とか一般的なものもあれば、「ポルノグラフィティ」とか「吉岡里帆」とかの極ピンポイントなものまでカテゴリとして存在します。

ポルノグラフィティはわかるんですけど吉岡里帆でカテゴリを作る所に並々ならぬ愛を感じますよね。13個もこのカテゴリで記事ありますし。

あと「悪口」っていうカテゴリで61個も記事があります。
これが面白いんですよ。悪口までポップに表現するんで、もうそれに共感できてもできなくても面白い。共感できなくても面白い悪口って凄くないですか?

悪口のカテゴリの記事は全部お気に入りですが、一際リズム感が輝く記事がこちらです。

かんそうさんが織りなす言葉の旋律を、是非ご堪能ください。



以上が私的美文ブログでした。
有名なものばかりなので既に読んだことがあったかもしれませんが、知らなかった方は全て熟読し私と推しエントリについて語り合いましょう。


(本当はもっと色々好きなブログがあるんですけど、私の集中力ではこれ以上長い記事がかけないので続きはまた新しいの書くかここに追記します。)