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魂のおきどころ


所用で松本に来たついでに、リニューアルした松本市立美術館に行ってきました。
お目当ては、「草間弥生 たましいのおきどころ」
松本は草間弥生さんの故郷。コレクション展では常設にて草間さんの過去から現在の歴史をたどる作品を鑑賞できるという、とっても贅沢な空間なのです。

美術館のエントランスから、草間さんのオブジェが出迎えてくれます。

コレクションのある3階には、松本にゆかりのあるのアーティストの部屋が左右に2つ。その反対側に草間さんのコレクション部屋があります。

エントランスを入ると、迎えてくれるのがぎんいろにうごめく(実際には動かない)オブジェ、数とユニークな形でいきなり草間ワールドに引き込まれます。
次は何があるんだろう?とドキドキしながら進んでいく。シャンデリアの煌めく空間があったり、薄暗い暗闇を足元を気をつけながらたどり着く部屋もある。暗闇の中にある鏡を覗き込むと下へ下へとつづく色鮮やかな梯子、上を見上げると上へと続いていく梯子。きっとどちらも天国で、上だから下だからということはないのだと思う。



20秒の間、草間弥生さんが描く世界を独り占めすることができる部屋もある。
今日このためだけにここにきた、これでよかったと思う瞬間でした。
ロープによる誘導の列を用意していたのでここは混み合うんだろうな。ほんの少しだけ待ち、部屋に誘導してもらいました。この美しい光景は魂を込めて創作されたもの。目に焼き付けておきたいです。

最後の部屋は、黄色いカボチャが主役。2017年に制作されたカボチャか部屋の中央に、そして壁一面カボチャの水玉に囲まれれている。唯一この部屋でのみ撮影OKでした。2017年というと新国立美術館で草間さんの大規模な展覧会が開かれた年と重なる。

一つの部屋が終わると次は何?、と小さな矢印が一つ壁に表示されていてその通りに歩く(しかない)、ワクワクしたり、物語の中に突然放り込まれたような気持ちになります。
なぜこれほどな惹きつけられるのでしょう。


草間さん自身がこのコレクション展のために並々ならないエネルギーを費やされたそうです。生まれ故郷に、自身のアートが後世に生きる人々の生きる力となるように祈りを込めて作られたのだとおもいます。
400円でこのコレクションが見られるなんて、なんて贅沢な空間なんだろう。

リニューアルしたミュージアムショップも、美術館の奥まったところにあるカフェも素敵な場所になっていますよ。

信州を訪ねるときに、寄り道するとっておきの場所がまた一つ増えました。


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