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4-3*世代を超えて歌でコミュニケーションするために| 4章 都会の生活で感じた現代の問題点ーなぜ現代ではスナックのカラオケでコミュニケーションができないのか|ニューロマン都会編

世代を超えて歌でコミュニケーションをするために、私は作品を通して三つのアプローチを行なっている。

一つめは、スナックという入りにくい場所をオープンにする試みだ。

2013年に制作した「まぼろし屋台」は、移動式スナックである。しかし飲食物を販売している訳では無い。売っているのは高度経済成長期のまぼろしだ。もちろん、お代もまぼろしで構わない。ポータブルレコードプレイヤーで歌謡曲を流し、そこに集まってきた人とのコミュニケーションを生むことを目的としている。

二つ目は、現代の生活にあった新しい歌謡曲を作る試みだ。私は2013年より作品の一部としてご当地ソングを作詞作曲して歌っている。愛知県名古屋市の「長者町ブルース」「長者町音頭」、香川県坂出市の「醤油ひとすじ」、兵庫県神戸市の「六甲山は泣いている」などだ。

三つめは、流行歌の中に日本の伝統的な要素が継承されていた高度成長期に習い、日本の風土に合う生活を提案することだ。
歌は世につれ、世は歌につれというが、まさにその通りで流行歌は時代を映す鏡である。日本の風土に合う生活を望む人が増えれば日本的な音楽を求める人も増えるだろう。

時代を変えることはとても一人の力でできることではないが、制作活動を通して国内外に仲間を増やし、新しいムーブメントを作って現代に提案していきたいと考えている。

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