龍の響き

雷が鳴っている。

家の周りをとぐろを巻いて
龍が 渦を巻いて
様子を伺っている。

「悪さする子はいないかえー」
「行儀の悪い子はいないかえー」と

家々を回って子供に恐怖を与える、

世の中には恐いものが一杯いるんだよ
と 教えて回る

余計なお世話の怪物達が

時空の狭間から 顔を覗ける。

私は唯ひたすらに
息を潜め 身を低く構え

過ぎて行くのを待っている。

自然現象の生業には
ひたすら無抵抗な私です。

人為的なものならば
抵抗を試みようともするかも知れないけれど

人智の及びようも無い世界から
返って来る現象は

唯ただ脅威であり
奇跡であるのです。

そして同時に
現象を引き起こす

要因となるものに
人の全てが
私のなすこと全てが

加担しているのだと云う事を
いつも 突き付けられて来るのです。

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