愛するということ。

前の彼氏とは職場内恋愛だった。

きっかけは、向かいの課の上司から、いい人だから二人で会ってみて。でも嫌なら断っていいからね。と言われて、デートに行ったことだった。

全く接点がなかったわけではなくて、研修の課題でもお世話になったことがある人だったから、親切な人だなぁとは思っていた。

でも、建物も別だったし、年齢もそんなに近くなかったから、あまり知らない、という距離感だった。

(念のため付け加えておくが、うちの職場が田舎の中の田舎でも、上司のすすめでデートしたのはこれが最初で最後である。)

付き合っていて、嫌な思いをしたことがなかった。

本当に細やかに気を遣ってくれる人だった。

穏やかで安心して、一緒にいると眠くなって、ドライブ中私はいつも寝ていた。

私の身勝手で別れてしまったけど、少しも嫌いになったわけではないので、結婚しても、子どもが生まれても、心から祝福できた。


その彼の元カノという方も実は職場内にいて、同じ係になったことがある。

ちょうど付き合ってるタイミングだったから、その方は嫌だっただろうな、と思う。苦笑

前の彼氏は過去の恋愛を絶対に話そうとしなかった。

きっと嫌われるし、別れることになるかも、と言われて、よし聞こう、とは思わなかった。過去のことより今私を大切にしてくれていることの方がずっと大事だと思ったから。

元カノさんは美人でお洒落で、性格もさっぱりしていて、仕事もできて、上司から可愛がられ、後輩にも愛されて、みたいな人だった。

私も単純に対抗する気も起きなかったし、その方も私に対して嫌な態度を取ったこともなかった。(嫉妬はある程度レベルが近いからすることで、ここまで差があると嫉妬なんてするわけがない。)

なのでごく普通に同僚として仕事をしていたのだが、なんとなく元彼(そのときは彼氏)に似ているんだよね。

行動とか外見とか、単純に目に見える何か、ではなくて、もとにある思想というか。

仲の良い恋人や夫婦が自然と通じ合っているみたいに。誰から見てもお似合いだなぁと思うみたいに。あぁ、この人たちは付き合っていたんだな、と思う程度には似ていた。

きっと、お互いに愛していると、魂が似てくるのだと思う。相手を求めて。

もしくは魂が似ているから、お互いに惹かれるのかな。


それともうひとつ、私が漠然と考えているのは、恋愛や結婚は、二人でひとつの世界を作ることだという事。

自分の思う世界を、二人で分担して作るのだ。

だから、優しすぎる人といる時、自分は厳しさをその人の分も持つことになるし、

怒りすぎる人といる時、自分は穏やかで宥める役を引き受けることになる。

その役割が気に入らないときは、あまり相性が良くないのかもしれない。


最近頭でばかり恋愛を考えていたけど、心でするものだよなぁ、とふと思ったのでした。

#日記 #恋愛 #エッセイ #愛