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【エルカレー出張所】報告書

■はじめに

これは先日、カレーエンジニアを名乗るぼくが神田某所で実施した「#エルカレー出張所」という一日カレー屋企画の報告書です。

ちなみに、今回の企画はお試しで「人生で一回くらいカレー屋をやってみたい!!」という欲求メインでやったので、ぶっちゃけ採算とかはロクに考えずにやりました。
しかも、カレーの売上をシンプルにお店とぼくとで単純折半するという事にしています。
ので、ぶっちゃけぼく個人としての実入りはアレでして、労いに缶コーヒーを奢るくらいの気持ちでこの有料noteを購入して貰えればと思います。
(なお、次回企画は今の所まったくの未定ですが、このnoteの売れ行き次第で次回企画へのモチベーションとカレーの材料費が あっぷっぷー↑↑ します)

■おしながき

この報告書は、以下の構成になっています。
① 企画概要・結果報告
② ひとり反省会
③ 巻末付録:エルカレーのつくりかた

企画当日、場所的な都合や用事などの関係で「行きたかったけど来れなかったよ!!」と言う声もTwitterで幾つか頂きましたので、今回のカレー企画で作ったカレーの材料・レシピと、カレー作りのコツなんかを巻末付録として載っけておきます。
「当日来れなかった! 次回企画はいつになるか解らない! でも噂のエルカレーを食べたいズォ!」という方は是非ともお手製エルカレーづくりに挑戦してみてください。

■報告書

①企画概要・結果報告

ひょんな事から協賛して頂き、普段店でやっている金曜日定例のカレーメニュー枠を使って、ぼくの作るエルカレーを提供させて貰える事になりました。
一応、形としては「普段出しているカレーメニューの外注」という感じで、ぼくは「カレー作りの業務委託を請けた」という形を取りました。

事前に2度ほど打ち合わせを行い、日取りは 7/12(金) に確定。
ぼくは前日の 7/11(木) の通常営業終了後にカレーの仕込みを開始し、半日ほど寝かせてから翌金曜日の通常営業(18時~24時)内でカレーの提供を行う、という予定になりました。
(最近流行りの、お店のやっていない平日昼間に店舗をまるっと借りて別な店をやるスタイルではなく、あくまでお店の通常営業内でのカレーメニューをぼくが作る、と言う形。
ぼくはお店の人手やなんかを普通に借りられるし、お店側としても管理外の時間に他の人に貸すリスクがなかったりして、お互いにやり易いって話になりました)

企画前日。
11日PM24:00頃、材料を各所で買い揃えてお店へGO。
調理場を借りてカレー作りを開始しました。
詳しくは「ひとり反省会」の方で書こうと思いますが、このとき色々と段取りミスや不運が重なったりして、材料の買い出しまわりでちょっとロスが発生して、何度かハナマサダッシュ決める事になりました。
その後、AM3:00頃。
一通りベースとなる野菜スープが形になり、肉を炒めて投入後、ひと煮込みしてから各種スパイス・カレールゥを投入。
AM3:00頃に火を止めて寝かせる段階に漕ぎ着きました。

企画当日の朝。
本業での連日仕事で疲れていたぼくは、カレー作りで疲れたので明け方の電車で一時帰宅。
夜に備えて睡眠をとり、その後、ごはんを連続炊飯するために私財をなげうって(笑)炊飯器を購入すると言う最後にして最大のミッションに向けて動き出すのでした。

企画当日の夜。
PM17:00頃、購入した炊飯器を抱えてお店にやってきて、寝かしていたカレーに火を通しつつ、早速ご飯を炊き始めます。
そして、彩りのためのカイワレダイコン先生を購入するため、再びハナマサダッシュするぼく。
前日に買って置いといたらしおしおになっちゃいそうだしね、直前に買いに行く事にしました。
(お陰でぼくは10分ほど開店時間に遅刻しました。
薬局に寄ってビタミン剤とギャツビー買ってたからね、仕方ないね。)

そして開店時間。
直後はそんなでもなかったんですが、10~20分くらいした頃から徐々に人が集まり初め、30分経過したあたりから本格的に忙しくなりました。
1時間経過時点でだいぶ忙しくなり、カレーの提供・洗い物・炊飯器の管理でてんやわんや状態。
2時間経過時点でカレーの残量が2~3割になり、忙しさの合間を縫ってTwitterで状況をお知らせ。

更にこの後、3時間経過を待たずに完売宣言。

正直言うと、全然お客さんが来なくて、ナベにいっぱい作ったカレーが半分以上残っちゃうような事になったらどうしよう、、、そうなったら冷凍して持ち帰って三連休泣きながらひとりでカレー祭りを開催するという極めて悲しい事になっちゃうね、、、。
と、内心不安でドキがムネムネしてたんですが、蓋を開けてみると営業時間の半分を待たずに完売と相成りました。

ご来店頂いた皆様、Twitterで情報拡散に協力頂いた皆様、(場所や時間の都合で)行けないけど行きたーいって言ってくれた皆様、この場を借りてお礼申し上げます。

②ひとり反省会

ということで、ここからは #エルカレー出張所 企画に於ける裏話を交えつつ反省会をやろうと思います。

◆まいばすけっとはダメだ、ものすごくダメだ◆
最初、駅からも現場からも近いということで、まいばすけっとに寄って野菜やカレールゥ、一部スパイスなどを買い込んだんですよ。
で、いざ調理を始めたんですが、困ったことに玉ねぎが半数くらい傷んでたんですよね。
結局、購入した玉ねぎは厳選して良さそうなやつだけ生かし他は全部廃棄しちゃいました。
もうね、とてもじゃないけどあんなモン人様に食わせるような代物じゃないっていうね。
向上既成品のカレールゥやなんかは問題ないとして、玉ねぎの品質はちょっと残念極まるものでした。
その後、仕方ないので足りなくなった玉ねぎを求めて、少し遠くのハナマサまでダッシュしました。
ちなみに神田にハナマサがあるのは知ってたんですが、何気に店舗が移転してて軽く絶望しかけましたからね。
まぁ、最悪の場合タクシーでも捕まえて東京駅八重洲口方面に向かって京橋の方のハナマサを攻めるつもりだったんですが、軽く焦りました。

この辺は、事前にもっと周辺店舗の下見と、商品の品質調査をきちんとやっておくべきだったというのが反省点ですね。

◆ニンジンが固くて苦戦しました◆
これも上記に似てるんですが、いつもぼくが西友で買ってる食材とモノが違うので、野菜の茹で上がり加減とかに違和感があったんですよね。
言うて玉ねぎは流石に大差なかったんで良い(ちなみにハナマサの玉ねぎはとても良いものでした)んですが、問題はニンジン、すっげぇ硬いでやんの。
いつもなら小一時間下茹でしてやれば、多少固いなりにもフォークでマッシュ出来るくらいになるんですが、今回使ったニンジンは何か知らんけどめがっさ固くてとても潰せる状態じゃなかったんですよ。
はい、煮込み時間追加。
コイツのせいでめっちゃ時間食ったんですよねぇ、、、。

理想を言えば、使い慣れている材料で安定した品質のものを作るべきなので、極論、全部国分寺で仕入れて持って行ければよかったんですが、流石にそういう訳にも行かず。
というか、同じ東京都内でここまで売ってる野菜の品質に差があるとは思ってなかったって言うのが正直な所。

この辺はあれですね、肝心の材料の仕入れルートを良く考えてなかったのが反省点ですね。

◆きちんと量を決めてなかった◆
当初、メニューはとりあえず「ミニ」「ふつう」「大盛り」の3種類用意しよう、と言うところまでは決まっていたんですが。
実際に盛り付ける段階で初めて気づいたのが「そもそも普通サイズすら量をきちんと決めてなかった」という大問題。
こんなんじゃbiim兄貴のガバプレイを笑えないよー。(某RTA動画兄貴ネタ)

ということで急遽、独断により量を決定しました。
ちょうど、お店のカレー皿が大中の2種類あったので、それ基準でなんとなく決めました。
本当はこれも、きちんとやるならグラム数を決めてメニューに明記するまでやるべきだったなぁと思ったものの、時既に遅し。
目測ベースでブレが出てしまうものの、お皿に対する相対面積目安で盛り付け方を決めて、出来るだけ一定に盛れるように注意しました。

今にして思えば、見栄えの工夫も兼ねて、大中小の器を用意しといてそれに一旦ごはん盛ってからカレー皿にドン、ってやった方が良かったですね。
量の決定と再現性確保をきちんとできなかったのが反省点ですね。
次回があれば、ごはん計量盛り付け作戦にしましょう、見栄えも良くなるし。

◆カイワレめっちゃ余っちゃった◆
彩り要素で買って来たカイワレ先生、安かったのと、カイワレ切れたからってダッシュで買い直しに行くのが嫌だったのでちょっと多めに買っておいたんですが。
流石に調子に乗って買い過ぎた模様。
普通に半分くらい未開封で余っちゃったし、開封したぶんも全部使い切れなかったし、なんかもう色々とダメダメだぁ。
とは言え、新しく開封してザクザク切って、、、って作業を逐一やってる余裕は実際なかったので、事前に多めに水洗いしてザク切りしてボウルに準備しておいたのは凄く良かったと思う、うん。

この辺の匙加減とかは、きちんと経験積んで感覚掴まないと無理だよねぇ、、、。

◆ごはんの炊飯ループと品質の維持◆
お店にもともとあった炊飯器と、今回この企画のためにぼくが購入した炊飯器、2台の炊飯器を入れ替えながらごはんを供給してたんです。
というよりは、しようとしてたんです、が正しいかもしれないですね。

当初思っていた以上にカレーを食べに来てくれたお客さんが多くて、炊いたごはんの消費ペースが想定以上だったのがまずひとつ。
そして、現場の下見不足・確認不足だったんですが、コンセントが既に埋まっていて2台の炊飯器を同時に稼働させられなかったのがもうひとつ。

結果として、きちんと炊飯器を同時稼働させることが出来ず、ごはんの供給待ちを生み、せっかく食べに来てくれたお客さんを待たせる事も何度かありました。
途中から消費ペースが想定以上なので「保温モード必要ねぇなこれ」って事に気づいて、炊きあがったらもうコンセントぶち抜いて、待機してたもう片方の炊飯器を繋ぎコメを洗って炊飯開始して次に備える。
という、スワップ作戦による擬似同時稼働を行う事でなんとか乗り切りました。

また、お店に元々ある炊飯器と、新しく買ってきた炊飯器、モノが違うせいで水加減にもちょっと差をつける必要がありました。
(新しい炊飯器の方を基準にすると、お店の炊飯器の方が少しゆるく炊きあがってたので、2回目からは水を気持ち減らすなど微調整してました)

事前のリハーサル不足、と言ってしまえばそれまでですが、じゃあ「仮に事前にリハーサルしようとしたとして現実に出来たか?」と考えると、現実的には難しいですよね。
無駄にごはんだけ炊いて、それ、どうするの? っていう話になりますし。

逆に、このために炊飯器を購入してきたからこそスワップ作戦による炊飯器ループが決まって、多少バタバタしたものの何とかオーダーを捌き切れたと言えなくもない。

そういう意味では、反省は反省だけど、良い点も十分にあったかなと思ってます。

◆思ったよりも疲れるんだよォ◆
完全に甘く見てた、と言えばもうそれまでなんですけど。
ずーっと立ちっぱなしの仕事って大変ですね!!
ぼくはカレーエンジニアで、普段は案件先(お客さんの所)に行って開発してるか、若しくは自宅にいてリモートで作業してるかのどっちかなんですが。
どっちにしても、エアコンの効いた室内で椅子に座りながら缶コーヒー片手にキーボード叩いてるんですよね。
まず厨房にエアコンなんぞないし、椅子に座らず立ち仕事で、缶コーヒーこそ片手にしてましたが洗い物・カレーの盛り付け・炊飯作業(コメ洗い)と、とにかく動き回ってましたね。
運動不足のえんじにゃーには厳しい仕事でした、足が棒になりました。
しかも、なんだかんだ言って開店3時間後にはカレー完売してたんで、実際3時間弱しかフルで動いてなかった筈なんですが、、、。
それに比べると飲食が本業の方ってマジ凄いですよね。
定食屋さんやカフェをやってる方が知り合いにいるんですが、立ち仕事ってすげーなーって痛感しました。

◆作業余力なんてなかった◆
実は。
これは普段家でカレーを作る時もやってることなんですが、一回カレーを作って一晩寝かせて完成したカレーですが、その後更にあめたまを作って追加投入する「継ぎ足し」をしてるんです。

今回も、予想以上にカレーが出たら途中で継ぎ足しをやろうと思ってたんですが、そんな余力はまったくありませんでした

本当はTwitterで実況みたいな感じで、カレーの状況を随時お知らせしようと思ってたんですよ。
でもそれもやってる余裕なくて、結局最初アナウンス出来たのは半分を切って、カレールゥが1/3くらいになった時でした。
せめて半分くらいの時にもアナウンス出来てれば良かったのになぁ、という大きな反省。

しかも、せっかくTwitterを見て来てくれた人達に満足に挨拶してる余裕もなく。
途中何度か、オーダーの切れ目とかごはんの炊飯待ちの時にバックヤードから出てフロントに顔出しに行ったんですけど、それが出来たのは数回だけでしたね。

今思ったんですけど、あまりお客さんが来なかったら会える人は少ないし、たくさんお客さんが来たら忙しくてやっぱり会える人は少ないし、、、おっ、これもしかして構造的問題なのでは???(今更)
ちょっと、次回(があるかどうかはまだ判らんけど)はこの辺何とかして改善したいですね。

◆だいたいこんな所かな◆
ちなみに、この時点で既に5500文字書いたらしいです。

③巻末付録:エルカレーのつくりかた

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