ソヨゴ

自サイトで連載している小説のセルフ二次創作などを中心に、雑多に文章を投げていく予定。今のところ無料記事しかありませんが、そのうち有料記事も増えるかも。サポートは何円からでもお気軽に! 励みになります。

ある冬の日

FANBOXに投稿した小話です。字数に比べて割高ですが読みたい方向け。
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 金髪で高身長の、体格のよい男性に出会うと、ついつい目で追ってしまう。友人にはなんて趣味が俗っぽいのかと呆れられ、また自分自身そのように恥じ入る節もあったのだが、ふと、これは単なる自分の好みではなく、幼い頃の思い出に影響された結果であることを発見し、少々ほっとした。誰しも人格形成以前に受けた衝撃からは逃れ難く

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男爵家五男の気鬱な一日

普段の自分なら、こんな時にどう振る舞うだろう。着なれないタキシードのきつい首周りに手を遣って、エドワードは思案する。まず後部座席へ乗り込むと同時にコートを脱ぎながらこう話しかける、やあどうも、君もご苦労様だね、こんないい天気の日には公園のベンチに座って焼きたてのベーグルなんかを頬張ってるのが一番いいよ、いけ好かない金髪男の送迎なんざやめにしてさ。かく言う僕も向かう先には全くなんの関心もなくて、いま

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俤 -something close-

同人誌『蝶の翅はなぜ青いか』収録作品。

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 彼は男性と寝るときは、必ず知らない土地へ来た。毎朝使う地下鉄の定期券外に降り立って、道ゆく人誰も彼を知らない彼も知らないそんな場所へいく。ときには親ほども歳の離れた相手にコーヒーを奢ってもらい、ほんとうはあまり好きではないその苦いコーヒーを舐めながら、話を聞いて、そしてホテルへ向かう。彼は別に金に困

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繋ぐ -caged in-

同人誌『蝶の翅はなぜ青いか』収録作品。

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 昔観た映画に、自殺志願者の、若い女が出てくるのがあって、その女の部屋には空が見えないからと空の写真が至る所に貼ってあった、上手く言えないが、彼女はそれをすごくいいと感じて自分の部屋の天井と壁にも同じように空を作った。天井にはプロジェクターで画像を、壁には何枚か絵を飾り、それから部屋中に大小さまざまの

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