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どこの誰のかも知らないごく個人的な日記が私を救うこともあるように

何の役にも立たないような私の日記が誰かを救うこともあるのかもしれない(し、やっぱり何の役にも立たないかもしれない)。


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私は呪われていると思う。

誰に?

あの人に。


期待させて、散々待たせた挙句、

結局私を捨てたあの人に。

ぼろぼろになった私に、

「出来ることは何もない」

と言ったあの人に。

私のことは忘れて、きっと幸せに暮らしているあの人に。


酷いことをされたと思うし、最低な人だとも思うのに、

会うときっと許してしまう。

だからもう会えない。

許してはいけない。

私を大切に思う人たちを傷付けるから。

私はあの人のために傷付いていけない。


今は他の人と付き合っている。

優しい人だと思う。

それなのに心が満たされない。

心に穴が空いていて、そこから注いでくれている愛情が漏れているみたいだ。


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失恋して相手を忘れられないとき、それは相手が好きだからじゃなくて、相手といたときの幸せな気持ちが忘れられないだけだと聞いたことがある。

たぶんそうなんだろうな、と思う。

あんなに苦しい悲しい思いをして、それでも好きなのかと聞かれると、よく分からない。

きっと、あの人が好き、とはもう言えない。

でも、あの人といたときに感じた、ひとりでいる時より自分が素直に生きられる感覚。

安心して、誰かに心を許せる感覚。

誰かと死ぬまで一緒に生きたいと思った感覚。

どうしてもこの人が好きだと思った感覚。

この人の目に映る世界を共有したいという気持ち。

真っ直ぐで優しくて不器用で、繊細なあの人と一緒にいたかった気持ち。

そんな風に人を好きになった気持ちを簡単には捨てられなかった。

その本人から見放されても。


忘れられないのは、あの人を好きだったときの自分が忘れられないだけなのかもしれない。

自分の気持ちだけで相手に執着するのは、怖いことだと思う。

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あの人は、私との間にあったことに後悔はしていない、と言ったけど、

私は後悔しかしていない、と言った。

たくさん非難したし、人格を否定するようなことも言った。

嫌われて当然だと思う。事実として、相手が間違っていたとしても。

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時間が経って、今は思う。

生きていて、人を好きになることなんてそんなにないんだって。

世界で一番好きな人と、一瞬でもきっと心が通じたなら、それは幸せだったんだって。

たとえ、付き合ったり、結婚したりできなくても。

私にとってあの人は、一番好きな芸能人よりも、親よりも家族よりも好きだったから、

本当に本当に、奇跡みたいだったんだと思う。

それが、本当の愛だったかなんて私には確かめようもないけど。


私に今できることは、あの人が幸せでいてくれることを願うことと、

自分がちゃんと幸せになって、あの人をもう恨まなくていいようにすることだけなんだと思う。